ふわっとした異世界の作り方
第12話:自然を設定しようその3
意外と長くなってしまった自然設定、今回は山について。
高緯度地方のヨーロッパ等は標高が低くても岩山が多く、冬は雪に覆われるため、山は死の世界と思われていました。
また中世ファンタジーなどで山を舞台にするとドワーフやドラゴンが住んでいたり、希少な魔法金属の鉱山といった舞台となります。
私個人の意見と要望ですが、ザイルやハーネスなどを使う本格的な登山を描写するファンタジー作品とか見てみたいです。
またインドやネパール、日本などでは山岳信仰という山そのものを神として称え信仰する宗教概念があります。
河川で紹介したように山もまた踏破が難しいことから国境線として扱われることが多いです。同時に峠は交通の要となり、峠を支配する国があれば入口と中間と出口の三ヶ所に防御拠点を置くだけで難攻不落の天然要塞を作ることができます。
山を設定する際気をつけて欲しいのは標高によっては森林限界点と呼ばれる植物が自生できる高さというのがあります。日本で2500m、ヨーロッパ地方で1800m、山の気温は標高100上がるごとに0・6度下がると言われています。
あえてこれを無視することで森林限界点を超えた山頂に咲く希少な花といった採取依頼系のエピソードが作れるかもしれません。
最後に四季を設定しましょう。四季は春夏秋冬がはっきりとある国とロシア方面のように長い冬と短い春のみといった夏と秋が見当たらない国もあります。
異世界感を出すために常夏といったひとつの季節が延々と続く世界を設定するもいいかもしれません。
国や地方によっては季節の感じ方も変わります。同じ日本でも北海道の冬と沖縄の冬は同じですか? 北海道の冬は最低気温氷点下20度、沖縄の冬の最低気温は15度前後と言われています。
日本の夏とヨーロッパの夏は同じ暑さでも湿度の違いがあります。ヨーロッパ方面は日陰に入れば場合によっては肌寒く感じることもありますが、日本の場合は日陰に入っても焼け石に水程度の涼しさの時もあります。
主人公が様々な国や地方を旅する作品なら四季や気候を描写してみてはどうでしょうか?
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