四獣神
番外編 蒼い髪の少女
少女は記憶を無くしていた。なくしたといってもほんの数時間くらいだが、自分のいた場所、両親や兄妹の名前は言えるものの、自身の名前を忘れてしまった。
しかし、そんな少女に名前をつけ、一緒に探そうと言った青年。
これはそんな少女が蒼の魔導師と呼ばれた話
名前すらない小さな村に1人の少女がいた。その少女は幼いながらも村1番の天才と呼ばれていた。
武道の才能はなかったが魔導の才能は軍にいる魔法師よりも才能があった。
ある日、少女は魔法で簡単に猟ができないかと試行錯誤し、幾度となく失敗したがついに完成する。少女はその魔法の名を【その手から奪うは命】と名付けた。名前のとおり触れた者から命を吸いとり自分の糧とするものだった。
無傷で仕留められるようになってからというもの村の人々は少女を猟に連れて行くようになった。
少女は頼られるのが嬉しいのか嬉々として魔法を振るう。村の人々もありがたや~、ありがたや~と崇めたたえられていた。しかし、唐突にそんな日々は終わりを告げる。
それは、小雨の降る午後のこと。少女と猟師たちは猪を3頭狩って帰路についていた。村まであともう少しというところで少女と猟師たちは気づく。小さな村とはいえ活気のある方だと自負していた村が静かになっているのだ。村の様子を伺いつつ村の広場へとこっそりむかう。そこにいたのは村の者ではない全身鎧を着て、血を滴らせている剣を持った騎士たちとその場に倒れている少女の両親と兄妹たち、後ろで少女を呼び止める声が聞こえた気がしたが無視して騎士たちに突撃する。そして少女の記憶はここで途切れる
少女が次に目を覚ました時にはどこともわからない森の中だった。少女は思考する。どうしてこのような場所にいるのか、あのあとどうなったのか、そして自分は誰    な    の    か    と。
その時少女の真後ろで声がかかる
「おい、子ども1人で何してんだ?そもそもここにどうやって来た」
オレンジの髪色の青年が質問してきた。少女はすぐさま確認する。敵意はあるか?―――NO、質問に答える義務はあるか?―――NO、このまま答えないでいるべきか?―――NO、ここまでを10秒以内に黙考し、少女は答える。気を失う前までは名前のない小さな村にいたということ、気を失っていて気づいたらここにいたこと、自分の名前がわからないこと。その答えを聞いた青年は、
「...そうか、この後どうするか決めてるか?」
そう聞いてきた。答えはNOだ。お金はない、あるのは魔法だけだ。少女はそう答えた。青年は
「...一応金はあるからついてくるか?家もあるしそこで一泊してから考えるか?」
そう聞いてきた。少女は青年をロリコンと認識したが再度黙考する。家を買える程の人ならばついてくのが最適だろう、しかし、自身の貞操は安全なのか?
疑問点を青年に聞くと
「いやいや!俺はロリコンじゃねぇから!お前よりももっとグラマラスな女性の方がいいから!」
その答えに少女はムッとする。これでも村1番の美人と呼ばれたのにと、しかし、そんなことはどうでもいい、とりあえずその言葉を信用することにした少女はついていくことにした。
ザッ   ザッ    ザッ
代わり映えのしない景色を見て歩いているなか青年は聞いてきた。
「なぁ、お前とか呼びにくいから名前をつけていいか?ちなみに俺は朱雀な」
少女は黙考する。名前を考えるなら自分でやりたいが面倒くさい、故に少女はYesと答える
「そうか、...なら今日からお前はアイラ、アイラ・クルルークと名乗ってくれ。お前の綺麗な蒼色の髪から連想してみたんだがどうだ?」
 少女は新たな自分の名前に表には出さないが喜ぶ。そして少女...アイラは言う
「良いと思うよ朱雀...さん」
「おっ!やっぱりかぁこれで嫌とか言われたら少し傷つくとこだったけど、別にさんとか付けなくていいぞアイラ」
アイラは認識する名前を呼ばれることがこんなに嬉しいものだったとそしてアイラは言う
「名前を忘れてしまった私にアイラという名前をつけてくれてありがとう朱雀」
「どういたしましてアイラ」
アイラはその日太陽を初めて見た。空にある太陽などではなく、人々の心を照らす太陽だった。
アイラは思う。今日は初めてのことがたくさんあったなと。暗い森の中を抜けたら城壁があり、ここはどこなのかと聞いた。返ってきた答えはマロシの街だと言う、王都よりも人気があるとかないとか。
そんな街に入るとまた疑問が湧いた。どうして武装した人たちがこんなにいるのか?朱雀は
「彼らは冒険者だ。薬草採取や魔物の討伐、荷物運びなどいろんなことをやってくれるなんでも屋だな。彼らのお陰でこの街は安全だし、この街も彼らをサポートしている。ここ以上に協力しあっている街は見たことがないな。」
そんなことを言いながら朱雀はキョロキョロしていると突然走って場所を見失う。とりあえず近くの建物の柱に寄りかかり、帰りを待つ。しばらくすると朱雀が帰ってきてこちらに赤い果実の様なものをこちらに放ってくる。危うく落としかけたがしっかりと手に持つ
「ルルミの実だ。家に着くまでそれ食べててくれ」
「わかった。けど食べ物を投げるのは感心しない」
「そりゃ悪かったな。次からはしないよ」
ルルミの実を一口食べると不思議と気分が落ち着く感じがした
「そう言えば貴方の家ってどこなの?」
「あそこに見える丘の家。飛行魔法を覚えてるとあそこから飛び降りて時間短縮できるからな」
「...遠くないかしら?」
「言うな、俺も二、三年前くらいから思い始めたんだから」
番外編なのに続くとか大丈夫かなと思いはじめた作者狗井 ケモケモです。...これ新しい小説として分けた方がいいですかね?それはさておき、前回に棺から蒼い髪という風に書いたんですが、あそこで封印されるまでの物語が今回書いた物語ですね。...やっぱり分けた方がいいんじゃないかと思ってきました。番外編は基本的に2500~3000字以内で書くようにしてるので人によってはこちらの方が読みやすいかもしれません。分けた方がいいと思う方はコメントに『分けた方がいいぞ』的なコメントを入れてもらえると嬉しいです。メタい話はここまでにして次回予告をします。
前回のより六日ほどたったあとの話になります。
おそらく次回のタイトルは『転移者たちの地獄』という感じですかね、ではまた次回お会いしましょう。それではバイバイ!
しかし、そんな少女に名前をつけ、一緒に探そうと言った青年。
これはそんな少女が蒼の魔導師と呼ばれた話
名前すらない小さな村に1人の少女がいた。その少女は幼いながらも村1番の天才と呼ばれていた。
武道の才能はなかったが魔導の才能は軍にいる魔法師よりも才能があった。
ある日、少女は魔法で簡単に猟ができないかと試行錯誤し、幾度となく失敗したがついに完成する。少女はその魔法の名を【その手から奪うは命】と名付けた。名前のとおり触れた者から命を吸いとり自分の糧とするものだった。
無傷で仕留められるようになってからというもの村の人々は少女を猟に連れて行くようになった。
少女は頼られるのが嬉しいのか嬉々として魔法を振るう。村の人々もありがたや~、ありがたや~と崇めたたえられていた。しかし、唐突にそんな日々は終わりを告げる。
それは、小雨の降る午後のこと。少女と猟師たちは猪を3頭狩って帰路についていた。村まであともう少しというところで少女と猟師たちは気づく。小さな村とはいえ活気のある方だと自負していた村が静かになっているのだ。村の様子を伺いつつ村の広場へとこっそりむかう。そこにいたのは村の者ではない全身鎧を着て、血を滴らせている剣を持った騎士たちとその場に倒れている少女の両親と兄妹たち、後ろで少女を呼び止める声が聞こえた気がしたが無視して騎士たちに突撃する。そして少女の記憶はここで途切れる
少女が次に目を覚ました時にはどこともわからない森の中だった。少女は思考する。どうしてこのような場所にいるのか、あのあとどうなったのか、そして自分は誰    な    の    か    と。
その時少女の真後ろで声がかかる
「おい、子ども1人で何してんだ?そもそもここにどうやって来た」
オレンジの髪色の青年が質問してきた。少女はすぐさま確認する。敵意はあるか?―――NO、質問に答える義務はあるか?―――NO、このまま答えないでいるべきか?―――NO、ここまでを10秒以内に黙考し、少女は答える。気を失う前までは名前のない小さな村にいたということ、気を失っていて気づいたらここにいたこと、自分の名前がわからないこと。その答えを聞いた青年は、
「...そうか、この後どうするか決めてるか?」
そう聞いてきた。答えはNOだ。お金はない、あるのは魔法だけだ。少女はそう答えた。青年は
「...一応金はあるからついてくるか?家もあるしそこで一泊してから考えるか?」
そう聞いてきた。少女は青年をロリコンと認識したが再度黙考する。家を買える程の人ならばついてくのが最適だろう、しかし、自身の貞操は安全なのか?
疑問点を青年に聞くと
「いやいや!俺はロリコンじゃねぇから!お前よりももっとグラマラスな女性の方がいいから!」
その答えに少女はムッとする。これでも村1番の美人と呼ばれたのにと、しかし、そんなことはどうでもいい、とりあえずその言葉を信用することにした少女はついていくことにした。
ザッ   ザッ    ザッ
代わり映えのしない景色を見て歩いているなか青年は聞いてきた。
「なぁ、お前とか呼びにくいから名前をつけていいか?ちなみに俺は朱雀な」
少女は黙考する。名前を考えるなら自分でやりたいが面倒くさい、故に少女はYesと答える
「そうか、...なら今日からお前はアイラ、アイラ・クルルークと名乗ってくれ。お前の綺麗な蒼色の髪から連想してみたんだがどうだ?」
 少女は新たな自分の名前に表には出さないが喜ぶ。そして少女...アイラは言う
「良いと思うよ朱雀...さん」
「おっ!やっぱりかぁこれで嫌とか言われたら少し傷つくとこだったけど、別にさんとか付けなくていいぞアイラ」
アイラは認識する名前を呼ばれることがこんなに嬉しいものだったとそしてアイラは言う
「名前を忘れてしまった私にアイラという名前をつけてくれてありがとう朱雀」
「どういたしましてアイラ」
アイラはその日太陽を初めて見た。空にある太陽などではなく、人々の心を照らす太陽だった。
アイラは思う。今日は初めてのことがたくさんあったなと。暗い森の中を抜けたら城壁があり、ここはどこなのかと聞いた。返ってきた答えはマロシの街だと言う、王都よりも人気があるとかないとか。
そんな街に入るとまた疑問が湧いた。どうして武装した人たちがこんなにいるのか?朱雀は
「彼らは冒険者だ。薬草採取や魔物の討伐、荷物運びなどいろんなことをやってくれるなんでも屋だな。彼らのお陰でこの街は安全だし、この街も彼らをサポートしている。ここ以上に協力しあっている街は見たことがないな。」
そんなことを言いながら朱雀はキョロキョロしていると突然走って場所を見失う。とりあえず近くの建物の柱に寄りかかり、帰りを待つ。しばらくすると朱雀が帰ってきてこちらに赤い果実の様なものをこちらに放ってくる。危うく落としかけたがしっかりと手に持つ
「ルルミの実だ。家に着くまでそれ食べててくれ」
「わかった。けど食べ物を投げるのは感心しない」
「そりゃ悪かったな。次からはしないよ」
ルルミの実を一口食べると不思議と気分が落ち着く感じがした
「そう言えば貴方の家ってどこなの?」
「あそこに見える丘の家。飛行魔法を覚えてるとあそこから飛び降りて時間短縮できるからな」
「...遠くないかしら?」
「言うな、俺も二、三年前くらいから思い始めたんだから」
番外編なのに続くとか大丈夫かなと思いはじめた作者狗井 ケモケモです。...これ新しい小説として分けた方がいいですかね?それはさておき、前回に棺から蒼い髪という風に書いたんですが、あそこで封印されるまでの物語が今回書いた物語ですね。...やっぱり分けた方がいいんじゃないかと思ってきました。番外編は基本的に2500~3000字以内で書くようにしてるので人によってはこちらの方が読みやすいかもしれません。分けた方がいいと思う方はコメントに『分けた方がいいぞ』的なコメントを入れてもらえると嬉しいです。メタい話はここまでにして次回予告をします。
前回のより六日ほどたったあとの話になります。
おそらく次回のタイトルは『転移者たちの地獄』という感じですかね、ではまた次回お会いしましょう。それではバイバイ!
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