Endless・Magic〜終焉に近づく魔法はやがて永遠に終わらない悲劇の幕開けなのかもしれない
FirstMagic6
塔の中に突如として現れた黒い何か。その姿は言ってしまえ蟋蟀を擬人化したかのような姿であった。
 「ギギギ」
 先ほどから全く動かず、僕らの方をずっと見ている。それだけであれば問題はないかもしれないが、不味い雰囲気である。
 「あれは何ですかね」
 「分かりません。ただ、こちらに敵意を示している事は確かですね」
 敵意を持たれることなどしてはいない。先ほどまで動かなかったそれは突然動き出す。
 「ギギ」
 「速い」
 それは一瞬にして見えなくなったかと思うと、僕らの目の前にまで迫ってきていた。一瞬でも目を離せばその姿は二度と捉えられないかもしれないほどだった。
 「人間、「魔法」、邪魔者、消す」
 
 言葉を放ったそれは、意味深なことを言い襲って来る。振り下ろされる拳は塔の壁を粉々にする。当たったら一心で死んでしまうほどの威力だ。
 「如何するんですか」
 「如何と言われても」
 「とにかく逃げますよね」
 「ですが、あちらはそうはさせないようですよ」
 塔をひたすら逃げる。来る時に使って階段は使わず廊下を走り、少し開けた場所に出る。なぜあるのかも分からないような場所に。
 「追ってきてはいないね。よかったー」
 ホッと胸を撫で下ろすのも束の間。
 「危ない」
 「えっ」
 その存在を見失った僕は何かの姿を捉えられていなかった。そして僕は鞍馬さんに突き飛ばされる。突然のことに動揺する。その瞬間に鞍馬さんの体はそれに引き裂かれたからだ。
 「鞍馬さん!何で」
 「私は目の前で誰かを失いたくはありません。貴方も同様です。早く逃げてください」
 「出来ないよ。そんな事」
 「えっ?」
 「僕も鞍馬さんと同じだ。誰かを見捨てたくはない。僕は誰も傷つかない、皆んなを守りたいんだ」
 本音を漏らす。誰だってそうかもしれない当たり前の事。でも僕にはとても大事な事であり、その状況に陥ってしまったのになさないなんて絶対に嫌だ。だから僕は、
 「僕が囮になるから、動けるんだったら早く行って!」
 「貴方が一人でですか。「魔法」も使えない貴方が」
 「「魔法」が使えなくてもやらないといけない事もあるんだよ」
 僕はそう行って黒い何かへと向かう。そんな動き遅すぎるとでも言わんばかりに僕を投げ飛ばす。
 「うわっ」
 「貴方こそ早く逃げてください」
 「だから嫌だよ。僕は絶対あいつを倒して鞍馬さんを助けて、皆んなを守るよ。例えここで命が潰えても。それが僕の願いだ」
 『聞き取ったぞ、その願い』
 突然この場にいない別の声。男の人の声なので、連太郎を思い出すが違う全く違う声質だ。次の瞬間何故か僕の意識は途絶え、気がつくと光の中にいた。
 「死んだのか、僕は」
 そこはまるで、お伽話に出てくるような光景。もっと端的に言えば天国のようだ。行った事はないがそんな気がする。
 『汝は死んではいない。僕が呼んだのだ。我が「魔法」を受け継ぐ資格を持つ者よ』
 
 聞こえるのは先程の声。死んでいない、呼ばれた?わけが分からない。
 「ここは何処なんだ」
 答えは帰ってこない。知る必要がないのか、知らないのかどちらにしても印象は悪くなる。
 『汝に問う。汝の真意は願いは何だ』
 「願い?」
 僕が願う事。ここから去る事。いや去っても意味はない今僕がやる事は鞍馬さんを見る守る事。そのためには力がいる。しかし力に溺れるのはいけない、自分を見失う。だから僕は…
 「僕は、皆んなを守りたい。力に溺れ世界を掌握しようとする者からも負けない強い思いを。誰も傷つかないで済むようにしたい。僕はそのためならこの命を捧げる覚悟だ」
 『汝の真意、願い、しかと受け取った。今汝、藤井黒江を我が力を継承し魔法使いとして認める。さあ、叫べ我が名を』
 
 名前を叫べて言われても出てはこな…いや一つ引っかかる。馴染みのない名称。この言葉は一体?
 『我が名は…』
 「『星刻の時計』」
 その名を叫んだ時何かが起きた。自らの体に対する負荷も痛みもなくなり、高ぶる強い力が体に宿る。この時僕は初めて知った「魔法」の力を。
 そして僕は戦いに身を投じる。
 「ギギギ」
 先ほどから全く動かず、僕らの方をずっと見ている。それだけであれば問題はないかもしれないが、不味い雰囲気である。
 「あれは何ですかね」
 「分かりません。ただ、こちらに敵意を示している事は確かですね」
 敵意を持たれることなどしてはいない。先ほどまで動かなかったそれは突然動き出す。
 「ギギ」
 「速い」
 それは一瞬にして見えなくなったかと思うと、僕らの目の前にまで迫ってきていた。一瞬でも目を離せばその姿は二度と捉えられないかもしれないほどだった。
 「人間、「魔法」、邪魔者、消す」
 
 言葉を放ったそれは、意味深なことを言い襲って来る。振り下ろされる拳は塔の壁を粉々にする。当たったら一心で死んでしまうほどの威力だ。
 「如何するんですか」
 「如何と言われても」
 「とにかく逃げますよね」
 「ですが、あちらはそうはさせないようですよ」
 塔をひたすら逃げる。来る時に使って階段は使わず廊下を走り、少し開けた場所に出る。なぜあるのかも分からないような場所に。
 「追ってきてはいないね。よかったー」
 ホッと胸を撫で下ろすのも束の間。
 「危ない」
 「えっ」
 その存在を見失った僕は何かの姿を捉えられていなかった。そして僕は鞍馬さんに突き飛ばされる。突然のことに動揺する。その瞬間に鞍馬さんの体はそれに引き裂かれたからだ。
 「鞍馬さん!何で」
 「私は目の前で誰かを失いたくはありません。貴方も同様です。早く逃げてください」
 「出来ないよ。そんな事」
 「えっ?」
 「僕も鞍馬さんと同じだ。誰かを見捨てたくはない。僕は誰も傷つかない、皆んなを守りたいんだ」
 本音を漏らす。誰だってそうかもしれない当たり前の事。でも僕にはとても大事な事であり、その状況に陥ってしまったのになさないなんて絶対に嫌だ。だから僕は、
 「僕が囮になるから、動けるんだったら早く行って!」
 「貴方が一人でですか。「魔法」も使えない貴方が」
 「「魔法」が使えなくてもやらないといけない事もあるんだよ」
 僕はそう行って黒い何かへと向かう。そんな動き遅すぎるとでも言わんばかりに僕を投げ飛ばす。
 「うわっ」
 「貴方こそ早く逃げてください」
 「だから嫌だよ。僕は絶対あいつを倒して鞍馬さんを助けて、皆んなを守るよ。例えここで命が潰えても。それが僕の願いだ」
 『聞き取ったぞ、その願い』
 突然この場にいない別の声。男の人の声なので、連太郎を思い出すが違う全く違う声質だ。次の瞬間何故か僕の意識は途絶え、気がつくと光の中にいた。
 「死んだのか、僕は」
 そこはまるで、お伽話に出てくるような光景。もっと端的に言えば天国のようだ。行った事はないがそんな気がする。
 『汝は死んではいない。僕が呼んだのだ。我が「魔法」を受け継ぐ資格を持つ者よ』
 
 聞こえるのは先程の声。死んでいない、呼ばれた?わけが分からない。
 「ここは何処なんだ」
 答えは帰ってこない。知る必要がないのか、知らないのかどちらにしても印象は悪くなる。
 『汝に問う。汝の真意は願いは何だ』
 「願い?」
 僕が願う事。ここから去る事。いや去っても意味はない今僕がやる事は鞍馬さんを見る守る事。そのためには力がいる。しかし力に溺れるのはいけない、自分を見失う。だから僕は…
 「僕は、皆んなを守りたい。力に溺れ世界を掌握しようとする者からも負けない強い思いを。誰も傷つかないで済むようにしたい。僕はそのためならこの命を捧げる覚悟だ」
 『汝の真意、願い、しかと受け取った。今汝、藤井黒江を我が力を継承し魔法使いとして認める。さあ、叫べ我が名を』
 
 名前を叫べて言われても出てはこな…いや一つ引っかかる。馴染みのない名称。この言葉は一体?
 『我が名は…』
 「『星刻の時計』」
 その名を叫んだ時何かが起きた。自らの体に対する負荷も痛みもなくなり、高ぶる強い力が体に宿る。この時僕は初めて知った「魔法」の力を。
 そして僕は戦いに身を投じる。
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