黒衣の虹姫

陸奥ユウト

Ep21

「ふう、ようやく13階層だね。11階層からは10階層までよりも広くなったっぽいから時間掛かっちゃったね」

  ウォルスが食人花マンイーターを倒した後順調に進んでいたが、1階層辺りの大きさが広くなったため、下るペースが落ちていた。

  それでも一般からすればかなりハイペースなのだが……

「よし、それじゃあ行こうか…………ん?」

  探索をするために『魔力感知』を使用すると、二つの反応が囲まれているのを感じ取った。

(魔物の魔力量は種族にごとに大体決まっていた。囲まれている反応の魔力量は今までに遭遇した魔物と全く違う。つまりこの二つの反応は)

「……人間ってことか。仕方ない、助けに行こうか」

  そう言って囲まれた二つの反応の下へ駆けていった。







「あれか」

  辿り着いた先には六体のマンイーターが二人の少女を囲んでいた。囲まれている内の一人は倒れている。気を失っているのだろうか。

  そして、もう片方の少女を狙って二体のマンイーターが蔦を振るう。

「っ‼やらせない。『氷剣』からの『纏化:紫電』」

    二本の氷の剣で攻撃しかけていた二体のマンイーターの蔦を切り、強化された身体能力で肉薄してそのまま斬り伏せた。

「え⁉」
「Kiiii!!!?」

  いきなり私が現れて驚いているのだろうけど、お陰で隙だらけだ。

「『風刃乱舞』‼」
「Giiiiii!!!」

  風の刃を飛ばす剣舞で残りのマンイーターを斬り飛ばす。

「…………」ポカーン

「ああ、すみません。大丈夫でしたか?」

「え、あっ、はい、大丈夫です。助けてくれてありがとうございます」

「それは良かった。ところで、そっちで倒れてる子は………」

「そうだ!リーフィア」

  リーフィアと呼ばれた少女の下に駆け寄り、体を揺さぶる。

「……ん、お姉ちゃん?はっ!マンイーターは⁉」

「大丈夫、この人が全部倒してくれたから」

「そうなんですか、ありがとうございます。えっと……」

「自己紹介まだだったっけ。私はティアレス。この子は私の従魔のウォルス」

「私はリリー、Cランクの冒険者。こっちが妹の……」

「リーフィアです。私はDランクです。あの、ティアレスさんのランクは教えてもらえますか?」

「あ、それ私も知りたい。マンイーター六体を瞬殺出来るティアレスのランク」

「ん、Dランクだよ」

「「え?」」

「本当だよ、ほら」

  そう言って冒険者カードを取りだして見せる。

「本当だ……」

「私と同じDランクなのに……しかもソロでマンイーター六体瞬殺って……」

「冒険者になってまだ5日しか経ってないけどね」

「「ええーーーー‼」」

  二人の叫びがダンジョン内に響き渡った。

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