失踪のシビュラ

ボーノ

第2話 出雲梓

俺は未来の町を見て回っていた。
これていって変わったところはなかったが、ひとつだけ気になった建物があった。
それはこの未来の2200年では政府や政府の軍隊の地位が高くなったために選ばれたものだけがその町に住めると言われている、

空中都市アステル


しかし、2200年の貧富の差はひどいものとなっている。ほとんどの食料や生活に大切なものやお金など全てがアステルにとられ、ここ地上のアリアと呼ばれる町はビルや色々なものがあるように見えるが、実際はビルはただ立ってるだけだったり、飲食店も誰も働いてなかったりと、この町はほぼ捨てられた人類の町って言っても過言ではなかった。

『きゃっ!!』
『あっ!すいません!』
『いえ、私が悪いんです。』
俺より年が2個くらい下の女の子が急に角から飛び出してきてびっくりした。
落ち着いてよく見ると、胸もほどほどに膨らんでいて、お尻の形もいい形で体はとても育ってるなこの子

『今、私の体を見て変なこと考えませんでした?』
『し、失礼だな!そんなこと考えるわけないだろ!』
少ししか、
『そうですかねー?』
そんな、あなた絶対そうゆう目で見ますよねみたいな視線で見られても俺が困るって、
『警察とかに突き出したりしないだろうな?』
『なんですか?そのケーサツって?』
『え?』
この世界に警察は存在しないってことか?じゃあそんなの犯罪ばかりで困るんじゃあないのか?
『泥棒さんとかと会ったことある?』
『よくあいますよ。前は財布ごととられちゃいました。えへへ』
『えへへ、じゃない!バカなのか!』
やっぱりこの町はアステルと違って治安が悪いってことだな、
『すいませんが良かったら家に来ませんか?』
『本当か!?』
『ええ、構いませんけど』
『あっ、そうだ俺の名前は赤城政宗』
『私は出雲梓って言います』
でも、髪も長くて本当に 美人だな〜。こんな治安が悪いとこれくらいの小さい子だといつ襲われるかわからんな。

俺は出雲と歩いた。
出雲の家はビル街とはイメージも場所もかけ離れた所にあった。
出雲は1人暮らしで周りはほとんど平地、近くには唯一マーケットがあるが品揃えが悪いため、わざわざ都市部の方まで行かなきゃいけないらしい。

『赤城さんはこの時代の人ではないんですか?』
『なんで?』
『ケーサツ?でしたっけ。そんなものこの世界にないので違う時代から来た人なのかなって。』
『そんな考えが簡単に出てくるってことは、この時代にはタイムマシンみたいなものがあるのか?』
『ありますけど、使えるのはアステルに住んでいる人だけですよ。私たちはタイムマシンを作る雑用とかしかしたことありません。』
『そう、なんだ。
『天の巫女って知ってるか?』
『はい、知っています。約50年前に地球を救ってくれた人が確か天の巫女の人でしたよね?』
『ああ。』
『最近ではいろんな天の巫女の噂が出ていますよ。前はブルーオネイロスで天の巫女らしき人を見たってゆう情報があったそうですよ。』
『なんだって!そのブルーオネイロスってどこだ!』
『えと。えと。』
『すまん。』
『いえ。』
さすがに怖かっただろうな。今のは
『私の家から5分です。先行きますか?』
『ああ、いかせてくれ』
手がかりのあるブルーオネイロスへて俺たちは向かった。

ブルーオネイロスは昔からある海らしく、ここには夢を海に叫んで決意を固める人が多く来ていたために、ギリシア神話の夢の神オネイロスからとって、ブルーオネイロスと呼ばれている。

『着きましたよ』

俺は声が出なかった。

目の前に広がっていた広大な海は輝きのないこの世界に唯一、青い輝きを放っていた。

『すごく綺麗だ』
『天の巫女を見たという情報があったのはあの岬です!
かつて、天の巫女がこの世界を守るためにあの岬からいつも祈りを捧げていたとゆう神話もあるくらいですし、あそこに天の巫女が出る確率もけっこう高いとおもいますよ!』
『いつもこの海きてるのか?』
『はい!毎日この海を見て、1日がはじまるぞー!って海に叫ぶのが日課なんですよ。』
今の出雲の雰囲気はさっきまでの天然ボケしている女の子ではなくてまるで、天の巫女のようだった。

夕陽がおちようとしていた時

『今からすごいものが見られますよ!
『何が見れるんだ?』
『ナイショです!あ、きましたきました!』
目の前にはグリーンフラッシュとゆう非常に珍しい現象を俺は生まれて初めてみた。

『すっげぇ!』
『いい所でしょう?』
首を傾けながら笑顔で聞いてきた。
『ああ!すっげぇいいところだ!』

いいムードから一変して俺は泊まる家がないことを切り出した。

『頼む!3週間でいいから泊めてくれ!』
『ん〜〜』
そりゃあそうだよな。1人暮らしの女の子が、いきなり知らない男を家に上げるなんてこと、怖くてできねぇよな。

『いいですよ。』
『そうだよな、そうだよな、えっ!?いいの!』
『えぇ、構いませんけど、赤城さんなら大丈夫そうですし!』
それって男としてかなり魅力がないってことだよな?遠回しに俺の精神えぐりやがる。

『では、今日は家に戻りましょう。明日また探しに行けばいいですし。』
『それもそうだな』

こうして俺は知らない女の子いや、出雲梓の家に3週間だけ一緒に住ませてもらうことになった。あと3週間で天の巫女を見つけて、西園寺を生き返らせてやらないとな!

でも、西園寺を生き返らせてもこの未来はやってくるんだよな。

俺はそんな不安を抱えながら今日は寝た。






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