第3話「アルバの町」

　アルバの町。市場からは威勢の良い声が飛び交い、通りは人でごった返している。
　建物はレンガのようなもので作られているのが主であり、ヨーロッパの国々を彷彿とさせる。
　通りには屋台や商店が立ち並んでいて、町全体は活気に満ち溢れていた。


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 俺たちは装備を整えて冒険者登録をしよう、ということでまずは破れた服を新調することにした。



 「よし！まずはそのボロい服を新調しよう！」
 「ボロくしたのはお前だけどな」
 「うっ…悪かったよぉ……仕方なかったんだもん」
 「わかってるよ」


　そんなこんなで防具屋にたどり着く。


 「あ、そういや俺お金なんかもってないぞ…？」
 「だいじょぶだいじょぶ！こう見えて結構お金持ちなんだからっ！」
 「…悪いな、ありがとう...」
 「うん！そのうち返してくれればいいよ！」


　あ、そこはちゃんと請求するのね、いやまぁ当然のことだけど。奢ってくれるのかと思っちゃったよ。


 「こういうのってどんなのがいいんだ？」
 「んーそうだなぁ…身軽で丈夫なのがいいんだけど……よし！せっかくだから私が選んで差し上げよう！」
 「そりゃどーも...」


　そういってノエルが手に取ったのは何で出来ているのかわからないチェストプレート、籠手、ブーツ、長袖のシャツだった。
　チェストプレートは頑丈そうな金属で出来ており、籠手とブーツはさわり心地のよい革でできている。シャツは…通気性が良さそうだな！
　

 「剣士用ってほとんどないからちょっと微妙かも…試着してみてよ！」
 「そうなのか…わかった」


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 「…どうかな？」
 「うん！似合ってるよ！」
 「そ、そうか…ありがとう」
 「いいってことよ……さ！つぎつぎ！」


　防具を買ったら次は武器だ。武器屋は防具屋の隣にあるみたいだな。ドラ○エかよ...。


 「着いたね！今回も選んであげたいところだけど武器は自分が使いたいのを選ぶといいよ、私が使うわけじゃないしね」
 「それもそうだな」


　そう言うとノエルはカウンターにいる強面のおじさんに話しかける。
　たっぷり数分間話し合ってからおじさんは店の奥へ、ノエルは俺の下に帰ってきた。


 「剣士用の装備が置いてあるか聞いてきたんだけど、あんまり在庫ないから全部出してくれるって！」


　しばらく待っているとさっきのおじさんが両手にいくつもの武器をもって戻ってきた。
　あの顔と武器の量、もはや893にしか見えない。


 「おう坊主！こん中から好きなだけ選んでけ！」
 「ヒィッ！あ、ありがとうございます...」


　ビックリして変な声がでてしまった…恐すぎだろこの人...。


 「……ヒィッ！あ、ありがとうございます……だってさ！」


　とノエルが吹き出す。覚えてろよこのやろう...。


 「あーごめんごめん！…で！どれにする？」


　机に置かれているのは大したことはなさそうな普通の武器だった。
　片手剣、短剣、大剣、斧…と予想以上に種類がある。そんな中俺の目に留まったのは見覚えのある、鞘に入った僅かに湾曲した長剣。


 「ノエル……これは？」
 「ん？…んー……わかんない！私魔法使いだし...」
 「わかんないのかよ……まぁいいか、これにするよ」


　ノエルにはわからなかったようだが俺には分かる。これは…刀だ。


 「え？そうなの？…まっ！ヒビキがいいならいっか！」


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　そんなこんなで装備を整えた俺たちは冒険者ギルドに向かった。


　刀のお会計の後にノエルが「すごい高かったんですけど！」とかわいい顔で膨れていました。確か後で請求されるんだよな…これ...。