黒衣の虹姫

陸奥ユウト

Ep14

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翌日、ティアはEランクから受けられるようになった依頼を見ていた。

(新しい討伐依頼は『魔の森』で〈コボルト〉〈キャタピラ〉そして〈スライム〉の討伐。ランクアップ狙いで全部受けよう)








『魔の森』
外周ではEランクの魔物が多く生息しているが、森の中心部に近づくにつれて出現する魔物のランクが上がり、中心部にはSランクやSSランクの魔物が居るとされている。

(証明部位はお持ち帰り出来る程度に収まるかな?)

今回は森の中なので前回の『カルディア大平原』と比べると障害物や視界を遮るものが多い。その森をティアは『魔力感知』を使い、魔物を探しながら歩いていた。

(……おっと、感知に反応あり、数は……4つか)

  反応のあった場所に行くと、二足歩行する犬の魔物を見つけた。

(コボルト発見、5体で1000リルとウサギホーンラビットの倍の報酬。証明部位は何故か全ての個体が持ってるナイフだったね)

  討伐対象についてはある程度は調べている。今回のコボルトは素早い動きで相手を翻弄して攻撃を仕掛ける魔物だ。しかしそれは相手と正面から戦う時や不意を突いた時の話である。

(つまり魔法で逆に不意打ちすれば勝てる相手って事だよね)

  そして、コボルトに気付かれないように魔力を練る。

(『氷剣』!)

前回、ゴブリン討伐の時に使った魔法を放つ。放たれた氷の剣は4匹のコボルトの心臓を貫いた。

「「「「キャン⁉」」」」

  心臓を貫かれて絶命したコボルトからナイフを回収し、また次の魔物を探しては狩るということを繰り返した。







  狩りを始めてから4時間ほど経った頃、周りと違う色の木の実が生っているのを見つけた。

「なんだろ?あれ、『鑑定』」



名前:生命の実

稀少級レア

木に稀に生る木の実。食べると大抵の怪我や病気を治す




「レアな木の実だったんだ、ラッキー」

  木に登り、実を回収してそのまま帰路に着いた。




「……なんか魔物増えてない?」

  生命の実を採り、帰路に着いていたティアだが、実を採る前より多くの魔物を相手にしていた。

「せいっ!……ふう、これで一段落っと。それにしても何でこんなに魔物と出会う頻度が上がったのかな?」

魔物と出会っては剣や魔法で仕留めていたので証明部位の量が予想より上回ってしまったため、またしても氷の箱を使っていた。

「さて、本当に早くでないと証明部位がまた大変な事に……何?この魔力の反応?」

  ティアは魔物が出没する場所では魔力感知をし続けている。そのため、他の魔物より小さい魔力を感知できた。

(早く帰りたいけどきになるし……。サクッと見て帰ろうそうしよう)

  そう結論付けて小さな反応の下に向かった。


数分後、反応の正体を目にした。

「これは……」

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