黒衣の虹姫

陸奥ユウト

Ep8

 グロ注意です


 ゴブリン達を倒した父さんは辺りを見渡してから私の所に戻って来た。

「凄いね、父さん」

「まぁ、ゴブリンだったしな。次はティアもやってみるか?」

「うん。もちろんやるよ」

「無茶なことはするなよ」

「分かってる」









そして、その後、別のゴブリンの群れを見つけた。

「今度は5匹だね」

「さっきより数が多いが大丈夫か?」

「大丈夫だよ」

「いざとなったら助けに入るし…まぁ、ティアなら大丈夫か」











「…それじゃあ、行くよ」

  一番近くのゴブリンに近づき、私用にくれたショートソードで素早く首をはねる。断面から血が吹き出し、残った体は崩れ落ちる。

「「「「グギャア!」」」」

残りの4匹がティアに気付いた。近くにいたゴブリンがティアに向かって棍棒を振り下ろす。

「遅い」

  体を反らして棍棒を回避し、そのままカウンターで斬りつける。

「次っ」

「グギャアア」

3匹目が真正面から突っ込んでくるが、剣を横に薙いで倒す。

「やっぱり頭悪…なっ!」

3匹目のゴブリンの後ろから残ってた2匹目のゴブリンが同時に襲い掛かって来ていた。

「くっ、」

(横薙ぎにしたから剣は間に合わない。だったら…)

「グgy「せいっ」ギャッ」

  右側のゴブリンを回し蹴りで蹴り飛ばしつつ左側のゴブリンの攻撃をかわす。

(チャンス!)

そのまま蹴り飛ばして動けないゴブリンを斬り伏せる。

(最後の1匹は?)

そう思い振り返ると、ゴブリンは逃亡のために走り出していた。

「あっ!待て」

  そんな事を言っても待たないことは分かっていたためゴブリンを追いかけようと走り出した。

ズバッ「ギギャア」

「…え?」

が、次の瞬間には、斬り裂かれて血を流して倒れているゴブリンと剣を抜いている父さんがいた。

「…父さん。それ私の獲物でしょ?」

「悪い悪い、逃げられても面倒なだけだったから斬っちまった」

もうゴブリンが動かないことを確認して父さんの元に駆け寄る。

「どうだった?私の戦闘」

「十分だ。とても12歳とは思えない戦い方だったぞ。最後逃げられたのは残念だったが。普通は初めて斬った時の感覚で怯む奴が多いんだがそんな感じも無かったしな」

(魔法使えたら逃がさなかったけどね…)


「それにしてもティアがここまで強いとはな。戦いの天才なんじゃないかと思うぞ」

「父さんの教え方が良かったんだよ、きっと」

「嬉しいことを言ってくれるな~。んじゃ、今日は帰るか」

「はーい」


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