俺が道端で拾った本はただの本じゃなかった件について

破錠 斬々

第4話:本屋にて

まだこれは予測だがアスカは古い本なのかもしれない。

例えばアスカの作者が大昔の人物だとする。そうするとなぜアスカがこの話し方なのかが理解できる。だとすると1つ疑問になるのがいつ頃の作品なのかだ。

修一「アスカ、お前は記憶が一切何もないのか?」

アスカ「うむ、部分的な記憶なら少しは残っているのじゃが一番古くて2年ほど前かの」

修一「2年前の記憶は何の記憶?」

アスカ「わしが自分の記憶をなくしたという記憶じゃ」

修一「・・・・」

2年前か、かなり最近過ぎるな。だとしたら考えられるのは歴史関係の雑誌みたいなのだろうな。そしたらこの話し方で記憶が最近なのは理由がつく。

修一「アスカ、おおよその検討はついた。とりあず今日は寝て明日本屋に行ってから探そうか」

アスカ「承知した。この旅始まって以来の大きな手掛かりが見つかったみたいじゃから期待してみようではないか!」

そうだな。一番不安で心配しているのはアスカ本人だからできるだけ予測だけで動くのはよそう。

アスカ「よし!そうと決まれば今日は早く寝て明日頑張って探すのじゃ!」

修一「そうだな。だったらもう電気消すぞ?」

アスカ「うむ。消してよいぞ」

ーパチッー

明日はかなりのハードスケジュールになるからしっかりと計画を立てないとな。十分な休息をとってできるだけ早くアスカの記憶を取り戻してあげないと。

ー翌日ー

うーん。体がだる重い。少し寝すぎたみたいだな。気持ち体がポカポカする気がする…ん?

アスカ「Zzz…」

俺の目の前には裸のアスカが寝ている。どおりで温かいはずだ。だが…

アスカ「Zzz…」

修一(やべぇ///裸の女の子が俺の前で寝ている///姉さんも俺の布団に潜り込むことがあったけどその時はちゃんと服も着ていたしこんな状態は初めてだ///どうしよう…)

修一「あの、アスカさん?起きてくれませんか?」

アスカ「Zzz…」

全然起きる気配がない。どうやって起こしたらいいんだ。体をさすっても起きないし、声をかけても起きないしお手上げだな。

アスカ「Zzz…」

こうして見るとアスカは本当に子供みたいだな。何か微笑ましく見えるな。

アスカ「Zzz…」

そういやアスカの髪はまるで狐の耳みたいな髪型だな。ちょっと触ってみるか…ギュッ

アスカ「ふぁっ///!?」

修一「うわっ!?アスカ!?ご、ごめん!」

な、なんだ?いきなりアスカが飛び上がるように起きて。それも甲高い声で。

アスカ「全く何じゃ!?朝の起こし方が少し乱暴すぎるぞ?」

修一「ごめん、まさか髪の毛触ったらこんなことになるなんて思っていなかったから…」

アスカ「これは髪の毛ではない。わしのちゃんとした耳じゃ。しかもわしは耳が弱いのじゃから乱暴に触られたら困るぞ?」

修一「本当にごめん。次からは気を付けるよ」

???「あらあら、朝から仲がよろしいことで…」

やばい、この家で最も強敵な人物の正体を忘れていた。

恭子「おはよう修ちゃん♡」ハイライトオフ…

姉さんだ。

アスカ「これは恭子殿!今日も真に麗しいな!」

駄目だアスカ。ハイライトオフになった姉さんは俺の言うことさえ聞かなくなる。残された道は…

恭子「あら、アスカちゃんおはよう。今日も元気ね」

あれ?姉さんが暴れない?何故だ?アスカが来る前は俺に関わることで嫌なことがあるとすぐに攻撃的になっていたのに。

まぁその話はまた別の時に話すが。

恭子「修ちゃん?」

修一「うわっ!びっくりした。何姉さん?」

恭子「朝ごはん食べよ?」

何だ…いつも通りの姉さんだ。少し圧力のかかった目で可愛らしく朝食を進めてきた。

皆「いただきまーす!」

また新しい1日が始まる。始まりはいつも朝食からだ。今日は妹の鈴もいる。

鈴「お兄、この幼女誰?」

突然だな。初登場で一言目が「この幼女誰?」か、かなりインパクトがあるな。

アスカ「わしはアスカと言ってなわしはhムグッ

アスカ1人で話させるとややこしいことになりそうだから俺から話すとするか。

修一「昨日から一緒に住むことになったアスカだよ。実はこいつの正体は本なんだ」

鈴「は?何それ?」

確かに鈴の反応が正しい。突然現れて本という紹介を受けてはいそうですか。とはいかないか。とりあえずは事情説明を。

カクカクシカジカ

鈴「ちょ、何それ話が面白すぎるんですけどw」

修一「確かに信じがたいと思うけど全部本当のことなんだよ」

鈴「ふーん。私に関係ないからどうでもいいけど。」

修一「わかってくれてありがとう」

何とか家族の了承を得たな。残りは母さんの許可を得たらアスカは完璧にうちに居候することができる。でもあの人に相談するのが一番難しいそうだな。

鈴「で、お母さんにはこのことちゃんと言ったの?」

修一「いや、まだだ。母さんが帰ってきてから言うことにするよ」

鈴「怒られても知らないからね。自分で何とかしなさいよ?」

アスカ「修一、お主の母上はどんな方なのじゃ?」

恭子「私たちのお母さんはお父さんが亡くなってから海外で仕事をするようになったのよ」

鈴「今はどこに住んでるんだっけ?」

修一「確かイギリスじゃないっけ?」

アスカは何か目をキラキラさせてこちらを見ている。何か気になることでも言っただろうか。

アスカ「なぁ恭子殿!海外とは何じゃ!?」

海外のことか。異世界には国というものがないのか?本当に俺たちはアスカのことに関しては全く理解していないな。

恭子「そうねぇ簡単に言ったらここから海に出てずーっと遠くに行った所かしら」

修一「異世界には別の国とかはないの?」

アスカ「わしの世界では国は大きな大陸で一つでな。まぁ探せばあると思うが」

異世界か。まだあまりイメージできない。海がないなんて。もしかすると異世界は星という概念がないのだろうか。

恭子「修ちゃん?」

修一「な、何姉さん?呼んだ?」

恭子「修ちゃんがボーっとしていたから呼びかけたんだけど大好きな姉の声が聞こえないほどの考え事なんて悪い子ね。そんな修ちゃんにはお仕置きが必要かしら♡」

まずい、姉さんのスイッチが入った。でも今は鈴がいるから直接的な接触はできないはずだ。

鈴「行ってきまーす」

(うおぉーい!なぜこのタイミングで登校する妹よ!?今お前の兄は危機に瀕しているのだぞ?お願いだから行かないでくれ!)

アスカ「おい、修一。いつまで飯を食べておる?早く行くぞ?」

おぉアスカよ。ナイスタイミングだ。この環境から脱出する手立てができた。

恭子「どこかに出かけるの?」

修一「うん。アスカの正体を確かめに本屋に行くんだ」

恭子「ふーん。お姉ちゃんと過ごせる貴重な休日をアスカちゃんのために使うんだ…」

修一「ごめん姉さん。今度デートにでも連れて言ってあげるから」

恭子「…」

修一「ごめん姉さん。お願い!」

恭子「わかったわよ…」

何か歯切れが悪そうな姉さんだがやっと了解してくれた。とりあえず出かけることができる。

修一「よし準備はできた。アスカ行こうか」

アスカ「うむ。では恭子殿行ってくるぞ」

恭子「行ってらっしゃーい」

町の本屋までは遠くない。歩いて10分くらいだ。小さな本屋だが数はかなり多くある。

アスカ「修一、今日行くところはこの町の本屋なのか?」

修一「うん。アスカはこの町の本屋に入ったことがあるの?」

アスカ「今日行くところはまだじゃが違うところの本屋には行ったことがあるぞ」

ふーん。別のところには行ったことがあるのか。だけどこの町の本屋には行ってないなら希望は高いな。

???「修一!」

むっ、聞きなれた女の声が…

繭「ちょっと!返事くらいしたらどうなのよ!」

繭だ。昔からこいつは俺が外出すると高確率で遭遇するな。

修一「あーごめんごめん。少し考えごとをしてた」

繭「で、アスカちゃん連れて今からどこに行くの?」

修一「本屋だよ。もしかしたらあそこの本屋ならアスカの情報がわかるかもしれない」

繭「あーあそこね。確かにあそこの本屋ならアスカちゃんの情報はあるかもしれないけど。私、あそこちょっと苦手かな…何か店全体が薄気味悪いし…」

繭の言う通り俺たちの向かっている本屋はちょっと変わっている。雰囲気は暗いし、店が開いているのか閉まっているのかわからないし…

修一「アスカ、今から行くところは繭の言う通り確かにちょっと変わっている。でも、悪いところじゃないからな?」

アスカ「そうなのか?わしは自分の情報が少しでもわかるならどんなとこでもかまわないぞ?」

繭「ねぇ修一、私も一緒に行ってもいい?」

修一「いいよ。あそこに行くには結構勇気があるからね。人数が多いと心強いよ」

繭「あくまでアスカちゃんのためだからね///修一は何にも関係ないからね///」

修一「あーはいはい」

アスカ「お、ここが修一の言っていた本屋か?」

繭と他愛のない話をしていたらいつの間にか目的地についてしまった。

修一「うん…ついた…」

繭「いつ見ても不気味ね…」

俺たちの目の前に立つのは建物の周りには雑草だらけで誰がどう見ても空き家のような傷んだ家だった。

アスカ「とりあえず中に入るか」

修一「ちょ、ちょっと待って!」

何のためらいもなく中に入ろうとするアスカを俺は全力で引き止める。

まだ中に入る勇気が俺と繭には無かったからだ。

繭「やっぱやめとく?ほら、本屋はまだいっぱいあるし…」

修一「それもいいけど…何かアスカの情報はここでならわかりそうな気がする…」

繭は涙目でこっちを見ながら俺を説得しようとしているがせっかくここまで来たから今更帰るわけにはいかない。

修一「入るか…」

ドア「ギィィィ…」

建物自体がかなり古いせいかとても大きく軋む音が聞こえる。

アスカ「中はとても暗いのう」

中はとても薄暗く本がいっぱい並んでいる。だが俺が知る本は一つもない。ここまでくると本屋ではなく図書館だな。

修一「すみませーん!どなたかいらっしゃいませんかー?」

繭「えーちょっと…何か出たらどうするのよ…」

何の返事もない。誰もいないのだろうか?周には本…本…そして蜘蛛…

とても商売をやっていけそうな場所じゃない。

アスカ「おい!誰もおらぬのか!?」

???「いますよー」

修一・繭「うわっっっっ!!!!!」

突然俺たちの背後から聞こえたのはアスカと同じ年くらいに見える少女だった。まさかとは思うがこいつが店主なのだろうか?

少女「いらっしゃいませ。どのような本をお求めですか?」

修一「いや、その、ここの責任者と話したいんですが…」

少女「私がそうですよ?」

やっぱり。なんとなくそんな気がしていた。アスカみたいなロリババア系のやつがこの世界に存在するならこの少女が店主でもおかしくない。

麻里「私はここの店主の土谷麻里といいます。年齢はこう見えても23歳です」

繭「え、本当に23歳ですか?」ジロー

麻里「本当です。ほら、これが身分証明書です」

確かにこの身分証明書にはちゃんと麻里さんの写真で23歳と記されている。

麻里「おや、そこの少女はもしかして異世界からの人ではないですか?」

修一・繭「え!?」

今この店主はなぜアスカの世界のことをわかっているんだ?もしかしてこの人もい世界からの人なのか!?

麻里「どうしたのですか?私が異世界のことを知っていておかしいですか?」

繭「店主さんはアスカちゃんの正体がわかるんですか?」

麻里「はい。この子自体のことは知りませんが異世界の存在とそこの人々のことは知っています」

修一「いや、何故あなたは異世界のこと知っているんですか?」

麻里はボーとした顔で俺を見つめて異世界のことについて語りだす。

麻里「昔…




読者の皆様新年あけましておめでとうございます。
さて、今回の話はここまでとさせていただきます。
今のところこの話で新登場した土谷麻里はこの後重要人物となる予定です。
次回話にもぜひご期待ください。




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