Endless・Magic〜終焉に近づく魔法はやがて永遠に終わらない悲劇の幕開けなのかもしれない

水定ユウ

SecondMagic6

 僕らはあれから歩き回った。ちょっと大きなショッピングモールの中へと入ったりして色々な店を見て回った。その中には丁度欲しかった服や書店により本を買ったりした。もちろん「魔法」についての本だ。

 歩き回って少し疲れてきたところで僕らは昼食を摂ることにした。

 「結構充実しているね、最近のショッピングモールって」
 「そうか?こんなもんだろ」

 僕は、カレーをスプーンですくい上げ連太郎はラーメンを冷ましながら会話をする。

 「ですが、やはりかなりの人がいますね」

 親子丼に手をかけながら言う鞍馬さん。

 「まっ、今日は日曜だしな。そりゃ人ぐらいたくさんいんだろ」
 「はい、そうなのですがやはり今の状況では」
 「それってやっぱり「黒の怪物グリッド」の事だよね?」
 「はい、これだけの人がいれば相手方にとっては絶好の機会ですからね」

 確か、「黒の怪物グリッド」の行動原理はまだあまり分かってはいないが、確か自らが言っていたように人や魔法に対して敵意を見せるそうだ。と言う事はこんなに人がいれば奴らに襲われる可能性は十分にあり得ると思う。

  「げっ!じゃあまた奴らとやり合うのかよ」
 「あくまで可能性の範疇ですからね、そこまで身構えなくてもいいですよ」
 「でもここには今二人も「魔法使い」がいるからね、そんなに油断は出来ないと思うよ」

  奴らは人だけでなく「魔法」にも反応する。すなわちここには僕と連太郎と言う二人の「魔法使い」の存在があるので僕らの「古代魔法具アンティーアーツ」に惹かれてやって来る場合も想定しなくてはならないのだ。

 「しかし「東京」にはそれなりにたくさんの小規模な遺跡はありますので、相手方も向こうを調べている可能性もなくはないですよ」
 「遺跡か」

 遺跡で初めて出会った奴らは禍々しく光を断絶するように悲しかった。あのまま飲み込まれてにトドもどっまで来れなくなるかと思うほどに。でも今は違う。僕らには「魔法」があるから。

 ドーン!!!

 突然外から聞こえてきた何かの爆発音にも近い衝撃と残響。その音のする方からして大通りの方だった。

 「何があったんだ!」

 連太郎が叫ぶ。その手には既にラーメンのどんぶりはなく綺麗に食べ尽くされていた。鞍馬さんもそして僕とその方へと意識を向ける。これはマズイ気がしてならなかった。

 僕らはお金を急いで払い店を出ると、大通りへと向かった。そこで目にした物はとんでもないものだった。

 あの時であった黒い怪物、今では分かるそれがあの時の闇の根源「黒の怪物グリッド」である事を。

 しかしその姿はかつて出会った蟋蟀コオロギ型や糸巻鱏マンタ型とは違いもっと攻撃的な姿をしていた。その腕には強靭な筋肉質のようなものがあるがどこか違う。そして顔には一本の角が目立つ。この姿は

 「サイかな」

 と口走るほどだった。

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