俺が道端で拾った本はただの本じゃなかった件について

破錠 斬々

第9話:姉とのデートpart2

恭子「もう!放してって言ってるじゃないですか!!」

姉さんが嫌がっている。助けに行きたいがナンパ男と俺の体格差があまりに違いすぎるので確実に負けてしまうだろう。ここは素直に負けを認めて助けを呼びに行こう。

???「クソっこいつ抵抗しやがって…おい行くぞっ!あんま抵抗していると痛い思いするからな!」

ナンパ男が姉さんの服の袖を引っ張り無理やり連れて行こうとした瞬間俺は無意識にナンパ男と姉さんの間に立ちナンパ男の腕をつかんでいた。

修一「あの。俺の彼女に何か用ですか?」

ナンパ男に対して出た一言目がこれだ。俺はなんて意気地なしなんだろう。普通の彼氏なんかの立場だったら怒って突撃するんだろうが俺にはそんな勇気がないから相手が怒らないように最低限の抵抗をするのが精一杯だ。

???「何だよお前…彼氏?は、そんなわけないだろう。こんなかわいい子がお前みたいなさえないやつの彼女になるわけないだろう?邪魔だからそこどけ」

怖い…自分の身長をはるかに超えた生き物を相手に怒らせないよう立ち向かうなんて俺には条件がきつい。それに対して相手のほうは自分より小さい生き物を払いのければいいだけなんだから楽勝だろうな。

恭子「本当です。この人は私の彼氏でちゃんと付き合ってます!」

姉さんが話を合わせてくれている。二人で付き合ってるなんて言ったらナンパ男も納得してくれるだろうか。

修一「すいません。もう行ってもいいですか?」

???「は、何言ってんの?お前を誘ってるんじゃないんだからお前だけ行けよ。なぁ姉ちゃんもこんな弱そうなやつよりも俺みたいなほうがいいだろう?」

ナンパ男は俺の言葉なんか聞く耳なしで姉さんに話しかけている。姉さんを守らなくてはいけないのに俺はなんて勇気がないだ…だけど

修一「あの、いい加減しつこいんですけど離れてくれませんか?この後も行きたいとこあるんで」

姉さんを危ない思いをさせるわけにはいかない。姉さんが傷つくくらいなら俺が殴られれば住む話だ。

???「だからお前に話してないって言ってるだろ?邪魔だからどけって」ドンッ

修一「…こんな大勢の人が見ている場所でナンパなんて恥ずかしくないんですか?本当に姉さんのことが好きでもないくせに近寄るなんて獣みたいだなあんた」

???「フハハハッお前ら姉弟なのかよ。そっちのほうが恥ずかしくないのかよ?気持ち悪いな」

修一「そんな気持ち悪いのにナンパしたのは誰だよ?」

???「うるっせーんだよっ!」ドカッ!

修一「痛っ!」

ナンパ男に殴られた。殴られた瞬間目の前が真っ暗になって見えなくなったが次に目を開けたときはナンパ男の目の前に立っていたのは姉さんだった。

恭子「あんた私の修ちゃんに何してんのよ?」ギロッ

こんなに怒った姉さんは初めて見た。ナンパ男はそんな姉さんに怯むことなく対抗してくる。

???「何だよブラコン女が人がせっかく優しく遊ぶのに誘ったっていうのにお前が抵抗するからそいつが俺に殴られたんだろうが」

恭子「は?私のせいだっていうの?あんたが私と修ちゃんが二人きりでデートしてるときにナンパしてきたんでしょうが発情期の犬みたいに」

姉さんのよくわからない表現が始まった。頭が良すぎると表現まで硬くなってしまう。それほど今の姉さんは冷静じゃないってことだ。

恭子「こんなに優しく勇敢でそして可愛い修ちゃんとは違って人を外見だけで決めつけて体目的で遊びに誘う輩とは大金積まれてもごめんだわ」

姉さんのこの言葉を最後にナンパ男は怒り女性である姉さんに向かい殴りかかってきた。だが、姉さんにその拳は届かないだろう。

恭子「フンッ!!!!」

姉さんは自分よりもはるかにでかいナンパ男を相手に一捻りで宙を回転させた。

???「痛っ!な、何したんだよ!?このクソアマが!!」

もう一度殴りかかってきたナンパ男は再び姉さんに技をかけられ頭を地に伏せられた。

恭子「修ちゃんを守るために独学で勉強した格闘術がこんなところで役立つとは思わなかったわ…」

そう。姉さんは俺を守るという名目でロシアの軍人が行う格闘術『システマ』を某動画サイトで独学で極めたのだ。この力は本国のロシアで通用するかはわからないが少なくともこの環境下では最強だろう。

警備員「コラッーー!君たち何をしてるんだー!」

やっとのタイミングで警備員が走ってきた。これでこの場所から離れられる。

???「クソッもうてめぇらなんてどうでもいいわ!!」

ナンパ男は警備員の姿を見た瞬間に捨て台詞を言ってどこかに逃げていった。よかった。これで助かった。

恭子「修ちゃん行こうか…」

修一「うん…」

姉さんはどこか元気がなかったがこの場所から離れるために水族館を出た。姉さんは水族館を出てからも少しだけ落ち込んでいるような怒っているような感じだった。

修一「姉さん…ごめんね。すぐに助けに行けなくって…俺勇気が出なくって中々ナンパ男に立ち向かえなかったんだ」

恭子「気にしないで…あんなにつよそうな男だもん喧嘩をしない修ちゃんには怖い相手だったよね」

水族館を出て近くの公園で休んでいる途中俺は姉さんに元に早く行けなかったことを謝罪していた。だが、姉さんの口から出た言葉はあきれた言葉ではなく勇気の出なかった意気地のない俺に対しての褒める声だった

修一(姉さんが震えている。よっぽど怖かったんだろうか…)

修一「姉さん…」

姉さんは足を震わせ俺の左手を握ってきた。何かを訴えかけようとしているのか姉さんは顔を下に下げたままこちらを向いてきた。


恭子「修ちゃん…」

恭子「とぉーーーーってもかっこよかった!!!!」

え?姉さんは落ち込んでいたんじゃないのか?姉さんは俺にかっこよかったと言って顔を赤くしながら話し始めた。

恭子「修ちゃんがあの男に対して『俺の彼女がどうかしましたか?』って言って登場してきたときはもう惚れ直しちゃったわ!しかも修ちゃん喧嘩とかしない優しい子なのに私が本気で連れていかれそうになった時体を張って守ってくれてうれし泣きしそうになっちゃった♪」

よく喋る。後から聞いた話が姉さんはその気になったらすぐに追い払うことができたみたいだ。だが、俺に助けてもらおうとあえて逃げれないふりをしてチャンスを伺っていたみたいだった。

修一「はぁ…姉さんもう帰る?それとももう少し出かける?」

恭子「あのね、修ちゃんお姉ちゃん最後にもう一か所行きたい場所があるの。行かせてくれる?」

修一「いいけどどこに行くの?」

姉さんに連れて行かれた場所は市内地にあるデートスポットだった。こんなところになん用があるのかはわからないが姉さんは今日どうしてもここだけは来たかった場所みたいだ。

恭子「修ちゃん少しだけ大事な話をするけどいいかな?」

修一「大事な話?いきなりどうしたの?」

俺の問いかけに姉さんはポケットから一枚の紙を取り出した。姉さんが俺に見せたのは婚姻届けだった。

恭子「あのね修ちゃん…今すぐってわけじゃないけどお姉ちゃんと結婚してくれない?」

修一「は!?え、何姉さん?結婚?でも俺たち姉弟なんだよ?しかも本気で言ってるの?」

姉さんのあまりの唐突なプロポーズに俺はただ慌てるだけだった。俺と姉さんは血はつながってないが姉弟であり結婚するのはいいわけがない。

恭子「お姉ちゃんは本気だよ?本気で修ちゃんと結婚したいって考えてる。修ちゃんはお姉ちゃんがお嫁さんじゃ嫌?」

姉さんが俺に対してこんなに上目遣いで話しかけてくるのは初めてだ。俺はこの言葉にどう返したほうがいいんだ?

俺も姉さんが好きだ。でもそれは家族として好きなわけで姉さんのことを異性としてはみたことはない。そんな俺に姉さんは求婚している。

修一「姉さん。こんな俺のどこがいいの?姉さんに勝ることなんて何一つない俺と結婚したって全く釣り合わないで苦労するだけだよ?」

恭子「いいえちがうよ修ちゃん。修ちゃんはお姉ちゃんよりも強いとこたくさん持ってるよ」

姉さんは何を言っているんだ?俺が姉さんに何か勝てるなんてありえない。学力も運動能力も精神力も何一つ勝てないし勝ったこともない。きっとこれからもだろう。

恭子「修ちゃんは世界でただ一人私を守ってくれる騎士ナイトなの。修ちゃんが私と生涯一緒にいてくれればそれだけでいい。それ以外何も望まない。お願い修ちゃん将来お姉ちゃんと結婚することを誓って」
修一「姉さん…(どうしよう。姉さんの気持ちにはYESと答えてあげたい。でもそれじゃダメな気がする。何かが俺の心にブレーキをかけている気がする。俺にはこれ以上先の言葉を話す力がない…)」

黙っている俺をただただ見つめる姉さんは真剣な表情だ。姉さんのこの問いかけに一番正しい答えは何だ?優柔不断だと言われるかもしれないが今は仕方がない。何と言われようと我慢できる。しかし今俺のやるべきことは結果が良くても悪くても姉さんに俺の気持ちをこたえることだ。

修一「姉さん…あのね…」

恭子「ぷっ…ハハハハハッ!修ちゃんったら真剣な顔になっちゃって可愛いな~。お姉ちゃん今すぐにじゃなくていいって言ったでしょう?だから修ちゃんが答えられるときに返事を聞かせて。お姉ちゃんいつでも待ってる」

真剣な表情からいきなり笑顔になった姉さん。まるで酔っているかのようにあいまいな表情をしている。でも、俺的には一難が去ったわけだ。姉さんの言う通り答えを決めないといけない時が来るだろうとその時は頭の中で考えることしかできなかった。

恭子「修ちゃん今日はもう帰りましょう。アスカちゃんと鈴が待ってるよ」

修一「うん…」

さっきまでの微妙な雰囲気は一気に消え去り今はただの姉弟となった。

まさか本当に姉さんは俺のことが好きだったなんて思いもしなかった。今までの行為は家族のスキンシップ程度にしか考えていなかったがよく考えるとそれは行為ではなく好意だったと話が付く。

修一・恭子「ただいまー」

俺の頭の中にまた一つ難題が押し付けられた。この問題を解決できるときはいつになるかはまだわからない。



今回はここまでです。
少しグダグダで終わってしまいましたが前回に引き続き姉とのデートを投稿しました。次回からはアスカ編に戻ります。
次回話にもどうぞご期待ください。



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