Endless・Magic〜終焉に近づく魔法はやがて永遠に終わらない悲劇の幕開けなのかもしれない

水定ユウ

FirstMagic11

地下遺跡を抜け出て再び外に出た僕達は先生たちに追いつくため急ぐ。すなわち走っているのだ。しかし一向にその姿は見えない。

 「結構走ったと思うけど、全然いないね先生達」
 「そうだよな。なあ、本当にこっちでいいのかよ、鞍馬」

 走りながら、後ろを振り向き連太郎が鞍馬さんに聞く。

 「はい。私の記憶が正しければ、こちらの方角へと進んで言ったはずです。また、皆さんの足跡も地面に残っています」
 「本当だ!」

 今更気づく僕に対し、連太郎は黙々と走る。

 「しっかし参ったよな。あんま時間経ってねぇってんのに、ここまでとはな…先生達どんだけ速えんだよ」
 「本当だよね」

 連太郎の問いに同意する形となった。実際僕もそう思うのは紛れもない事実だ。

 「鞍馬さん、一つ聞いてもいい?」
 「何ですか」
 「さっきから思ってたんだけど、何で同じような場所にかつての魔法使い達の遺跡が重なってたのかな?」
 「あっ、それ俺も思ったんだよな」

 どうやら連太郎も同じことを考えていたらしい。普通に考えて「魔法」の適性がある人はそうはいないけど、もしもいたとしたら同じ場所にあったら他の人達に荒らされるはずだ。だったら何らかの意図があるはずと考えるのが妥当だと思ったのだ。

 「そうですね。例えば、あの場所に何らかのゆかりがあるもしくは互いに惹かれあったのではないでしょうか」
 「と言うと?」
 「まだ私の記憶にはありませんが、お互いの存在を認め合った形で未来に起こることを予測したのでは。このようになる形を初めから知りそして今を作り出しているとか」
 「そんな未来視みたいなの出来んのかよ」
 
 連太郎の問いはすぐさま鞍馬さんまで届く。このことに対し、鞍馬さんの反応はやはりいつもの無表情で淡々と述べて行く。

 「「魔法」の力は無限ではありません。しかしその分野だけにとらわれない方法を使い、仮に未来視に近い力を開発したとしたらどうでしょうか?それならば出来るはずです」
 「へぇー、どうやって?」
 「「魔法」だけでなく、例えば藤井さんの持つ「古代魔法具エルファスト」その力を感じたあなたなら少しは分かるのではないですか」

 思い出してみる。「古代魔法具エルファスト」の力を使った時の事を。確か「魔法」で炎を出した。それから…

 「そっか、時間の加速これを使うわけか」
 「おそらく、今はそのような力は先程の戦いからも分かる通りないと思いますが、また違う何かにその力を与え保管し違う時間軸からその様子を先読みしたのではないでしょうかと私は考えます」
 「やっぱり凄いな、「魔法」って」
 「おい、何の話ししてんだよ」

 話に夢中になっていたせいで、連太郎の事をすっかり忘れてしまっていた。どうやら僕達の話がまるで分かっていないようなので話しておく。すると、言うまでもないがいい反応をしたのだった。


 「はあー、全然いねえ。こっちじゃねえんじゃねえか」
 「僕もそんな気がしてきたんだけど」

 二人して、鞍馬さんの方を見る。すると倉まさをは口を開き、

 「ここで一度足跡が切れている。そして、走ったような後…これは」
 「どうしたんですか、鞍馬さん?」
 「いえ、ここで足跡が消えて…向こうから何か音が」
 「そんなの聞こえないぞ」

 僕も耳をすますが聞こえない。

 「家、みなさんには聞こえませんよ。私の聴覚期間は人間とは違いますから。そして、もう直ぐ分かるはずです」
 
 その時だった。鞍馬さんのすます方から何か聞こえる。そしてその音はやがてはっきりと聞こえるようになった。

 ドドッ

 「おいなんか、あっちからやばそうな音が聞こえるぞ」
 「確かにそうだね。何かが倒れるような音」
 「もしかして皆んなあっちにいんのか」

 しかしそう考えると、やはり何かが起きたとしか考えられない。と考えると、早く行った方がいいかもしれない。

 「鞍馬さん、急ぎましょう」
 「そうですね。私の警戒感覚が嫌な反応をしています」
 「おい、マジかよ。だったらさっさと急ぐぞ!」

 こうして、僕達は音のする方へと走って行くのだった。そして、そこで目にしたのは…。

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