異世界転移とヒキニート
第6話「お泊まりと冒険者のシステム」
昼間より随分と静かになった通りで宿を探す。辺りは薄暗くなり、街灯のような魔法具が道を照らしている。
人通りも減り、昼間の活気が嘘のように感じられるが、周りの家には明かりが灯りはじめている。
明るい時間帯に見る町も綺麗な町並みだったが、夜景もさぞかし美しいことだろう。
---
もうかれこれ二時間は歩き回っている...。この町の宿という宿を見て回った。が、何故かどこの宿も満室で入れてもらえない。
 「……なんでどこも満室なんだ...」
 「…ほとんどの人が冒険者だからね…昼間クエストにいったら帰ってきて宿をとるんだよ...」
 「…なんで店もほとんど閉まってるんだ?」
 「だって買いに来るのは大体冒険者だし...」
 「それもそうか...」
それからは無言ひたすら宿を探す。
すると、通りから少し外れたところに一軒の宿を見つけた。ボロい、木造で二階建ての宿だ。
もう歩く気力も尽きかけ、宿を選んでいる余裕なんてあるわけもなく、取り敢えず中に入ってみる。
出迎えてくれたのは結構な年のおばあさんだった。
 「いらっしゃいませ」
 「…どうも、一泊したいんですけど…部屋ありますか?」
 「一部屋だけ空きがございます」
 「…どうする?」
 「…どうするも何も泊まるしかねぇだろ…さすがに歩き疲れた...」
 「それもそうだね」
 「じゃあその部屋でお願いします」
 「かしこまりました…こちらが鍵になっております。…食堂は10時までとなっております、ごゆっくり...」
 「ありがとうございます」
俺たちが案内されたのは二階にある部屋の内の1つだ。
ベッドが一つに机、照明の魔法具そして意外なことに風呂があった。
二階なのに風呂があるとは…魔法は便利なもんだ。
俺たちは1つしかないベッドに腰を下ろす。随分と使い込んでいるようでキィと音をたてて軋んだ。
 「…今日はお疲れ様、お風呂入ってご飯でも食べよう!」
 「お疲れ様…先に風呂入っていいぞ」
 「え、そう?…じゃあお言葉に甘えて...」
ノエルが風呂場へ向かったのを確認して一息つく。
これからどうしよう...。年下の美少女と同じ部屋でお泊まりとかエロゲ以外でみたことねぇよ。
とりあえず俺はまだこの世界の事をあまり知らない。こんな時に手を出して嫌われたらおしまいだ。
今日は風呂入って飯食って寝る!俺は鈍感系…俺は鈍感系...。
俺がこんなことを考えていると風呂場のドアが開く。
 「お風呂空いたよー」
馬鹿なことを考えていたら結構時間が経っていたみたいだ。
そこでノエルに視線を移す。濡れてうなじに張り付いた髪、少しのぼせて上気した頬、ローブを脱いだ軽装、もはや誘っているのかというほどにエロい姿にどぎまぎしながら目線を逸らす。
 「あ、あぁ…わかった。風呂あがったら飯食いにいくか?」
 「そうだね、まぁゆっくりするといいよー」
 「お、おう…そうさせてもらうよ」
そう言って足早に脱衣所に入る。
服を脱いでさっさと風呂場へ行く。風呂はさすがにシャワーはなかったが湯船があり、中のお湯からは湯気がでている。
もちろんシャンプーなんてものもないからそのまま湯船に入る。…ということはノエルもこのお湯に……いかんいかん、思考が危ない方向に行かないようにしなければ...。
一通り風呂を堪能して湯船からあがり、着替えて部屋に戻る。
 「上がったぞ、飯食いにいくか」
 「うん!」
---
1階に降りて夕食を摂る。分かりきっていたことだが米はなかった。
だが何故かパンはあった。原料は小麦じゃなさそうだし固くてあまり味はしなかった。それがスープ―――これまたよくわからない―――と一緒に出されたからスープをパンに付けて食べるんだろう。
 正直俺はそんなに好きな味じゃない。
そんな質素な食事を済ませてさっさと部屋に戻る。
 「ふぅー…結構おいしかったね!」
 「ん?そ、そうだな」
ノエル的には好評価らしい。まぁ日本の食文化に慣れきっていたからかも知れないな。
 「とりあえず今日はもう寝よっか」
 「あぁ、そうだな」
いつもならこんな時間に寝ることはないが疲れているのか瞼が重い。
 「ベッド使っていいぞー…俺はその辺で寝てるからさ」
 「え?何言ってんの、ヒビキも一緒に寝るんだよ?」
 「え…な、なんで…?」
 「なんでって…そんなとこで寝てたら疲れとれないじゃん」
 「いやそういう問題じゃ...」
 「そういう問題なの!さ、はやくはやく!」
そう言って強引に俺をベッドに連れ込む。やっぱり誘ってるんじゃなかろうかこの小娘。
 「もう魔法具消すよー」
 「お、おう...」
照明が消えて辺りが真っ暗になる。その数秒後にゴソゴソとベッドにノエルが入ってくる音が聞こえる。
こんなのドキドキして寝られねぇよ!しかもなんかいい匂いがする。
俺の息子が今までにないくらいガッチガチになってやがる。明日は寝不足だな。
そんなことを思っていたが、予想以上に疲れていたのかいつの間にか眠ってしまった。
---
気付けば俺は舗装された道を歩いていた。俺が歩いていると曲がり角から、美少女が飛び出すのではないかという勢いで走ってきた。
俺が何故それに気付けたのかはわからないが、そんな曲がり角から飛び出せば車に轢かれてしまうだろう。俺は急いで走り出す。
鍛えておいたお陰でギリギリ間に合った。もう少し遅ければ少女は車に轢かれていただろう。
 「大丈夫かい?」
 「は、はい…ありがとうございます」
 「うん、次は気を付けるんだよ」
 「…はい...」
少女は顔を赤らめて俯いたまま返事をする。
こうなってしまうのも仕方がない。なんてったって俺はクラス1のイケメンのサッカー部。学年トップの成績を誇る天才高校生なのだから。
俺は用は済んだので帰ろうとする。
 「…あ、あのっ…!よろしければ…お礼を...。何も持っていないので……か、体で…!」
 「……おいで」
俺は少女を路地裏へと連れていく。そこで少女の肩に手をのせる。
少女はビクリと体を震えさせたが次第に体の力を抜いていく。
そんなことはお構い無しに局部へと手を伸ばす...。
 「……ハッ」
夢だ。それはそうだ。俺がそんなイケメンでもなければサッカー部でもない。高校行ってないしね。
中学校の時はクラスでも孤立していたし成績も中の下ってとこか。
まぁそんなことは忘れて二度寝でもしよう...。
そう思って寝返りをうつ。すると目の前にいたのはさっきの美少女、もといノエルだった。
昨日の出来事は夢ではなかったのだと実感できると共に、目の前の美少女に手を出したくなってしまう。
だめだ、さっさと着替えよう。こんな状態で二度寝なんてしてられん。
---
支度を終えた俺たちは冒険者ギルドへ向かう。当分はこんな感じになるのだろうか。
 「おはようございまーすっ!」
 「あらノエルちゃんと…ヒビキさんね、おはよう」
 「…おはようございます」
 「あ、そうそう。ちょっと待っててね」
そういって昨日の受付のお姉さんはカウンターの奥へ引っ込んでいく。
少し待っていると袋を1つ持って帰ってきた。
 「おまたせ、これが昨日話した支給品ね」
受け取った袋の中には緑の液体が入った瓶と、青い液体が入った瓶、そしてもうひとつ袋が入っていた。
その袋も開けてみると中にはお金が入っていた。昨日稼いだ分よりも多い。
 「いいんですか…?こんなに...」
 「いいのよ、ギルドから出てるんだし…皆当然のように持っていくわよ?」
 「そ、そうなんですか…ありがとうございます」
 「どういたしまして、これからも頑張ってね」
 「えっと…今日はヒビキに冒険者のことを教えてあげて欲しいんだ!」
 「あらそうだったの?てっきり支給品をもらいに来たのかと...」
 「いやぁ…私も忘れてたよぉー」
 「まぁそういうことならお安いご用よ、少し長くなるけどいいかしら?」
 「え…あ、はい!」
受付のお姉さん曰く、冒険者はランクが大切らしい。
ランクは昨日言っていた通り、基本はクエストをこなせば上がっていく。だが勿論上がるだけでなく、下がる場合もある。
全てのクエストにはランクが割り当てられていて、自分のランク以下のクエストしか受けることはできない。
そしてそのクエストを無事クリアすることが出来ればランクが上がるし、失敗すればランクは下がる。
ランクが上がる条件は、今の自分のランクと同じランクのクエストをクリアすることだ。
ランクは上からS、A、B、C、D、Eの6つで構成されていて、俺はEランクになっている。
Eランクならクエストを5回クリアで昇格だ。Dランクは10回、Cランクは50回、Bランクは100回だ。
Sランクは特殊で、Aランクから上がる条件はない。ギルドに認められるような偉業を果たした者しかなれないらしい。
降格は全ランク共通で、連続で10回クエストを失敗すると降格になる。少し条件が厳しいかもしれないが、ごり押しで突破してきた奴なんか来ても困るだけだからな。
ランクの他にはパーティやクランなんてのもあるらしい。ゲームでよくあるのと同じで募集なんかも結構ある。
今は俺とノエルでパーティを組んでいる状態だ。
だが、パーティを組んでいる場合は、同じランク同士じゃないと昇格の条件を満たせないという。寄生を防ぐためだな。
クランは特に何かあるわけではなく、皆でクエストにいったり騒いだりする集まりみたいなものみたいだ。
人が集まりやすいからパーティを組みやすいらしい。野良だとあまり同じランクを見かけないからだ。
あとはギルドでの禁止事項とか色々あったが、これは普通にしてればそんなに問題はなさそうだ。当面の目標はランクをあげることだな。
 「…ふぅ。こんなものかしら」
 「詳しくありがとうございます」
 「いいのよ、これも仕事だしね…まぁノエルちゃんが付いてれば問題ないと思うけどね...」
 「またまたぁ!おだてても何もでないよ!」
 「あら、出せるものでもあるのかしら?」
 「私…これでも脱いだらすごいんだからっ!うっふん」
 「そうなの?じゃあ遠慮なく...」
 「あ、いや…やっぱ嘘です。すごくないです」
 「えー…せっかく期待させておいてそれはないわよー...」
 「ま、まぁ…用事は済んだし今日はもう行くね…!ありがとうございましたー!」
 「はーい。気を付けるのよー」
そう言ってノエルは足早にその場を去って行く。まさか受付のお姉さんがレズだったとはな、ノエルも知らなかったのか。そういうのはけしからんな、いいぞもっとやれ。
ノエルはクエストの掲示板の方へ行ったみたいだ。今日はクエスト受けて頑張ってランクでもあげよう。
人通りも減り、昼間の活気が嘘のように感じられるが、周りの家には明かりが灯りはじめている。
明るい時間帯に見る町も綺麗な町並みだったが、夜景もさぞかし美しいことだろう。
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もうかれこれ二時間は歩き回っている...。この町の宿という宿を見て回った。が、何故かどこの宿も満室で入れてもらえない。
 「……なんでどこも満室なんだ...」
 「…ほとんどの人が冒険者だからね…昼間クエストにいったら帰ってきて宿をとるんだよ...」
 「…なんで店もほとんど閉まってるんだ?」
 「だって買いに来るのは大体冒険者だし...」
 「それもそうか...」
それからは無言ひたすら宿を探す。
すると、通りから少し外れたところに一軒の宿を見つけた。ボロい、木造で二階建ての宿だ。
もう歩く気力も尽きかけ、宿を選んでいる余裕なんてあるわけもなく、取り敢えず中に入ってみる。
出迎えてくれたのは結構な年のおばあさんだった。
 「いらっしゃいませ」
 「…どうも、一泊したいんですけど…部屋ありますか?」
 「一部屋だけ空きがございます」
 「…どうする?」
 「…どうするも何も泊まるしかねぇだろ…さすがに歩き疲れた...」
 「それもそうだね」
 「じゃあその部屋でお願いします」
 「かしこまりました…こちらが鍵になっております。…食堂は10時までとなっております、ごゆっくり...」
 「ありがとうございます」
俺たちが案内されたのは二階にある部屋の内の1つだ。
ベッドが一つに机、照明の魔法具そして意外なことに風呂があった。
二階なのに風呂があるとは…魔法は便利なもんだ。
俺たちは1つしかないベッドに腰を下ろす。随分と使い込んでいるようでキィと音をたてて軋んだ。
 「…今日はお疲れ様、お風呂入ってご飯でも食べよう!」
 「お疲れ様…先に風呂入っていいぞ」
 「え、そう?…じゃあお言葉に甘えて...」
ノエルが風呂場へ向かったのを確認して一息つく。
これからどうしよう...。年下の美少女と同じ部屋でお泊まりとかエロゲ以外でみたことねぇよ。
とりあえず俺はまだこの世界の事をあまり知らない。こんな時に手を出して嫌われたらおしまいだ。
今日は風呂入って飯食って寝る!俺は鈍感系…俺は鈍感系...。
俺がこんなことを考えていると風呂場のドアが開く。
 「お風呂空いたよー」
馬鹿なことを考えていたら結構時間が経っていたみたいだ。
そこでノエルに視線を移す。濡れてうなじに張り付いた髪、少しのぼせて上気した頬、ローブを脱いだ軽装、もはや誘っているのかというほどにエロい姿にどぎまぎしながら目線を逸らす。
 「あ、あぁ…わかった。風呂あがったら飯食いにいくか?」
 「そうだね、まぁゆっくりするといいよー」
 「お、おう…そうさせてもらうよ」
そう言って足早に脱衣所に入る。
服を脱いでさっさと風呂場へ行く。風呂はさすがにシャワーはなかったが湯船があり、中のお湯からは湯気がでている。
もちろんシャンプーなんてものもないからそのまま湯船に入る。…ということはノエルもこのお湯に……いかんいかん、思考が危ない方向に行かないようにしなければ...。
一通り風呂を堪能して湯船からあがり、着替えて部屋に戻る。
 「上がったぞ、飯食いにいくか」
 「うん!」
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1階に降りて夕食を摂る。分かりきっていたことだが米はなかった。
だが何故かパンはあった。原料は小麦じゃなさそうだし固くてあまり味はしなかった。それがスープ―――これまたよくわからない―――と一緒に出されたからスープをパンに付けて食べるんだろう。
 正直俺はそんなに好きな味じゃない。
そんな質素な食事を済ませてさっさと部屋に戻る。
 「ふぅー…結構おいしかったね!」
 「ん?そ、そうだな」
ノエル的には好評価らしい。まぁ日本の食文化に慣れきっていたからかも知れないな。
 「とりあえず今日はもう寝よっか」
 「あぁ、そうだな」
いつもならこんな時間に寝ることはないが疲れているのか瞼が重い。
 「ベッド使っていいぞー…俺はその辺で寝てるからさ」
 「え?何言ってんの、ヒビキも一緒に寝るんだよ?」
 「え…な、なんで…?」
 「なんでって…そんなとこで寝てたら疲れとれないじゃん」
 「いやそういう問題じゃ...」
 「そういう問題なの!さ、はやくはやく!」
そう言って強引に俺をベッドに連れ込む。やっぱり誘ってるんじゃなかろうかこの小娘。
 「もう魔法具消すよー」
 「お、おう...」
照明が消えて辺りが真っ暗になる。その数秒後にゴソゴソとベッドにノエルが入ってくる音が聞こえる。
こんなのドキドキして寝られねぇよ!しかもなんかいい匂いがする。
俺の息子が今までにないくらいガッチガチになってやがる。明日は寝不足だな。
そんなことを思っていたが、予想以上に疲れていたのかいつの間にか眠ってしまった。
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気付けば俺は舗装された道を歩いていた。俺が歩いていると曲がり角から、美少女が飛び出すのではないかという勢いで走ってきた。
俺が何故それに気付けたのかはわからないが、そんな曲がり角から飛び出せば車に轢かれてしまうだろう。俺は急いで走り出す。
鍛えておいたお陰でギリギリ間に合った。もう少し遅ければ少女は車に轢かれていただろう。
 「大丈夫かい?」
 「は、はい…ありがとうございます」
 「うん、次は気を付けるんだよ」
 「…はい...」
少女は顔を赤らめて俯いたまま返事をする。
こうなってしまうのも仕方がない。なんてったって俺はクラス1のイケメンのサッカー部。学年トップの成績を誇る天才高校生なのだから。
俺は用は済んだので帰ろうとする。
 「…あ、あのっ…!よろしければ…お礼を...。何も持っていないので……か、体で…!」
 「……おいで」
俺は少女を路地裏へと連れていく。そこで少女の肩に手をのせる。
少女はビクリと体を震えさせたが次第に体の力を抜いていく。
そんなことはお構い無しに局部へと手を伸ばす...。
 「……ハッ」
夢だ。それはそうだ。俺がそんなイケメンでもなければサッカー部でもない。高校行ってないしね。
中学校の時はクラスでも孤立していたし成績も中の下ってとこか。
まぁそんなことは忘れて二度寝でもしよう...。
そう思って寝返りをうつ。すると目の前にいたのはさっきの美少女、もといノエルだった。
昨日の出来事は夢ではなかったのだと実感できると共に、目の前の美少女に手を出したくなってしまう。
だめだ、さっさと着替えよう。こんな状態で二度寝なんてしてられん。
---
支度を終えた俺たちは冒険者ギルドへ向かう。当分はこんな感じになるのだろうか。
 「おはようございまーすっ!」
 「あらノエルちゃんと…ヒビキさんね、おはよう」
 「…おはようございます」
 「あ、そうそう。ちょっと待っててね」
そういって昨日の受付のお姉さんはカウンターの奥へ引っ込んでいく。
少し待っていると袋を1つ持って帰ってきた。
 「おまたせ、これが昨日話した支給品ね」
受け取った袋の中には緑の液体が入った瓶と、青い液体が入った瓶、そしてもうひとつ袋が入っていた。
その袋も開けてみると中にはお金が入っていた。昨日稼いだ分よりも多い。
 「いいんですか…?こんなに...」
 「いいのよ、ギルドから出てるんだし…皆当然のように持っていくわよ?」
 「そ、そうなんですか…ありがとうございます」
 「どういたしまして、これからも頑張ってね」
 「えっと…今日はヒビキに冒険者のことを教えてあげて欲しいんだ!」
 「あらそうだったの?てっきり支給品をもらいに来たのかと...」
 「いやぁ…私も忘れてたよぉー」
 「まぁそういうことならお安いご用よ、少し長くなるけどいいかしら?」
 「え…あ、はい!」
受付のお姉さん曰く、冒険者はランクが大切らしい。
ランクは昨日言っていた通り、基本はクエストをこなせば上がっていく。だが勿論上がるだけでなく、下がる場合もある。
全てのクエストにはランクが割り当てられていて、自分のランク以下のクエストしか受けることはできない。
そしてそのクエストを無事クリアすることが出来ればランクが上がるし、失敗すればランクは下がる。
ランクが上がる条件は、今の自分のランクと同じランクのクエストをクリアすることだ。
ランクは上からS、A、B、C、D、Eの6つで構成されていて、俺はEランクになっている。
Eランクならクエストを5回クリアで昇格だ。Dランクは10回、Cランクは50回、Bランクは100回だ。
Sランクは特殊で、Aランクから上がる条件はない。ギルドに認められるような偉業を果たした者しかなれないらしい。
降格は全ランク共通で、連続で10回クエストを失敗すると降格になる。少し条件が厳しいかもしれないが、ごり押しで突破してきた奴なんか来ても困るだけだからな。
ランクの他にはパーティやクランなんてのもあるらしい。ゲームでよくあるのと同じで募集なんかも結構ある。
今は俺とノエルでパーティを組んでいる状態だ。
だが、パーティを組んでいる場合は、同じランク同士じゃないと昇格の条件を満たせないという。寄生を防ぐためだな。
クランは特に何かあるわけではなく、皆でクエストにいったり騒いだりする集まりみたいなものみたいだ。
人が集まりやすいからパーティを組みやすいらしい。野良だとあまり同じランクを見かけないからだ。
あとはギルドでの禁止事項とか色々あったが、これは普通にしてればそんなに問題はなさそうだ。当面の目標はランクをあげることだな。
 「…ふぅ。こんなものかしら」
 「詳しくありがとうございます」
 「いいのよ、これも仕事だしね…まぁノエルちゃんが付いてれば問題ないと思うけどね...」
 「またまたぁ!おだてても何もでないよ!」
 「あら、出せるものでもあるのかしら?」
 「私…これでも脱いだらすごいんだからっ!うっふん」
 「そうなの?じゃあ遠慮なく...」
 「あ、いや…やっぱ嘘です。すごくないです」
 「えー…せっかく期待させておいてそれはないわよー...」
 「ま、まぁ…用事は済んだし今日はもう行くね…!ありがとうございましたー!」
 「はーい。気を付けるのよー」
そう言ってノエルは足早にその場を去って行く。まさか受付のお姉さんがレズだったとはな、ノエルも知らなかったのか。そういうのはけしからんな、いいぞもっとやれ。
ノエルはクエストの掲示板の方へ行ったみたいだ。今日はクエスト受けて頑張ってランクでもあげよう。
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