クロス・アート・ファンタジア
06.ギガントゴーレム始動
職員室では先生たちや智久が生徒を観戦している。
「たしかに柊くんのパワーはすごいけど、脳筋臭が漂うなぁ」
「しかし、あいつは思わぬところで機転を効かせるなどいった所もありますし必ずしも脳筋とは言いがたいですよ」
朔也たちの担任の佐藤がフォローを入れる。
「でもさ、藍染くんなんかいいんじゃない?彼スカウトしたいなぁ」
「それはあなたのギルドがそういう方針だからでしょう?」
「いや、別にあの方針にまるまる付き合う必要はないよ。僕だってそうだしね」
「まあ、そうですが……」
校長が席から立ち上がった。
「佐藤くん。そろそろ“あれ”いこうか」
「あっ、そうですね」
「おっ何かな何かな?」
智久は無邪気な笑顔をしていた。
長門が俊を睨み付けている。俊は冷めた顔で溜め息をついた。
「あぁ!何だよ!?」
「まだ前々回の試戦を引きずっているのかい?」
「“まだ”じゃねぇ!ついこの間だろうが!」
「いや、もう半年前なんだけど」
「ついこの間だろうが!」
長門は足から氷を出す。
俊は結界を張り氷を食い止めた。
「苛つくんだよ、そのスペルよぉ!」
「直接的な妨害はアウトだよ。ルールは守るんじゃなかったの?」
「がぁぁっ!黙れぇ!」
そう怒鳴って長門は奥へと駆けていった。
「何だ、守るんじゃん」
俊は不敵な笑みを浮かべていた。
二階に来た朔也と大地は長門が作った巨大な氷に行く手を阻まれていた。
「何か寒いと思ったらこれかよ」
「長門の仕業だろうな」
「どうする?迂回して……」
雫が落ちる音がした。
「解けてるのか」
「うーん。朔也、お前のスペルで解かせないか」
「俺こんなホール見たいな空間を圧迫するほどの巨大な氷を解かせるほど威力高くねぇよ。でもまぁやってみるか」
朔也は右の手のひらから炎を放つ。
氷にひびが入った。
「温度差が激しくて割れてるんじゃないか!?」
「よっしゃ!もういっちょ!」
炎の勢いを一層強める。
巨大な裂け目が出てきた。
――なぁ、これ……
――ヤバイやつやん……
その時、氷の塊が落ちてきた。
――ヤバち!
――逃げろぉぉ!
二人は脱兎の如くホールのから逃げ出す。
大崩落の音が塔に響き渡った。
「だ、大丈夫かなぁー」
おそるおそるホールへ戻る朔也。
氷の塊が所々転がっているが奥へは進めそうである。
「ようし、行こうか」
「結果オーライってか」
瞳と明日美はようやく二階へと登ってきたところだった。
「さっき凄い音がしたけど大丈夫かしら?」
「うーんでもそんな大きな音を起こすようなスペル誰も持ってないよ?」
「まぁ、そうなのですが」
明日美は前を睨み付けた。
二人の行く手を人狼二匹が阻んでいた。
「とりあえず自分のことをしましょうか」
「そうだね」
足音がした。
――……!
明日美が振り向こうと――。
「はい、ストップ」
「…………」
明日美の首もとに刀が添えられている。
「いい子だね」
「監視カメラがあるのをご存じですか?」
「実はここ監視カメラの視界に入らないって話、していい?」
明日美は小さく舌打ちをした。
「と、いうわけで訊きたいのだけど」
「な、何でしょうか?」
「今日はどうしたの?こんなに子供がたくさんいてびっくりしちゃったよ」
刀を持っている男は不気味に口角を上げた。
校長室へ入る智久、朔也たちの担任の佐藤、校長。
「“あれ”って何なの?」
「修行の塔の四階には我々が事前に仕込んである仮想敵がいるんですよ」
「仮想敵?」
「ギガントゴーレムです」
校長の言葉を聞いて智久は目を細める。
「ああ……あれか」
「それではいきましょうか」
校長はスイッチをONにした。
修行の塔、四階。
「……そうだよ……俺はこういうのを待ってたんだよ……」
長門がそう呟いた。
目の前には起動したギガントゴーレムが待ち構えていた。外装は鶯色で巨大なロボットのような見た目をしている。長門の存在を確認したのか目が黄色く光った。
「学校に始めて感謝するかもなぁ!」
長門は地面に手のひらをあてる。
「大氷結!」
そこから巨大な氷を出現させた。
ゴーレムの拳が迫る。
氷は拳で少し砕かれ、ゴーレムを拳から氷が飲み込んでいく。
「そうだよ、これだよ……」
ゴーレムは完全に凍って動かなくなってしまった。
「はぁっ、はぁっ」
反動で長門の右腕から肩、顔の右半分にかけて霜が降りてしまっている。
「ちっ、冷てぇなぁ」
左腕で右腕の霜をはらっていた。
「先へいかねぇと」
長門が一歩踏み出したその時。
地面が盛り上がって行く手を阻む壁が出来た。
――まさかあのゴーレムはまだ死んでねぇのか!?
氷の中でもゴーレムの目は黄色く光っている。
――おもしれぇじゃねぇか
長門の左腕が仄かに白く光る。その拳で壁を砕いた。
ピキッ。
ギガントゴーレムを覆っていた氷にひびが入る。
――逃げるのが最善だが……
ギガントゴーレムを見上げる長門。
「来い!お前をぶっ飛ばす!」
氷が砕け散る。
「ギガゴガ……!」
――……消してやるよ
ギガントゴーレムは砕け散っていた。腕、胴体、頭などの部位が散乱している。黄色く光っていた目に今、光はない。
長門の右半身のほとんどは氷に被われていた。あたりに砕けた氷も転がっている。
「暫く休憩でも入れるか……」
四階のギガントゴーレムの部屋を通らずに五階へと到達した光と俊。
「……俊、ここは」
「協力しようか……」
二人の目の前にはギガントゴーレムがたちそびえていた。
「たしかに柊くんのパワーはすごいけど、脳筋臭が漂うなぁ」
「しかし、あいつは思わぬところで機転を効かせるなどいった所もありますし必ずしも脳筋とは言いがたいですよ」
朔也たちの担任の佐藤がフォローを入れる。
「でもさ、藍染くんなんかいいんじゃない?彼スカウトしたいなぁ」
「それはあなたのギルドがそういう方針だからでしょう?」
「いや、別にあの方針にまるまる付き合う必要はないよ。僕だってそうだしね」
「まあ、そうですが……」
校長が席から立ち上がった。
「佐藤くん。そろそろ“あれ”いこうか」
「あっ、そうですね」
「おっ何かな何かな?」
智久は無邪気な笑顔をしていた。
長門が俊を睨み付けている。俊は冷めた顔で溜め息をついた。
「あぁ!何だよ!?」
「まだ前々回の試戦を引きずっているのかい?」
「“まだ”じゃねぇ!ついこの間だろうが!」
「いや、もう半年前なんだけど」
「ついこの間だろうが!」
長門は足から氷を出す。
俊は結界を張り氷を食い止めた。
「苛つくんだよ、そのスペルよぉ!」
「直接的な妨害はアウトだよ。ルールは守るんじゃなかったの?」
「がぁぁっ!黙れぇ!」
そう怒鳴って長門は奥へと駆けていった。
「何だ、守るんじゃん」
俊は不敵な笑みを浮かべていた。
二階に来た朔也と大地は長門が作った巨大な氷に行く手を阻まれていた。
「何か寒いと思ったらこれかよ」
「長門の仕業だろうな」
「どうする?迂回して……」
雫が落ちる音がした。
「解けてるのか」
「うーん。朔也、お前のスペルで解かせないか」
「俺こんなホール見たいな空間を圧迫するほどの巨大な氷を解かせるほど威力高くねぇよ。でもまぁやってみるか」
朔也は右の手のひらから炎を放つ。
氷にひびが入った。
「温度差が激しくて割れてるんじゃないか!?」
「よっしゃ!もういっちょ!」
炎の勢いを一層強める。
巨大な裂け目が出てきた。
――なぁ、これ……
――ヤバイやつやん……
その時、氷の塊が落ちてきた。
――ヤバち!
――逃げろぉぉ!
二人は脱兎の如くホールのから逃げ出す。
大崩落の音が塔に響き渡った。
「だ、大丈夫かなぁー」
おそるおそるホールへ戻る朔也。
氷の塊が所々転がっているが奥へは進めそうである。
「ようし、行こうか」
「結果オーライってか」
瞳と明日美はようやく二階へと登ってきたところだった。
「さっき凄い音がしたけど大丈夫かしら?」
「うーんでもそんな大きな音を起こすようなスペル誰も持ってないよ?」
「まぁ、そうなのですが」
明日美は前を睨み付けた。
二人の行く手を人狼二匹が阻んでいた。
「とりあえず自分のことをしましょうか」
「そうだね」
足音がした。
――……!
明日美が振り向こうと――。
「はい、ストップ」
「…………」
明日美の首もとに刀が添えられている。
「いい子だね」
「監視カメラがあるのをご存じですか?」
「実はここ監視カメラの視界に入らないって話、していい?」
明日美は小さく舌打ちをした。
「と、いうわけで訊きたいのだけど」
「な、何でしょうか?」
「今日はどうしたの?こんなに子供がたくさんいてびっくりしちゃったよ」
刀を持っている男は不気味に口角を上げた。
校長室へ入る智久、朔也たちの担任の佐藤、校長。
「“あれ”って何なの?」
「修行の塔の四階には我々が事前に仕込んである仮想敵がいるんですよ」
「仮想敵?」
「ギガントゴーレムです」
校長の言葉を聞いて智久は目を細める。
「ああ……あれか」
「それではいきましょうか」
校長はスイッチをONにした。
修行の塔、四階。
「……そうだよ……俺はこういうのを待ってたんだよ……」
長門がそう呟いた。
目の前には起動したギガントゴーレムが待ち構えていた。外装は鶯色で巨大なロボットのような見た目をしている。長門の存在を確認したのか目が黄色く光った。
「学校に始めて感謝するかもなぁ!」
長門は地面に手のひらをあてる。
「大氷結!」
そこから巨大な氷を出現させた。
ゴーレムの拳が迫る。
氷は拳で少し砕かれ、ゴーレムを拳から氷が飲み込んでいく。
「そうだよ、これだよ……」
ゴーレムは完全に凍って動かなくなってしまった。
「はぁっ、はぁっ」
反動で長門の右腕から肩、顔の右半分にかけて霜が降りてしまっている。
「ちっ、冷てぇなぁ」
左腕で右腕の霜をはらっていた。
「先へいかねぇと」
長門が一歩踏み出したその時。
地面が盛り上がって行く手を阻む壁が出来た。
――まさかあのゴーレムはまだ死んでねぇのか!?
氷の中でもゴーレムの目は黄色く光っている。
――おもしれぇじゃねぇか
長門の左腕が仄かに白く光る。その拳で壁を砕いた。
ピキッ。
ギガントゴーレムを覆っていた氷にひびが入る。
――逃げるのが最善だが……
ギガントゴーレムを見上げる長門。
「来い!お前をぶっ飛ばす!」
氷が砕け散る。
「ギガゴガ……!」
――……消してやるよ
ギガントゴーレムは砕け散っていた。腕、胴体、頭などの部位が散乱している。黄色く光っていた目に今、光はない。
長門の右半身のほとんどは氷に被われていた。あたりに砕けた氷も転がっている。
「暫く休憩でも入れるか……」
四階のギガントゴーレムの部屋を通らずに五階へと到達した光と俊。
「……俊、ここは」
「協力しようか……」
二人の目の前にはギガントゴーレムがたちそびえていた。
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