黒衣の虹姫
Ep28
最近寒いですね
  操作重視の『氷剣』も、威力重視の『バーニングインパクト』も、範囲重視の『メイルシュトローム』も、確実に攻撃を当てるための『轟雷旋風』と『ダークウィップ』の合わせ技すら決定打にならなかった。これら以外にもまだ魔法はあるが、まともな結果にはならないだろう。
(なら、もうこれしか無い)
   集中し、 魔力を限界まで練り、イメージを固める。
  対してイズナは構えもとらずに、ただティアを見つめて立っている。
  ──そして、ティアが魔法を行使する。
「──くらえ!『ミツマタノヅチ』 」
  ティアが放った魔法は、それぞれ火、水、雷で形成された三つ首の大蛇だった。その上、この魔法で最後にするつもりのだったので、ティアの残りの魔力全てが込められていた。
  そして、三つの首は意思を持っているかの如くイズナの退路を塞ぎながら襲いかかる。
「ほう!これ程の魔法を使えるか。やはり儂の見込んだ通りの奴じゃ、お主は」
  退路を塞がれようとしても、ティアが実力者であることに満足しているようだった。
「なら、儂も最高の技で応えるのが礼儀じゃな」
  そう言って構えをとり、三つ首の大蛇に向けて拳を振るう。
「──『破技:滅竜鬼拳』」
  ティアが放った大蛇とイズナの拳が大地を揺らす程の衝撃と共にぶつかり合う。
  そして、ぶつかり合いを制したのは──
「くぅぅ、うわぁぁぁーーー」
「惜しかったのう、もう少しじゃったな」
  ──イズナだった。
「──うん?」
「目が覚めたか」
  気絶してたのか、確かイズナさんと模擬戦をして……
「負けたんですね、簡単には勝てるとは思ってなかったけど……って、いつの間に頭に乗ったの?ウォルス」
  頭に乗ったウォルスが心配そうにしているのが分かったので優しく撫でてあげる。
「ところでお主、対人戦はやったことはあるか?」
「いえ、イズナさんとが初めてです」
  ふむ、そうか。と言い、イズナは少し考え込むと、ティアにある提案をした。
「ならば丁度いい、次に受けるは盗賊退治をやるがいい。お主のランク上げになるからのぅ」
「それは対人戦に慣れるためというのも含まれていますよね」
「勿論じゃ」
(この人、もしかしてかなりの戦闘狂なのかな?)
「まぁ、そんな事より早く王都に戻りたいので道案内お願い出来ますか?」
「ああ、またお主を担いで移動するから心配いらん」
「えっ、それってまさk──」
「喋ると舌噛むぞい、いくぞ」
「ちょっと待って。あああぁぁぁぁaaaaaa──」
 ……戦闘より移動の方が地獄だった気がする。
  操作重視の『氷剣』も、威力重視の『バーニングインパクト』も、範囲重視の『メイルシュトローム』も、確実に攻撃を当てるための『轟雷旋風』と『ダークウィップ』の合わせ技すら決定打にならなかった。これら以外にもまだ魔法はあるが、まともな結果にはならないだろう。
(なら、もうこれしか無い)
   集中し、 魔力を限界まで練り、イメージを固める。
  対してイズナは構えもとらずに、ただティアを見つめて立っている。
  ──そして、ティアが魔法を行使する。
「──くらえ!『ミツマタノヅチ』 」
  ティアが放った魔法は、それぞれ火、水、雷で形成された三つ首の大蛇だった。その上、この魔法で最後にするつもりのだったので、ティアの残りの魔力全てが込められていた。
  そして、三つの首は意思を持っているかの如くイズナの退路を塞ぎながら襲いかかる。
「ほう!これ程の魔法を使えるか。やはり儂の見込んだ通りの奴じゃ、お主は」
  退路を塞がれようとしても、ティアが実力者であることに満足しているようだった。
「なら、儂も最高の技で応えるのが礼儀じゃな」
  そう言って構えをとり、三つ首の大蛇に向けて拳を振るう。
「──『破技:滅竜鬼拳』」
  ティアが放った大蛇とイズナの拳が大地を揺らす程の衝撃と共にぶつかり合う。
  そして、ぶつかり合いを制したのは──
「くぅぅ、うわぁぁぁーーー」
「惜しかったのう、もう少しじゃったな」
  ──イズナだった。
「──うん?」
「目が覚めたか」
  気絶してたのか、確かイズナさんと模擬戦をして……
「負けたんですね、簡単には勝てるとは思ってなかったけど……って、いつの間に頭に乗ったの?ウォルス」
  頭に乗ったウォルスが心配そうにしているのが分かったので優しく撫でてあげる。
「ところでお主、対人戦はやったことはあるか?」
「いえ、イズナさんとが初めてです」
  ふむ、そうか。と言い、イズナは少し考え込むと、ティアにある提案をした。
「ならば丁度いい、次に受けるは盗賊退治をやるがいい。お主のランク上げになるからのぅ」
「それは対人戦に慣れるためというのも含まれていますよね」
「勿論じゃ」
(この人、もしかしてかなりの戦闘狂なのかな?)
「まぁ、そんな事より早く王都に戻りたいので道案内お願い出来ますか?」
「ああ、またお主を担いで移動するから心配いらん」
「えっ、それってまさk──」
「喋ると舌噛むぞい、いくぞ」
「ちょっと待って。あああぁぁぁぁaaaaaa──」
 ……戦闘より移動の方が地獄だった気がする。
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