Endless・Magic〜終焉に近づく魔法はやがて永遠に終わらない悲劇の幕開けなのかもしれない

水定ユウ

FirstMagic4

今日は生徒総会がある。早いような気もするが、この学校は頻繁にあるのでその中から数えれば早くはないのだろう。この学校は生徒数もそれなりにいるので、体育館ではなく講堂で行われる。

「新入生の諸君、私がこの学校の生徒会長の波沢薫だ。初めてこの生徒総会を知って君らの反応はおそらくだるいだろうが、しっかりと聞いてほしい」

 今は、生徒会長の話を聞いている。ここまで、先生方(校長)の話を聞き、長時間椅子に座っていて少し辛くなってくる。

 「であるからにして、君らにはこれからの学校生活を共に学び絆を深め将来国の役に立ってもらいたい。以上だ」

 結局生徒会長の話は長かった。隣を見ると、連太郎は既に力尽き夢の世界へと旅立ってしまっていた。

 「それではこれにて生徒総会を終わります。お疲れ様でした」

 ようやく終わり、連太郎を起こし夢の世界より帰還させる。

 「あれ、終わったのか?」
 「今さっき」

 連太郎は気にしていない様子だった。こうゆう所のメリハリは僕も見習うべきだと思う。順に講堂を出て行き、午後の授業へと移ってゆく。と言っても今日は二年生の実習の見学だ。

 
 「スカーライトだ、凄い」
 「あれ、見ろよ「竜騎士ドラグナイト」だぜ。マジ凄え」

 同級生のそんな声を聞く。確かに希少鉱石の一種スカーライトや正式名称「重量近接型竜騎兵ー竜騎士ドラグナイト」を始めとした実習型の施設、第三実習塔では今二年生達が張り切っている。それは少しでも優秀な一年を見つけ同じ系列に進んでもらうためだ。ここはそのうちの一つ「機工学」を学ぶ、「機重戦闘機」を専門に学ぶ所である。

 「凄いよな黒江」
 「確かに、勉強になる」

 スカーライトを見た事はなかったし、「竜騎士ドラグナイト」も直に見るのは初めてだ。こんなの滅多に見る事はできない。テンションが上がる。

 「鞍馬は一人なんだな」
 「そうだね。少し声をかけてみようか」

 お節介かもしれないが気になったので行ってみる。

 「鞍馬さん。一人ですか」
 「貴方は…藤井黒江でしたね」

 いきなりの呼び捨て、悪い事はない。

 「いつも一人ですけど。誰かとは話さないんですか?」
 「私は群れる事は苦手なので」
 「別に群れる事ではないけどさ」
 「では訂正します。人と話すのが苦手なので」
 「そうですか」

 少し噛み合いづらい人だなと思った。僕も苦手なタイプだ。

 「もういいですか。それでは失礼します」

 なんの感情も見せないまま鞍馬さんは立ち去って行く。その後ろ姿からはどこか違う存在のような気がしてくる。まるでみたいに…。

 
 「なあ、明日は近くの遺跡に行くらしいぞ」
 「今度は遺跡か、凄いなこの学校は行事ばっかりだ」
 「だな」

 遺跡とはこの日本は昔から「魔法」に関する貴重な宝庫としてかつての地球についての手がかりがあるとされて入る。そしてここ「東京」にはその遺跡が数多く存在している。そして、僕らが明日向かうのはそのうちの一つだ。クラスごとに行く遺跡は違うらしいが、僕らの行く遺跡は特に古くまだ調査が進行していないとされる道の遺跡のようだ。なんでもかつての魔法使いにまつわる遺跡らしい。楽しみで仕方がない。

 「まっ、あんま行けないと思うけどな」
 「でも、楽しみだよ。かつての記憶を紐解くのは」
 「楽しそうだな」

 僕はこういう「魔法」や過去の地球の記憶についてとても興味がある。将来は僕は「魔法」について関わりたいが、研究者の道もある。

 「まっ、なんにしても明日だな。楽しもうぜ」
 「そうだね」

 こうして今日は終わる。明日は楽しみでしかだがない。夜眠れない子供みたいな事は言わないが、興奮してしまう。こうして、明日は寝不足確定だろうと思う。

 鞍馬さんについても少し気になる。好意的な意味ではなく、なんとも不思議と言う事だ。このこともいずれ解決しなければと。

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