俺が道端で拾った本はただの本じゃなかった件について
第15話:会談
レノワード卿「ん?どうした?早く中に入りたまえ」
俺たちは中に入ろうとしても彼の威圧的なオーラで足が固まり動けなくなってしまう。
ラプァン「…」
修一・湊「うわっ!!」
中に入ることをためらっていると後ろから強い衝撃がきて無理やり中に入った。勿論俺たちの後ろにいるのはラプァンさん一人のため押したのは彼女だが今は中に入れてくれたことを感謝しよう。
ラプァン「お兄…頑張って…」
閉められた扉の向こうからよく聞き慣れた声が聞こえた。しかし、その声の持ち主はちゃんと人間の世界にいる筈の声だったため気にしなかった。
レノワード卿「貴様らは自分たちがどんな過ちを犯したのか分かっているのかね?」
氷のような冷たい声が体の全身を撫で回すかのように巡った。彼の威圧的な声はどうも慣れない。だがここで怯えてしまったら相手の思うツボになってしまう。できるだけ平常心で対応する。
修一「いえ、こちらの世界のことは全く理解しておりません。ですのでここがどんな世界なのかもさっぱり」
麻里さんは完全に怯えきっていて援護をしてくれそうにない。ここは自分の会話術で耐える。
レノワード卿「ふんっ、そんな嘘で吾輩を騙せるとでも思ったのかね?実に笑止千万だ」
彼の言い分が正しい。たとえ広場にいた全員を騙せても彼だけはきっと騙すことはできない。俺は息を飲み込み言葉が出ない状態でいた。
マリー「お、お父様…。本当に私が彼らをここに連れてきました。罰するなら私にして下さい」
麻里さんが勇気を振り絞りレノワード卿に勇気を出して話しかけた。
しかし、レノワード卿は麻里さんに見向きもせずに俺たちの方をじっと見ている。
レノワード卿「聞きたいことがある。貴様らとマリーは一体どんな関係だ?」
これはどういった質問だろうか?レノワード卿の問いかけの意味がわからず戸惑いながらもこう答えた。
繭「麻里さんとは友達です。まだ仲良くなって日は浅いですがそれでも友達は友達です」
レノワード卿「友達か…」
繭の出した答えにレノワード卿はどこか寂しそうな表情をした。それは何かを思い出しそれに対して悲しそうにしているように見えた。
レノワード卿「人間と本が友達になるなど…ありえん!マリーは人間どもに脅されたりそそのかされたりしているのだろう!?」
悲しそうな顔から一変しレノワード卿は怒りに満ちたような雰囲気になった。
マリー「い、いえ彼らは決してそんな人たちではありません!話を聞いてくださいお父様!」
明らかにレノワード卿の様子がおかしい。鬼のような血相をして息が上がっている。額からは脂汗をかき恨むような目つきでこちらを見ている。
レノワード卿「黙れ!人間は罪深き者だ。この世界に来たのならこの世界での法律に則って処罰するべきだ。そうするならば極刑にせねばならん」
今のレノワード卿はどう見ても正常じゃない状況に見える。まるでおもちゃを取られた子供のように暴れ使用人たちが取り押さえようとする。
執事「旦那様落ち着いてください!どうかお鎮まりを」
何人かの使用人達に抑えられ我に戻ったのかレノワード卿は落ち着いた表情を取り戻した。
レノワード卿「と、とにかく貴様らは元の世界に戻すわけにはいかん。人間など約束は口だけだからな。こちらが信じても簡単に裏切る。」
レノワード卿は自分の顔を右手で隠し俺たちを見ないようにしている。落ち着きを取り戻した雰囲気の中彼の命令により俺たちは連れていかれようとした。
繭「ちょ、ちょっと、離しなさいよ!まだ話は終わってないでしょ!?」
レノワード卿「もう良い、下がれ。この者たちは後に極刑に処す。地下牢にでも入れとけ」
使用人たち数人に体を押さえ込まれ何の抵抗もできない状態になってしまった。繭も同じく腕や足を抑えられできる抵抗としては「言葉」だけだ。
修一「レノワード卿、貴方はさっき人間と本は友達になれないって言いましたよね?ならこれを見てもまだ同じことを言うことができますか?」
すると、俺のズボンのポケットから眩い光が現れた。俺たちを抑えていた使用人たちはその光の眩さに目をくらませ押さえる力が一気に弱まりそのまま気を失った。
修一「もう出てきていいよ、アスカ…」
アスカの名を呼ぶと眩い光は先ほど以上の光の強さを放った。そうすると、俺の眼の前に出たのは今までポケットに隠れていたアスカだった。
アスカ「お前たち…わしの友人をこんな目に合わせおってわしも堪忍袋の尾が切れたぞ!」
アスカの表情は今までに見たことない鬼のような血相だった。すぐにでも目の前の相手を滅ぼしたいの思っているような表情をしたアスカは俺の方を振り向き優しい声で話しかけた。
アスカ「修一、少し待っておれ。今この者と話をつける」
レノワード卿はポケットからアスカが出てきたことに驚きの表情を見せていた。取り押さえられていた繭も使用人たちが気を失ったおかげで動けるようにもなった。
レノワード卿「人間の衣嚢から本が現れるとは…やつは一体何者だ」
アスカ「わしはアスカ人間である修一の友じゃ」
アスカの言葉にレノワード卿は少々驚かされて様な表情をした。今この広間にいるのは俺と繭とアスカと麻里さん、それにレノワード卿になった。数で言えば1対4になり形勢は逆転したと思う。
レノワード卿「信じられん…人間と本の共存などありえるはずがない」
その驚愕した姿のまま混乱しているレノワード卿はぶつぶつと呟いていた。その姿はどこか諦めがついたようにも見え先程までの子供のような乱れはなくなった。
修一「レノワード卿、もしよろしければ何か話していただけませんか?あなたには過去に人間と本との間に何かあったような傾向がみられるのでもしよければ教えてくれませんか?」
今のこの落ち込んだ状態ならば聞ける。そう確信した俺はレノワード卿に尋ねてみることにした。今の彼ならば教えてくれるだろう。
レノワード卿「…分かった。貴様らが本当に友というのならば私の話を聞くといい。これを聞いてもまだ友と言えるのならばな」
そんなとうに覚悟の上だ。俺たち全員は頷きレノワード卿の話を聞くことにした。彼は広間内の一番上等な椅子に深く座り込みパイプ煙草を吸い始めた。
レノワード卿「マリー、母のことは覚えてるか?」
唐突な質問に麻里さんも俺たちもキョトンとした顔で見合い麻里さんははいと答えた。
麻里「お母様のことは少しばかりなら覚えています。とても美しい方でした。今でも尊敬でき私の目指す人でもあります」
そうか…と天井へ舞い上がる煙草の煙を眺めながら相槌を打つ。深く座り込んだ椅子が姿勢を変えるたびにギシギシと音を鳴らす。
レノワード卿「お前には今まで話していなかったがお前の母は人間なんだ」
えっ?麻里さんの口から驚いたような声が聞こえた。プルプルと手を震わせしたいから少しばかり汗をかいていた。
マリー「私そんな話今まで聞いてませんでした。逆にお母様は本であったと聞いていましたけど」
信じられないと言わんばかりの呆然とした表情でレノワード卿へ問う。しかし、彼にとってその表情は予想通りのようでそのまま話が続く。
レノワード卿「吾輩と妻はな数十年前に人間界の駅という場所で出会った…」
彼女と出会ったのはとある寂れた駅でひどい雨の日だった。当時の吾輩は人間などには全く興味などなくただ散歩のつもりで人間の世界に来た。駅で雨宿りをしていると彼女が走って駅の中に入り突然吾輩に話しかけてきた。
彼女「凄い雨ですね。天気予報じゃ降水確率は40%だったから傘を家に置いてきちゃいました。あなたもそんな感じですか?」
レノワード「まぁそんなところです…」
今思い返せばその時から吾輩は彼女のことを好きになりそして人間に興味が出始めたのだろう。吾輩は雨が降るたびにあの駅へ訪れた。そしてその度に彼女も駅で雨宿りをしていた。
彼女「あら、また会いましたね。今日も傘忘れちゃったんですか?」
レノワード「はい、また偶然家に置いてきてしまいました」
雨宿りをするうちに吾輩たちはお互いのことを話すようになった。好きなもの、嫌いなもの、思い出話、悲しい話、楽しい話など彼女と過ごす時間はいつも偶然でいつも一瞬だった。
そんなある日のことだった。人間の世界の梅雨が終わりかける時に彼女のほうから吾輩に「結婚をしてくれ」とプロポーズをされた。だが、すぐに彼女を受け入れられなかった。なぜならここにいる誰もがわかっていることだろうが吾輩は高貴の一族であるため家の者は誰もが認めなかった。
吾輩自身も彼女にプロポーズをしようと何度も考えたが今後彼女がこの世界でどんな目に合うかわからなかったからとてもそんな勇気がなかった。だから吾輩は彼女に嫌われようと真実を明かしたのだ。
レノワード「君には黙っていたけど俺は人間じゃないんだ」
これで吾輩も彼女のことを忘れられると思ったが彼女の出した答えは吾輩が想像していたのと真逆だった。
彼女「あなたの正体なんてどうでもいい。私はあなたと一緒に過ごせるなら何だっていい」
彼女の意志を変えることはできず吾輩たちは彼女の身分を隠し結婚をすることにした。家族には彼女の正体がバレていたので独立し小さくではあるが屋敷も建てた。
それからの生活は順調だった。独立した吾輩にはこれといった収入はなかったので民と一緒に農業を行ったりして生活をしていた。結婚してから数年がたちマリーが生まれ吾輩達夫婦は幸せに包まれていた。
一生続けばいいとそう思っていた。だが、その願いは叶わなかった。マリーがまだ小さい時に彼女が人間だと民にばれてしまったのだ。
ご愛読ありがとうございます。
今回は期末テストともろにぶつかってしまったため完全に投稿するのが遅れてしまいました…
個人的に投稿は前回の投稿から1ヶ月になる2日前までに投稿すると決めていたのですが今回は何十日も遅れました。本当に申し訳ございません…
予定とは違いますが予告していた「あの夏二人で見た打ち上げ花火は君の胸の中だった」を今月中に公開しようと思います。お読みいただけたら幸いです。
あと、キャラクターの名前について訂正があります。
誤:ラパァン→訂:ラプァン
ご迷惑をおかけして申し訳ありません!
「メイドの鈴木さんが僕に恋をした」も今全力で書いています。もうしばらくお待ちください!
俺たちは中に入ろうとしても彼の威圧的なオーラで足が固まり動けなくなってしまう。
ラプァン「…」
修一・湊「うわっ!!」
中に入ることをためらっていると後ろから強い衝撃がきて無理やり中に入った。勿論俺たちの後ろにいるのはラプァンさん一人のため押したのは彼女だが今は中に入れてくれたことを感謝しよう。
ラプァン「お兄…頑張って…」
閉められた扉の向こうからよく聞き慣れた声が聞こえた。しかし、その声の持ち主はちゃんと人間の世界にいる筈の声だったため気にしなかった。
レノワード卿「貴様らは自分たちがどんな過ちを犯したのか分かっているのかね?」
氷のような冷たい声が体の全身を撫で回すかのように巡った。彼の威圧的な声はどうも慣れない。だがここで怯えてしまったら相手の思うツボになってしまう。できるだけ平常心で対応する。
修一「いえ、こちらの世界のことは全く理解しておりません。ですのでここがどんな世界なのかもさっぱり」
麻里さんは完全に怯えきっていて援護をしてくれそうにない。ここは自分の会話術で耐える。
レノワード卿「ふんっ、そんな嘘で吾輩を騙せるとでも思ったのかね?実に笑止千万だ」
彼の言い分が正しい。たとえ広場にいた全員を騙せても彼だけはきっと騙すことはできない。俺は息を飲み込み言葉が出ない状態でいた。
マリー「お、お父様…。本当に私が彼らをここに連れてきました。罰するなら私にして下さい」
麻里さんが勇気を振り絞りレノワード卿に勇気を出して話しかけた。
しかし、レノワード卿は麻里さんに見向きもせずに俺たちの方をじっと見ている。
レノワード卿「聞きたいことがある。貴様らとマリーは一体どんな関係だ?」
これはどういった質問だろうか?レノワード卿の問いかけの意味がわからず戸惑いながらもこう答えた。
繭「麻里さんとは友達です。まだ仲良くなって日は浅いですがそれでも友達は友達です」
レノワード卿「友達か…」
繭の出した答えにレノワード卿はどこか寂しそうな表情をした。それは何かを思い出しそれに対して悲しそうにしているように見えた。
レノワード卿「人間と本が友達になるなど…ありえん!マリーは人間どもに脅されたりそそのかされたりしているのだろう!?」
悲しそうな顔から一変しレノワード卿は怒りに満ちたような雰囲気になった。
マリー「い、いえ彼らは決してそんな人たちではありません!話を聞いてくださいお父様!」
明らかにレノワード卿の様子がおかしい。鬼のような血相をして息が上がっている。額からは脂汗をかき恨むような目つきでこちらを見ている。
レノワード卿「黙れ!人間は罪深き者だ。この世界に来たのならこの世界での法律に則って処罰するべきだ。そうするならば極刑にせねばならん」
今のレノワード卿はどう見ても正常じゃない状況に見える。まるでおもちゃを取られた子供のように暴れ使用人たちが取り押さえようとする。
執事「旦那様落ち着いてください!どうかお鎮まりを」
何人かの使用人達に抑えられ我に戻ったのかレノワード卿は落ち着いた表情を取り戻した。
レノワード卿「と、とにかく貴様らは元の世界に戻すわけにはいかん。人間など約束は口だけだからな。こちらが信じても簡単に裏切る。」
レノワード卿は自分の顔を右手で隠し俺たちを見ないようにしている。落ち着きを取り戻した雰囲気の中彼の命令により俺たちは連れていかれようとした。
繭「ちょ、ちょっと、離しなさいよ!まだ話は終わってないでしょ!?」
レノワード卿「もう良い、下がれ。この者たちは後に極刑に処す。地下牢にでも入れとけ」
使用人たち数人に体を押さえ込まれ何の抵抗もできない状態になってしまった。繭も同じく腕や足を抑えられできる抵抗としては「言葉」だけだ。
修一「レノワード卿、貴方はさっき人間と本は友達になれないって言いましたよね?ならこれを見てもまだ同じことを言うことができますか?」
すると、俺のズボンのポケットから眩い光が現れた。俺たちを抑えていた使用人たちはその光の眩さに目をくらませ押さえる力が一気に弱まりそのまま気を失った。
修一「もう出てきていいよ、アスカ…」
アスカの名を呼ぶと眩い光は先ほど以上の光の強さを放った。そうすると、俺の眼の前に出たのは今までポケットに隠れていたアスカだった。
アスカ「お前たち…わしの友人をこんな目に合わせおってわしも堪忍袋の尾が切れたぞ!」
アスカの表情は今までに見たことない鬼のような血相だった。すぐにでも目の前の相手を滅ぼしたいの思っているような表情をしたアスカは俺の方を振り向き優しい声で話しかけた。
アスカ「修一、少し待っておれ。今この者と話をつける」
レノワード卿はポケットからアスカが出てきたことに驚きの表情を見せていた。取り押さえられていた繭も使用人たちが気を失ったおかげで動けるようにもなった。
レノワード卿「人間の衣嚢から本が現れるとは…やつは一体何者だ」
アスカ「わしはアスカ人間である修一の友じゃ」
アスカの言葉にレノワード卿は少々驚かされて様な表情をした。今この広間にいるのは俺と繭とアスカと麻里さん、それにレノワード卿になった。数で言えば1対4になり形勢は逆転したと思う。
レノワード卿「信じられん…人間と本の共存などありえるはずがない」
その驚愕した姿のまま混乱しているレノワード卿はぶつぶつと呟いていた。その姿はどこか諦めがついたようにも見え先程までの子供のような乱れはなくなった。
修一「レノワード卿、もしよろしければ何か話していただけませんか?あなたには過去に人間と本との間に何かあったような傾向がみられるのでもしよければ教えてくれませんか?」
今のこの落ち込んだ状態ならば聞ける。そう確信した俺はレノワード卿に尋ねてみることにした。今の彼ならば教えてくれるだろう。
レノワード卿「…分かった。貴様らが本当に友というのならば私の話を聞くといい。これを聞いてもまだ友と言えるのならばな」
そんなとうに覚悟の上だ。俺たち全員は頷きレノワード卿の話を聞くことにした。彼は広間内の一番上等な椅子に深く座り込みパイプ煙草を吸い始めた。
レノワード卿「マリー、母のことは覚えてるか?」
唐突な質問に麻里さんも俺たちもキョトンとした顔で見合い麻里さんははいと答えた。
麻里「お母様のことは少しばかりなら覚えています。とても美しい方でした。今でも尊敬でき私の目指す人でもあります」
そうか…と天井へ舞い上がる煙草の煙を眺めながら相槌を打つ。深く座り込んだ椅子が姿勢を変えるたびにギシギシと音を鳴らす。
レノワード卿「お前には今まで話していなかったがお前の母は人間なんだ」
えっ?麻里さんの口から驚いたような声が聞こえた。プルプルと手を震わせしたいから少しばかり汗をかいていた。
マリー「私そんな話今まで聞いてませんでした。逆にお母様は本であったと聞いていましたけど」
信じられないと言わんばかりの呆然とした表情でレノワード卿へ問う。しかし、彼にとってその表情は予想通りのようでそのまま話が続く。
レノワード卿「吾輩と妻はな数十年前に人間界の駅という場所で出会った…」
彼女と出会ったのはとある寂れた駅でひどい雨の日だった。当時の吾輩は人間などには全く興味などなくただ散歩のつもりで人間の世界に来た。駅で雨宿りをしていると彼女が走って駅の中に入り突然吾輩に話しかけてきた。
彼女「凄い雨ですね。天気予報じゃ降水確率は40%だったから傘を家に置いてきちゃいました。あなたもそんな感じですか?」
レノワード「まぁそんなところです…」
今思い返せばその時から吾輩は彼女のことを好きになりそして人間に興味が出始めたのだろう。吾輩は雨が降るたびにあの駅へ訪れた。そしてその度に彼女も駅で雨宿りをしていた。
彼女「あら、また会いましたね。今日も傘忘れちゃったんですか?」
レノワード「はい、また偶然家に置いてきてしまいました」
雨宿りをするうちに吾輩たちはお互いのことを話すようになった。好きなもの、嫌いなもの、思い出話、悲しい話、楽しい話など彼女と過ごす時間はいつも偶然でいつも一瞬だった。
そんなある日のことだった。人間の世界の梅雨が終わりかける時に彼女のほうから吾輩に「結婚をしてくれ」とプロポーズをされた。だが、すぐに彼女を受け入れられなかった。なぜならここにいる誰もがわかっていることだろうが吾輩は高貴の一族であるため家の者は誰もが認めなかった。
吾輩自身も彼女にプロポーズをしようと何度も考えたが今後彼女がこの世界でどんな目に合うかわからなかったからとてもそんな勇気がなかった。だから吾輩は彼女に嫌われようと真実を明かしたのだ。
レノワード「君には黙っていたけど俺は人間じゃないんだ」
これで吾輩も彼女のことを忘れられると思ったが彼女の出した答えは吾輩が想像していたのと真逆だった。
彼女「あなたの正体なんてどうでもいい。私はあなたと一緒に過ごせるなら何だっていい」
彼女の意志を変えることはできず吾輩たちは彼女の身分を隠し結婚をすることにした。家族には彼女の正体がバレていたので独立し小さくではあるが屋敷も建てた。
それからの生活は順調だった。独立した吾輩にはこれといった収入はなかったので民と一緒に農業を行ったりして生活をしていた。結婚してから数年がたちマリーが生まれ吾輩達夫婦は幸せに包まれていた。
一生続けばいいとそう思っていた。だが、その願いは叶わなかった。マリーがまだ小さい時に彼女が人間だと民にばれてしまったのだ。
ご愛読ありがとうございます。
今回は期末テストともろにぶつかってしまったため完全に投稿するのが遅れてしまいました…
個人的に投稿は前回の投稿から1ヶ月になる2日前までに投稿すると決めていたのですが今回は何十日も遅れました。本当に申し訳ございません…
予定とは違いますが予告していた「あの夏二人で見た打ち上げ花火は君の胸の中だった」を今月中に公開しようと思います。お読みいただけたら幸いです。
あと、キャラクターの名前について訂正があります。
誤:ラパァン→訂:ラプァン
ご迷惑をおかけして申し訳ありません!
「メイドの鈴木さんが僕に恋をした」も今全力で書いています。もうしばらくお待ちください!
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