俺が道端で拾った本はただの本じゃなかった件について

破錠 斬々

第8話:姉とのデート

チュンチュン…チュンチュン…

朝か。昨日は早く寝てから割と早く起きれたな。今日は日曜日だし昼まで寝るか。

そう思っている矢先に突然の訪問者が俺の部屋に入ってこようとしてるとはまだ二度寝をしようとして目を閉じた俺は思っていなかった。

恭子「修ちゃ〜ん?起きた〜?」

姉さん…何か面倒なことが起きそうな気がするから寝たふりをしておこう。姉さんは俺のベッドのところまで来て俺の顔を確認する。寝てるのを確かめたら帰るのかと思ったら

恭子「起きてるはずよね?さっき修ちゃんの部屋に置いてあるカメラで起きてるところを見てたもの〜」

修一「えっ!?姉さん俺の部屋にカメラ置いてたの!?」ガバァッ!

恭子「やっと起き上がったわね。そうよ〜修ちゃんの生活スペースにはお姉ちゃんの手作りカメラが数台設置してあるわよ」

俺は姉さんがそう言ってすぐに今いる位置から部屋を見渡すがそんな感じはしないが…?

恭子「探しても無駄よ?私が作ったカメラなんだから普通の企業で作ったカメラとは格が違うのよ」

そうだった。姉さんは東大の科学分野の大学院卒業生だった。姉さんの実力じゃ下手したら科学業界の歴史を変えられるような人材と期待されてたのに…今や家事だけをする人物になるとは…

修一「まぁカメラのことはいいや。姉さんから見られてるのは日常のことだし。で、何の用?」

恭子「あら〜忘れたの修ちゃん?デートに行く約束してたでしょう?だから今日行こうと思って」

そういやそんなこと言った気がするな。一週間前の逃げるための適当な約束だったから完全に忘れてしまっていた。まさか今日にするとは。

恭子「アスカちゃんならさっき繭ちゃん家に行ったから修ちゃん今日はフリーのはずでしょう?だからお姉ちゃんどうしても今日に行きたくて」

修一「アスカがいる日じゃ駄目なの?」

恭子「私修ちゃんとは大人のデートをしたいからアスカちゃんがいたらできることもできないでしょう?」

まぁそらもそうか。仕方ない今日は大切な姉のために日曜日の貴重な時間を割くとするか。

修一「わかったよ。じゃぁ着替えるからリビングで待ってて」

恭子「大丈夫よ。私ここで修ちゃんの着替えるところを見てるから」

修一「早く出て行って」

よし。着替えたことだしリビングに降りて姉さんのデートに付き合うか。

修一「おまたせーいつでも行けるよ」

恭子「あら、早かったわね。私も準備は既にできているからもう行きましょうか」

ーーー

修一「姉さんところで今日はどこに行くの?」

恭子「お姉ちゃんねずっと前から修ちゃんと見たかった映画があるのよ。これ見て」

姉さんが渡してきたチラシには今有名の『あなたの名は』だった。俺もちょうど見たかったしいいか。

修一「わかった。じゃぁチケット買ってくるわ」

恭子「ふっふん!お姉ちゃんこの日のために前もってチケットを購入してありました!」ドヤッ!

何かドヤ顔で渡してきたチケットはピンクのリボンのついた封筒に入っていた。プレゼントのつもりなのだろうか?それだったら気分を損ねたらまずいので弟の底力を見せるか。

修一「おぉ!流石姉さん!前もって買っておくなんて計画性があってカッコいいよ!」

恭子「そ、そうでしょそうでしょ?///もっとお姉ちゃんを褒めてもいいのよ?///」

当たったようだ。姉さんは頬を赤らめて嬉しそうにドヤ顔を続けている。

恭子「あ、もうこんな時間だわ。修ちゃんシアタールームに早く行きましょ?」

修一「あ、うん。ちょっと待って」

ーーー

恭子「いやー面白かったわね」

修一「確かに主人公の二人がまさかの理由で入れ替わっていたとはね思わなかったわ」

恭子「修ちゃん映画楽しかった?」

修一「もちろん!姉さんのおかげでいいのを見れたよ!」

恭子「そ、そう///修ちゃんが良かったのならお姉ちゃん満足だわ///」

姉さんも映画が面白かったせいか嬉しそうに微笑んでいる。良かった。だが次はどこに行こうとしてるのだろうか?

修一「姉さん次はどこに行くの?」

恭子「次はショッピングモールで新しい服を買いたいの付き合ってくれる?」

修一「デートだから一応付き合うよ」

恭子「流石私の自慢の弟の修ちゃん!本当愛してるわ〜!」

修一「はいはい」

ショッピングモールに来るのもあまりないから来るたびにいくつか店が変わった気がする。でも今日は姉さんのために来たからそれは関係ないか。

恭子「修ちゃんこれ見て見て!これ私に似合うかしら!?」

修一「んー姉さんには少し地味なんじゃないかな?そっちの色よりも服のタイプはちょっと変わるけどこっちのワンピースが似合うと思うよ」

姉さんが俺に見せてきたブラウン色のコートタイプのワンピースは俺が思うに弟の俺が言うのも何だが姉さんのような牡丹のような人には服のタイプはいいにしろ色が地味すぎる気がしたので薄桃色のノースリーブのワンピースを見せた。

恭子「修ちゃんはこれを着たお姉ちゃんは好き?」

修一「まぁ姉さんには似合うしいいと思うけど?」

恭子「じゃぁこれ買うわ」

修一「そ、そわな突然な!せっかく来たんだからもっとじっくり選びなよ。俺が出したやつだからって無理して買わなくていいよ。姉さんがさっきの服が気に入ったのならそれを買えばいいじゃない?」

恭子「いいえ、修ちゃんが私のために選んだものに選択権はないの。だからお姉ちゃんはどんな服の選択肢を与えられてもこれしか買わない気持ちよ」

何かイキナリ真面目モードに入った姉さん。そんなに俺が選んだ服が良かったのだろうか?とても大切そうにニヤニヤしながら紙袋を抱きしめ歩いている。

恭子「///♩」

恭子「もうお昼だここで何か食べて行こうか?」

姉さんが示したのはショッピングモールのフードコート。腹減っていたから丁度いい。

修一「姉さん頼むもの決まった?決まってたら俺がついでに買ってくるけど」

恭子「じゃぁ修ちゃんと同じやつでお願い」

同じやつか。俺一人でならモックのチーズバーガーセットを買うとこだが体の細い姉さんがそんなものわ食べれるとは思えないからもっとヘルシーなものにするか…

修一「おまたせ〜結局決まらなかったからラーメンにしたけどいいかな?」

今時女子はラーメンとか好きって誰かに聞いたからラーメンにしたけど大丈夫だろうか?姉さんが食べきれるかどうかは怪しい。

恭子「修ちゃん私の大好物覚えていてくれたのね〜!」

修一「え?姉さんラーメンが好きだったけ?何か今初めて知った気がするけど」

恭子「もう、修ちゃんったらとぼけちゃって…覚えてない?私たちが初めて二人で留守番した日のこと」

修一「あっ…!」

俺は姉さんの言葉で完全に思い出した。



父さんと母さんが再婚してすぐ父さんは仕事で母さんと鈴は出かけてた日があった。

その時の俺と姉さんはまだ上手く打ち解けず無言の日々が過ぎていた。

でもどうしても腹が減ったので台所にあったラーメンを一人で作ろうと思ったが姉さん一人だけ何も食べないのは可哀想と思ったから俺が姉さんの分も作ったんだ。

修一「恭子ちゃん…?」

恭子「どうしたの…修一くん?」

修一「その…もうお昼だし恭子ちゃんがお腹減ってるかもって思ってラーメン作ったけど食べる?」

恭子「うん…ありがとう」

その時食べたラーメンの味はもう覚えていない。だけど凄く思い出深くあのラーメンのおかげで俺と姉さんは今の関係を築けている。



恭子「ちゃんと思い出した?」

姉さんが微笑みながら問いかける。よっぽど思い出してもらったことが嬉しいのだろう。

確かにあのラーメンのおかげで今の関係ができているが姉弟と言えども距離感が近すぎる気がする。

恭子「さ、修ちゃんが思い出したことだし食べるとしましょうか!」

修一「そうだね。姉さん胡麻入れる?」

恭子「ありがとう修ちゃん」

ーーー

恭子「あそこのラーメン美味しかったわね!」

修一「ラーメンなんて久々に食ったけど結構当たりな場所だったな」

昼食も済ませて次はどこに行くつもりなのだろうか。もうあらかた用事は済ませたと思うしちょっと早いけど帰るのかな?

恭子「修ちゃん突然だけど水族館行かない?」

修一「え!?イキナリすぎない?荷物どうするの?」

恭子「駅のロッカーに入れとけばいいじゃない♫」

姉さんの突然の閃きでショッピングモールから水族館へと場所が変更した。

駅のロッカーに荷物を入れて駅から5分ほど歩いた所に水族館に着いた。

恭子「修ちゃんと水族館なんて初めてね」

修一「まぁお互いそれなりの小さい子じゃないから水族館なんてあまり行こうなんて思わないからね」

恭子「そう?水族館は大人でも楽しめるような特別な場所だと私は思うけどな〜」

水族館か。子供の頃父さんに一度だけ連れて行ってもらったことがある。

恭子「修ちゃん何から見ていく?クラゲ?イルカ?」

水族館についた姉さんはご機嫌で何から見ていくか質問してくる。最初に面白いものから見ていくと最後がつまらなくなるからここは間を取った…

修一「このパンフレットの『近海に生息する魚たち』を見に行こう」

恭子「流石修ちゃんね面白いやつと面白くないやつの間を取った無難なやつを選んだわね!じゃぁさっそく見に行きましょう!」

何か今姉さんに俺の頭の中を見られた気がするが…まぁいいか。

流石近海に生息する魚だけあってどれも知っている魚だ。でも周りの雰囲気を見ていると子供たちはスーパーに売っている魚でも水族館で泳いでいるところ見るとやっぱり違うんだろうか。

恭子「修ちゃん見てみて!アジが泳いでいるわよ!」

姉さんも周りの子供たちとあまり変わらいな。本人が楽しいのならいいけど。

修一「姉さんそんなに珍しいの?」

恭子「だって修ちゃんと一緒に来たんだもの。どんなことをしたって楽しいに決まってるわよ♡」

修一「馬鹿なこと言ってないで次に行くよ///」

さっきの姉さんの言葉に不意的に心がざわついてしまった。何を考えているんだ俺は血はつながっていないといっても姉弟なんだから。

恭子「ここは海外の海に生息している魚たちみたいね」

修一「そうだね。もしアスカがいたらかなり興奮してただろうね」

アスカは海外のことにとても興味を持っていたからここに連れてきたら喜んだだろうな。と自分の心の中で考えていると姉さんは不機嫌そうにこっちを見て。

恭子「修ちゃん最近お姉ちゃんのことよりもアスカちゃんばかりのことを考えてる…お姉ちゃんとっても寂しいな。修ちゃんはどんどん私から離れていくんだね…」

うっ…良心が痛む。確かにここ最近はアスカのことに付きっきりで姉さんのことを適当にしていたからな。

修一「姉さん…ごめんね。そんなつもりはなかったんだけど無意識に姉さんから離れていたんだね。これからは姉さんのことも大切にするよ(家族として)」

恭子「そ、そう///?ならいいのよ?これからはお姉ちゃんのことを大切にすること!いい?」

照れ隠しだろうか?姉さんは頬を赤くして話をする。姉さんはやっぱり俺のことが…

恭子「修ちゃん私ジュース買ってくるけど何か飲みたいものある?」

修一「えっと・・・じゃあコーヒーでお願いしていい?」

恭子「りょーかい!」

ーーー

遅い…ジュースを買いに行ってからだいぶ時間がかかる。そんなに自動機販売機が見つからないのだろうか。それともついでにトイレにでも行ってるのだろうか。

修一「ちょっと探しに行くか」

すぐに見つかるだろうと思い探しに出たがなかなか見つからない。はたしてどこに行っているのだろうか。

???「おい、姉ちゃん待ちなって!」

???「やめてください!!彼が待ってるんで構わないでください!!」

ナンパか?かわいそうに。声の主は誰だ?

???「なぁここ出てからカラオケでも行こうぜ?おごってあげるから遊びに行こうぜ?」

恭子「もう!!放してって言ってるじゃないですか!!」

声の主は姉さんだった。



今回はここまでとさせていただきます。
学校のテスト期間が入ってしまったのでしばらく休ませてもらいました。
申し訳ありません。
私個人としての話ですが高校一年の時期も後しばらくで終わってしまいます。これを機に今以上に小説に専念したいと思っていますのでこれからも桐谷優人の応援をお願いします。

さて、この話の内容に戻りますが姉とのデートに突如襲い掛かるナンパ男に修一はどうやって対抗するのか。次回は姉とのデートpart2です!
お楽しみください!



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