俺が道端で拾った本はただの本じゃなかった件について

破錠 斬々

第2話:段ボール箱にあったものとは

道の端に一つの段ボール箱が落ちていた。いつもなら気にならないのだが何故かこの段ボール箱だけは気になって仕方がない。

修一「なんだこのダンボール?中になんか入っているのか?」

俺はあまりにも気になったのでダンボールを持ち上げてみた。うーん、少しだけ重い。開けてみたいが中から何が出てくるか分からないので少し怖い。

繭「持ち上げていないであけてみたら?」

おいおい、軽く言ってくれるな。もし、変なものとか出てきたらどう反応したらいいんだよ…

繭「開けないんだったら私が開けようか?」

修一「いや、俺が開けるよ」

さすがに女の子が開けて変なものが出てきたらもっと気まずくなる。そんなことになるくらいなら自分で開けたほうが何倍もマシだ。

修一「なんだこれ?本?」

ダンボールを開けてみると中にはやたら分厚い本が一冊だけ入っていた。本の表面には題名などは書かれていない。

修一「なにも書かれていないな。」

本の中にも一文字も書かれていない。自由帳にしては分厚すぎるしなんだか古びているしこれは人によっては何か重要なものかもしれないが俺には必要なものではないかな。

修一「いらないかな」

繭「捨てちゃうの?」

修一「まぁ俺には必要ないからな」

本をさっきのダンボールに戻し帰ろうと思っていたら…

???「おいそこのお主ら!わしを見捨てるな!」

え、今この本がしゃべったのか?まさかそんな訳がないよな。

???「お主にら言っておるのだぞ!聞いておるのか!?」

やっぱりこの本がしゃべっていた。でもなんでしゃべれるんだろうか。まぁそんなことより本を取り出さなくては。

???「おぉ!よくぞ出してくれた!恩に着るぞ小僧!」

喋っていた本は取り出すといきなり幼女のような体に変わった。これはなんなのだろうか?

修一「あのさ、そんなことはいいんだけど君誰?」

アスカ「わしの名前はアスカと言うんじゃ。それでお主らの名前はなんじゃ?」

繭「私は北村繭」

何の迷いもなく自己紹介をしたな。繭が言ったなら俺も言わなきゃな。

修一「あ、俺の名前は神谷修一だけど…それで話の続きは?」

アスカ「あ、そうそう本題を忘れておった。お主ら、わしを見捨てるでない!」

修一「見捨てるなって俺達はどうしたらいいの?」

アスカ「わしをお主らの家においてくれんか?」

ん?今変なことを言われたな。お主らの家においてくれ?まずは姉さんに聞かないとな。その前にお主らって俺と繭のこと?

アスカ「なんじゃ?鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして何をぽけっとしておるんじゃ?」

修一「だっていきなり家においてくれってちょっと理解できないっていうか?てか、お主らって俺と繭のこと?」

アスカ「だってお主らは夫婦じゃろ?だから一緒におるのではないのか?」

繭「は!?べ、別に私達夫婦じゃないし!ただの幼馴染っていうか?しかたなく一緒にいるっていうか?そこまでの関係じゃないわね!」

そこまで言わなくてもいいじゃないか。さすがに傷付くぞ?もう少しオブラートに包んでいってくれ。

修一「ところで家においてくれってどういうこと?」

アスカ「あ、そうじゃった。いやな、わしは今家がなくての今までダンボールの中でくらしておったんじゃ。そんな時にお主がわしを拾ってくれたんじゃ。だからわしをお主の家においてくれんか?」

修一「え?話は理解したけど君は誰なの?人間なの?」

アスカ「わしは本じゃ。こことは少し違う世界から来た。でもそれくらいしか覚えていなくてな…まだいくつかは覚えている記憶もあるが今はまだ教えられぬ」

繭「え、本?妖精さんなの?」

アスカ「別にヨウセイサンではないぞ?ただの本じゃ」

修一「えっと君は少し記憶喪失になったのかな?」

アスカ「そうみたいじゃのう…分かっておるのはここと違う世界から来て元の世界に帰れなくなってしまったということくらいじゃ。だから今は住む家を探しておる」

修一「まぁそういうことなら別にいいんじゃない?家に来ても」

繭「え!?修いいの!?どんな子かも分からないのにお姉さんと鈴ちゃんは許してくれるの?」

修一「許してもらえるかは分からないけどさすがにダンボールに住んでいる子をほっとくなんて可哀想すぎるよ」

繭「もう。だからあんたは人が良すぎるのよ」

修一「まぁそこしか取り柄がないからさいいじゃない?ていうことでアスカ、家に来る?」

アスカ「本当か!?本当に良いのか!?」

修一「うんいいよ。その前に家族に了承してもらわないといけないけど」

まぁ別に何か問題を持ってるわけでもなさそうだし、これくらい小さな女の子相手だと流石に姉さんも手出しはしないだろう。

アスカ「では、かたじけない。お主の家にしばらく厄介になるとしよう。なに、わしは物静かな故、お主に迷惑をかける気はない。」

修一「そこまで気にしなくていいよ。一緒に住むんだから気軽に生活をしてくれて一向にかまわないよ。」

繭「困ったことがあったら私に何でも相談してね。女同士だし修には話せない相談もあるだろうから」

俺にはできない相談って…確かにそうだな。女の子だもんな仕方ないか。かといってもどうやって姉さんに相談したものか。流石に本から変身してできた子どもって言っても信じてもらえないだろうからな。

そんな細かいことは帰ってからにしよう。

修一「じゃあとりあえず、家に帰ろうか。話はそれからにしよう」

アスカ・繭「そうだね(じゃな)」

もう息ぴったり。この2人はすぐに仲良くできそうだな。本当に問題なのは姉さんと鈴だろうな。

ガチャーーーーー

修一「ただいま。姉さん」

恭子「おかえりー!修ちゃーん!寂しかったよぅ」抱きつき

家に入った瞬間とても柔らかい水風船のようなものが俺の頭に触れた。よく考えなくても姉さんの胸だということは想像つく。

修一「姉さんちょっと苦しいんだけど…」

恭子「だって修ちゃんがいない間とても寂しかったんだもん…帰ってきたからにはハグ位はしたいなって思って」

オホン!

とてもわざとらしい咳の音がした。相手は言わずとも繭だ。俺と姉さんが抱き合ってるところを見て気まずくなったのかわざと咳をしたみたいだ。

繭「お姉さん、たとえ家の中といえ家族といえ血縁関係者じゃなくても年頃の男女が密着しあうのはどうかと思いますが?」

恭子「あら、繭ちゃん来てたの?ごめんねー私ったら修ちゃんに夢中で気づかなかったー」

あーあーどんどん話が脱線している。これじゃアスカの話ができないじゃないか。そんな俺は姉さんと繭の変な空気を一変するべく無理やり話を変えた。

修一「姉さん!姉さんに紹介したい人がいます!」

恭子「あら、何かしら?好きな人だとかだったらその子と二人だけで女の子同士の大事なお話をしなくちゃいけないわね」(圧力)

修(怖えええええええ)目が光ってない。死んだ魚のような目をしている。これじゃいつか俺が彼女を連れてきたときは地獄の始まりじゃねえか。

まぁそんなことはさておき、今はアスカのことが最優先か。とりあえずは本に化けてもらっているけれどもちゃんと変身できるのか?

とりあえずアスカである本を取り出すが何の変化もおきない。

恭子「何これ?ただの本じゃない。これが紹介したい人?まさか2次元じゃないでしょうね?もしそうだとしたらあなたにはお姉ちゃんしかいないことを体で教えてあげるわ」

修一「は!?そんなわけないだろう!!まず俺には好きな人なんかいないし!」

恭子「そうよね修ちゃんが世界一好きなのはお姉ちゃんだけだもんね!」

修一「いや、別に姉さんを女として愛してるわけじゃないんだけど…」

恭子「あら~そんないけないことを言う弟くんにはオシオキをしないといけないかしら?」

ヒィィィ!!これは俺が死ぬパターンじゃねえかこれじゃアスカの全くことを話し出せない。

アスカ「この女子黙っておれば~いい気になりおって!」ドロン!

うわ!なんか爆発した!爆発でできた煙の中からアスカが登場した。

アスカ「お主、先程から修一に向かって無礼な振る舞いをしおってお主は何者なのじゃ!」

さっきの会話を聞いていたら姉ということが理解できないのかな。そこらへんはいいとして姉さんはどう答えるのだろうか。

恭子「私は修ちゃんの嫁の神谷恭子よ修ちゃんとは相思相愛なの」

修一「義理の姉の神谷恭子です」

誤解をうまないうちに姉さんのとんでもない嘘を訂正した。この姉ときたら自分の弟を何だと思っているのか。

アスカ「そうであったか。修一の姉上であったかそれは失礼した。わしはアスカと申す。」

恭子「アスカ…ふーん修ちゃんとはどんな関係なの?」

うわっ姉さんが俺をギロッとした目で見ている。確かにそうだよな。いきなり幼女なんか連れてきたら不思議に思うよな。

修一「姉さん、信じてもらえないと思うけどこの子はさっき道で拾った本でこことは別の世界から来たそうなんだ。そこで今は住む場所がなくてしばらくは家においてあげようかなって思って」

恭子「そうなの?修ちゃんのお願いなら別にいいけど」

え!?あっさりOK?姉さんのことだから俺と過ごす時間が少なくなるとか言うと思っていたけど全くそんなことはおきなかったな。

修一「え、姉さん本当にいいの?」

恭子「ええ、別に私と修ちゃんとの時間を邪魔しなければいいわよ」

修一「ありがとう姉s「そ・の・か・わ・り・♡」

恭子「今度の日曜日は私とデートしてね修ちゃん♡」

うっ、そうきたか。確かにアスカを置いておく許しをくれたんだから一つや二つのお願いは聞かなくちゃ駄目だよな。

修一「はぁ、分かったよ。次の日曜日だね」

恭子「約束よ!」

???「あのー」

あ、もう一人の存在を忘れてた。繭はこれまでの話を空気のような立場で聞いていた。何か言いたそうな顔をしているが言わないでおこう。

繭「私もう帰るけど大丈夫?」

修一「うんもう大丈夫。ありがとうここまで付き合ってもらっちゃって」

繭「べ、別にいいわよこれくらい!さようなら!」カァァ///

修一「じゃあね」

こうして俺のいつもの何の面白みのない日常生活からいきなりファンタジーな生活に代わる一日目の始まりだった。


今回はここまでです。
更新遅れてすいませんでした。中間テストであったため予定より何日か遅れての投稿になってしまいましたがこれからももっと頑張ってまいりますので応援何卒よろしくお願いします。








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