四獣神

狗井 ケモケモ

第1話 青年と少女の出会い

夜の街。雨が降っていながら傘もささないで走る青年がいた。

「くそっ!雨が降るとか聞いてないんだけど?!しかも傘無いし最悪だよ。」

彼はギルドから家に帰る途中、雨が降り、少し怒りながら雨宿りできる場所を探していた。
どれくらい走っただろう。彼の目の前に、誰も使ってなさそうなボロいが立派な物置小屋が見えた。

「建物発見!少しの間雨宿りさせて貰いますよっと」



「いやー建物があってよかった。雨もそのうち止むだろうし、防具を綺麗にしときますか、暇だしな。」

ギシッと音がしたのを少年は聞きのがさない。

「おっと人がいたのか、すまんが雨が止むま---」

少年が振り向くと、そこにいたのは格好はみすぼらしいが銀髪の誰もが目を奪われそうなとても可愛らしい少女がいた。
少年はみとれていたが、少し異常な事に気がつく。
なぜ、こんなとこに少女がいるのか、奴隷ならわかるが奴隷の首輪が無いことから奴隷では無いことが分かる。

「お嬢さん。なぜ君みたいな子がここにいるのか聞いてもいいかい?」

少年は、見た目からして8~10歳ということと、首にキズや状態異常にかかってないということを判断し質問した。しかし少女は、

「...分からない。」

そう答えた。少しして次の質問を言う。

「そうか...家族はどうした?一緒じゃないのか?」

親がいるのなら一緒に探しまわるとこだがはたして...

「...いない。」
「すまない辛いことを言わせたな...」

少年は自分で気まずい雰囲気を作ってしまったことに後悔したがすぐに次の言葉を言う。

「...もしでいいんだが、行く宛てが無いなら俺ん家来るか?家を買ったはいいが広すぎて寂しいんだ。」

何を言ってんだ俺!普通、教会とかに連れていくとかあるだろ?!と思い、とすぐさま冗談だと言おうとしたが...

「...行ってもいいの?」(上目遣い)

...
.....
........
(ハッ!危ない、危ないあやうくそっち系に目覚めそうになったが、けっして俺はロリコンではないのだ)

「そ...そうかじゃあ家に行くか。でも、どうしようかな、このままだとロリコン認定されるから...生き別れた妹という設定はどうだろう?」
「...ん。分かったお兄ちゃん。」

(どうしようマジでそっち系に目覚めそうになるんだけどどうしよう...)

「そうだ。お互い自己紹介してなかったな。俺は朱雀スザク、年は18の冒険者だ。」
「...私はシロ、年は9歳。よろしくねお兄ちゃん♪」

こうして、もはやすでにロリコン?っぽい青年、朱雀と白は出会った。外はすでに雨がやみ、満月が二人を照らしていた。



朱雀は悩んでいた。白の服装は布の服1枚、奴隷ならこんな服当たり前?なんだろうが、さすがに9歳の少女が布の服1枚というのはいけない!ということで、数少ない女友達を呼んだはいいが、俺と白を見るなりそいつは

「ロリコンに目覚めたのね。おめでとう♪」

と言ってきたのだ。
まぁ否定したところでこいつには考えを改めるという知能が...

「...」

なぜだろう。彼女の後ろに般若はんにゃが見える気がするのは...

「まぁとりあえず自己紹介してくれ。いきなり現れて白が混乱してると思うから」
「そうね。私の名前はレヴィア。レヴィア・クルルーク。年はスーちゃんと同じの18歳で、冒険者よ♪」
「私の名前は白です。朱雀お兄ちゃんの妹です。よろしくお願いします。」
「キャー!可愛いい!仲良くしましょうね。」

微笑ほほえましい光景なのだが俺は疑問というか、真実を口にする。

「どこが俺と同じ18歳だ。お前は今年で5---」
「あらなにか言ったかしらスーちゃん?」
「イエナンデモアリマセン」

怖い。ものすごく怖い。やはり女にとって年というのは禁句だな。と思いつつ、本題のために話を切り替える。

「さてと。お前を呼び出した件についてだったな。
白を見て分かると思うが、お前に白の服を買ってもらいたい。金は用意しといたからよろしくな。」
「うん...分かった。変なことするんじゃないわよ?」
「いやなんもしないよ?!」

と変なことは言われたが服のセンスとかに疎い俺が買うと、色々面倒なことに巻き込まれるかもとか思ったりするから呼んだ。



30分後。奴に金貨2枚渡したが、まさか、金貨2枚全部使われるとは思ってもいなかった。まぁ、買ってしまった以上仕方ないかと思い、白の方に振り返りながら。

「白~。今後の生活について話したいこと---」

振り返ったさきには天使がいた。いやもうそうとしかいいあらわせないくらい綺麗だ。レヴィア自身も自分で買ったものだが、目を何度も閉じたり、開けたりしている。白は嬉しそうに何度も、跳ねたり、回ったり、走ったりしている。よほど嬉しいんだろうな。

「え~と、とりあえず今後の生活について話し合うか。白~おいで~」

トテトテと歩いて来た。なんだろう小動物っぽくも思えてきた。すごく抱きしめたいが、とりあえず落ち着こう。

「白には2つ選択肢がある。それは、今後の生活にも影響するものだから慎重に選んでほしい。」
「分かりました。」
「まず1つ目。これは危険だが、生活が潤うのは間違いなしの冒険者。2つ目は、一般人として生きるということ。どちらを選んでも、生活に困ることはないから、どっちでもいいぞ。」

冒険稼業というのは、死と隣り合わせの状況がいくつもある  。できれば普通に過ごしてほしいが、 他人の人生だ、強制はできない。

「...冒険者をしてみたいです。」
「...いいのか?危険だぞ?」
「それでも、なにもできないよりはマシですから。」
「...そうか、なら明日ギルドに行くか。」
「はい!」

笑顔が眩しい!   まぁ家族兼冒険仲間ができたわけでよかったのだが、すごく空気化してた人がいたということは、無視しておこう。


                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          
翌日。早速俺と白はギルドに来ていた。(あの人は、忙しいから帰ったが、申し訳ないので、次あいつに会ったら、五月雨亭のアップルパイをおごってやるか)
と考えていながらも、周りに注意しながらカウンターへ向かった。なぜ注意しながら行くのか、というと
(イヤァーどう考えてもわざとにしか思えないほどに、足だしてるなぁ~めんどうだし相手にしないでおこう。うん、そうしよう。)
足に引っ掛からないように歩いて無視したが突然、

「おい、そこの兄ちゃん。今俺の足蹴ったな!謝罪の言葉もないのか?」ニヤニヤ
「そうそう。こりゃあケンカを売ったということで、いいんだな?」ケラケラ
「今謝るなら、銀貨15枚で許してやるぞ。」ニヤニヤ

ギルドにいる皆(白以外)が思う。
(雑魚が言いそうな言葉だな~。)
と皆の心が1つになった瞬間である。

「あ~そうだな悪い。よく見てなかったよ。次から気をつけるが、お前さんら、目上の人にはちゃんと敬えよな。一応俺、SSSランクだから。」
「はぁ?嘘つくなら もっとマシな嘘をつけよな。」

しかし、周りの反応から嘘ではないということが判断できる。

「あなた、いえあなた様が、最強冒険者四人組の内の1人、というわけですね。失礼な態度をとり、申し訳わけありませんでした!」
「うむ。わかればよろしい。」

白にとっては、なんのことか分からないだろうが、SSSランクというのは、四獣神におくられる最高ランクの称号だ。四獣神は1~4個くらいはチートすぎる能力を持ってるからだそうだ。ちなみに俺のはMP9割減、光速再生、太陽神の加護、物理攻撃無効が俺の能力。最新はまたあとで。
とりあえず白をカウンターへ連れていく。

「すいません。妹をギルド登録していただけないでしょうか。」
「はい。分かりました。けど妹ですか...」
「ロリコンでは、ないですからね?」
「分かっておりますとも。ではここに血を垂らしていただけたら登録は完了します。頭の中で、ステータスと思えば、いつでも自分のステータスを確認できます。」

白は、血を垂らして正式に冒険者となった。
早速ステータスを開いて喜んでいるが、職業を決めないと、武技ぶぎや魔法が使えない。なので、転職の部屋に俺は白を連れていく。



白は、魔法の適正値が高いようなので、魔法職の
癒治魔術師プリースト、黒魔術師を紹介したが、本人が戦士になりたい。というのであれば、戦士になるのもありだ。

「自分がなる職業を決めたら、頭の中でなりたい職業を思いながら水晶に手をおくとなれるからな。」

そう言い、言われた通りに水晶に手をおき無事に職業についた。白がなったのは、癒治魔術師になった。
ちなみに、初級黒魔法の火球ファイアボール等の魔法は使える。

「じゃ外に行ってスライムとかでも狩って、経験積みますか。」
「はい!」

やはり子供にとって魔法とは、使ってみたいという風に思うのが普通なのかと、考えを改めて、クエストを受ける。

『スライムを5匹討伐せよ』と『ゴブリンを7匹討伐せよ』を受注した。

スライムは動きが遅いから、練習相手になる。ゴブリンは、亜人という部類に入り、武器を使う、連携をとる以外はなにも考えない。まぁ悪さをするやつだけだから、種族全員が頭悪いというわけではない。

「さてと、下級とはいえ相手は魔物だ。油断のないように戦闘すること、危なくなったら、俺が倒すからがんばれよ白」
「はい!気を付けます。」



《ゲルドの草原》別名始まりの草原と呼ばれている。
ここは下級の魔物しかでないがたまに、進化したスライムやゴブリンがいるので、注意が必要だ。

〔スライムが2匹現れた〕
「さぁ、初陣だ。魔法には詠唱が必要だから、その間の時間は稼いどくから、とりあえずかまないようにちゃんと唱えろ。あと、いい忘れたが、まだ最初だからいいが、知能が発達してる魔物がいるから、できるなら、頭の中で詠唱するといいぞ。」
「はい!」

(火の神よ 我に敵を打ち倒す力を 与えたまえ)
火球ファイアボール

火の球がスライムに当たり、しばらくは苦しそうにウネウネしてたがやがて、動かなくなる。

「オー、一発か威力凄いな。やっぱり魔力が高いからか、ほら次々!」

(水の神よ 我に敵を打ち倒す力を 与えたまえ)
創生水クリエイト・ウォーター

水流がスライムに襲いかかるが、スライムは体がほぼ水なので効かない。
白は水魔法が効かないということに驚いたがすぐさま次の魔法に移る。

(風の神よ 我に敵を打ち倒す力を 与えたまえ)
風の刃ウィンド・カッター

無数の風の刃がスライムに襲いかかり、スライムは絶命した。

「初戦闘お疲れ。今回は俺が動きを止めていたが、本来は動き回ってるから、気を付けてな。あと、武器持ってる魔物は、武器でガードしたりするから、タイミングを見極めて攻撃するように。」
「はい!分かりました。お兄ちゃん。」
ガサッ
〔ゴブリンが3匹現れた〕
「おっと少し休憩しようと思ったが来ちゃったな。
次はわざとダメージを負うから、治癒魔法を唱えて見てくれ。」
「分かりました。」

ザシュ
「いった!こいつ腕狙うとかちょっと危ないことするなよ!」

防具がないとこを狙うのは基本だが、そんなことは知ったこっちゃない。痛いもんは痛いのだ。

(癒しの神よ 我に癒しの力を 与えたまえ)
ヒール!

少しずつだが、傷がふさがってゆく。
朱雀は傷がふさがっていくのをみると、攻撃に移り、
目にも追えない速度で、ゴブリンを倒す。

「治癒魔法は、魔力が高いほど、回復力を増加させるから、じゃんじゃんレベルを上げて、魔力上げていこうか。PTに入ってると、他の人が倒しても経験値は増えるからPTは入っとくといいぞ。」

「は...い...」

魔法というのは、想像以上に、集中力がいる。慣れてないと白みたいに、少しフラフラすることが多々ある。

【午後13時】
クエストにかかれていたことを終えた二人は、街に向かっていた。その帰り道の途中朱雀は

「おっ、白おいで野に咲いてる薬草を教えるから。」
「はい」トテトテ
「薬草は野に咲いてると雑草と見分けがつかないかもしれないが、ちゃんと見ると、葉の付け根部分が白いのが分かる。これが、薬草だから覚えておくと外出したときに、ケガしたらさっき言ったみたいに探すといいぞ。」
「確かによく見ないと間違えそうですね、ありがとうございますお兄ちゃん♪」

...無意識に頭を撫でていたので、少しカァっとなり、顔をそむけて街へ帰る。
[今日の成果]
白 3レベルにup
力2 魔力9 体力3 防御力4 HP10 MP20 それぞれup
ゴブリンの牙七個 銅貨40枚
ぷよぷよする謎の固体五個 銅貨10枚



白を椅子に座らして、俺はカウンターへ行き、討伐証明として先程の牙と謎の固体をだし、金ををもらい白のいるところに戻ると眠っていた。
初めての戦闘ということもあったし、亜人とはいえ人間に近い姿をしていたし、精神的にも、体力的にも疲れたのだろう。朱雀は白を起こさないようにそっと背に背負って家へ帰る。

家に着き、白をベッドに横たわらせ毛布をかける。
朱雀はと言えば、ベッドに座り白を撫でながら

「お疲れ、今日は色々とあったな。しっかりと休んでまた明日クエストしような。」

聞こえていないだろうが、それでも彼は言う。
白の部屋を出て台所に向かう。時間は午後18時。
白を背負いながら、買い物をしたり、知り合いと世間話をしたりしながら帰ったので遅くなってしまったのだ。昼は軽く食べたが、しっかりと食べたわけでは無いので、白も目を覚ましたらお腹がすいてるだろうから、料理を作る。余談だが彼の作る料理は、3つ星レストランのシェフも顔負けの腕前だ。

「さてと、なに作ろっかな~♪」

彼は楽しそうに言う。



彼女は、親からも友達からも周りの人々からも忌み嫌われてきた。
彼女がなにをしたというわけでもない。
ただ、祖父母の家に訪れていた彼女は血まみれで床に倒れていた祖父母に近寄り、床に落ちていた血まみれの短剣を拾う。まだ幼かった彼女は状況が上手く理解できていなかった。そのときに、両親が帰ってきて血まみれの祖父母と短剣を持った彼女をみて

人殺し!

パチッ
少女は夢から覚める。時間は午後18時40分。
夢から覚めて時間を確認した少女は自分の体をみる。
血まみれというわけでなく代わりに汗をかいていた。お風呂に入らなければと思い、部屋から出る。
階段を降りると、なにやらいい匂いがする。
匂いに釣られて台所に行くと自分の兄が料理を作っているのが見えた。ジーっと見ていると、兄がこちらを振り向き

「おはよう。よく眠れたか?」
「うん、私を運んでくれてありがとう。」
「まだ煮込んでる最中だから風呂でも入ってきな。着替えも置いといたから。」

白は言われた通りにお風呂へ向かう。
体を洗い、湯船に浸かる。

「今日は、色々とあったな~。」

と呟く。お風呂からでて着替えると、兄のいるところへ向かう。
兄はちょうどテーブルに晩御飯を並べ終わったらしく
白は少し早く歩き、兄の対面に座り

「「いただきます。」」



初心者が小説を書いたので、誤字等がありましてもあたたかい目で読んでくださると幸いです。
因みに今日の晩御飯はKAKUNIだそうです。西方の方から伝わったそうです。
次回作もと楽しみに!

コメント

  • 狗井 ケモケモ

    コメントありがとうございます。
    よく色んな作者様が簡単に倒してますが、こんなこともしてくるぞと考えて書いてみました。(自分も簡単に倒してるのは気にしないでください。)

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  • 獣王メコン川

    ゴブリンはバカだがマヌケではない. ゴブリンスレイヤー=サン

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  • 狗井 ケモケモ

    コメントありがとうございます。誤字脱字がたまにあると思いますが、これからもよろしくお願いいたします。

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  • ノベルバユーザー215340

    めっちゃ面白くて次回作をすぐに見たいです!
    これからも頑張ってください!

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