星の降る街

ゆるむら

-003‐ 2996年5月25日 AM 10:02

わたくし実は会社から投稿しております。
結構忙しい時と暇な時と波が激しいので、忙しすぎて死にそうになるし、暇すぎて鬱になりそうな。そんな会社です。
毎日100%頑張らないといけないような会社と比べれば楽なんですけどね。僕は常時出力30%です







-ヤマト領総合防衛団体本部-
第6ブリーフィングルーム


「お前ら席に着いたな!忘れ物したやつは居ないか!?居たら俺が眉間に1発食らわせてやるぞ!」

そう言って隊長、アナベル ダリウスは金属の義手の指でデコピンの形を作って見せた、目の前にいる30名程の生徒たちは誰一人声を発しなかった。

「よぉ~し居ないみたいだな。まずは今回の臨時講師を紹介する!頼むぞトージョー。」

そう言い放ってダリウスは脇にずれ、シズキが生徒等の正面に出る、そのついでに隊長をからかうように小声で。

「了解です、突貫大尉殿」

「それは今はいいだろ…。」

「ふふふ、戦闘科第1部隊 狙撃中隊副隊長のトージョー シズキです。階級は中尉、本日はあなた方の中に狙撃手の才能がある者、無い者を明らかにするつもりですので、今日の授業を今後の進路に役立てて頂けたらと思います。よろしくお願いします。」

「「「よろしくお願いします!!」」」

大柄な者から小柄な者、真面目そうな者から生意気そうな者など様々な男女が一斉に挨拶を行なった。
流石は隊長が担任のクラスなだけある、とシズキは満足して脇に戻る。

それを見たダリウスが正面に戻り、

「見て分かる通り非常に真面目で優しい奴だが、あんまり舐めた態度を取ってると色々と酷い目にあうからな。麻酔もなしに全身をゆっくり穴だらけにされるぞ。」

「一回だけしかやってないですか!」

「普通は可能な限り一撃で仕留める…。」

「うぐっ…。」

「あとこいつのファンクラブもあるらしいし彼氏持ちだから変な気は起こすと大変な目にあうぞ~」

「えっ?ファンクラブって何ですか…?はじめてき…」

「よーし授業始めるぞぉ~教科書の45ページ開けろぉ~!」

「隊長!!」

そのまま授業が開始された。





「以上で弾道計算の項目は終了だ、各自しっかり自習しておくように。
続いてはシズキ中尉のお話だ、身になるような話だろうからしっかり聞いておけよ!」

ダリウスは嫌味とばかりにニヤリと口の端を歪めながらハードルを上げて来た。

「了解です、まぁ今やっている事は基本なだけで、戦場ではいちいち計算してる暇は有りませんからね、体感で計算できるように訓練あるのみです。
なんなら実戦で学ぶのが一番効率的ですが、中々難しいでしょう。

それと圏外の怪物に関してはもう教えました?」

「いや、まだだが近いうちに教える予定だった。別に今教えてくれても構わんぞ。」

「了解です。」

そしてシズキは現状、何のために防衛団体があるのか、この世界にはびこる圏外の怪物とは何なのかを話し始めた。

「それでは圏外の怪物とは何なのか。知っている者多いでしょうが、まず我々人類の安全生活圏外には一体何があるのか、と言うのをお話ししましょう。

圏外には家畜ではない野生の動物や豊かな自然、大昔の人類の軌跡である遺跡都市や無限に続いてると思えるほどの大海原や砂の大陸、
一面を雪で覆われた極寒の地や蒸すような嫌な暑さと様々な奇怪な生き物がはびこる密林の大陸。
圏外にはとても興味深い様々な物で溢れています。

その自然の中には怪物ではなく、元々いた野生の動物でも我々人間を襲うような凶暴な生き物も存在しますし、安全生活圏外で生活する人間も存在しています。

この中で最も気を付けなければならないのが、人間です。

彼らの中には我々のように圏内に入る事が出来ずに許容量オーバーで受け入れてもらえなかった方々もいらっしゃいます。

ですがそれはほぼ少数で殆どは圏内で犯罪行為に手を染め、安全生活圏を追放された者達です。
安全生活圏から出て来た人を襲い持ち物を奪い、時には人質に、時には欲のはけ口に、時には食料にされたり。

私は幼い頃に両親を亡くしています、私の両親はそうした輩に殺され、犯人は圏外追放にされました。
これは私個人の意見ですが圏外に居る人間は基本的に我々とは違う生き物です。
本当に救済を求めて逃げ惑っているだけの人々は他部署の者が調査し、判明しています。

そうした方々は圏内に余裕ができ次第順次受け入れて行く方針を取っておりますので安心して下さい。

ですのでくれぐれも圏外での人間との接触には気を付けるように。」



シズキは一度そこで言葉を切り水を飲む。
生徒の中には今の話を聞き、辛そうにしている者、無関心な者、怒っている者、恐怖した者、疑問に思った者など、様々な顔つきになっているのを見て仕切り直しとばかりに続きの話を語り出す。



「それでは、次に圏外の怪物とは何なのかをお話ししましょう。

初めに発見されたのは2017年の7月とされています。
当時の文献には、
【へんなドロドロの怪物が皆を飲み込んじゃう。かなこちゃんも、かなこちゃんのペットのリュウくんもみんな食べられちゃった。】
と書かれていました、おそらく子供の日記でしょうが、一番状態の良かったものがこれだったとの事です。

更に当時の文献が他の遺跡都市からも発掘されましたが、内容はほぼそれと同じ内容の物だった為信憑性はかなり高いとの事です。

更には【2017年6月に巨大な隕石が落下し、多くの人々が犠牲になった。】と言う文献も存在しています。

時期的に見て前人類が崩壊の危機に立たされたのは隕石の落下による損害のみでは無く、隕石に付着もしくは内部に存在していた怪物も原因の一つとして考えられるでしょう。

ですが更にもう一つの文献が発見されました、これは出土した数がかなり少ないのですが、全てが同じ日を指していた為間違った情報では無いと決断がなされています。

内容は【2017年10月に巨大隕石がまたも衝突、怪物達の侵略か?】
恐らく隕石落下が二度あったと見ておりますが、詳細は不明です。

理由はそれ以降の文献が見つからず、隕石もその後いくつも落ちていてどれが当時の物か分からないとの事です。」



シズキが話す人類の過去の話は皆真剣に聞き入り誰もが続きを気にするように身を硬直させていると。

ビー!という機械音とともに
『休憩時間です、生徒達は10分の休憩を挟みましょう。』

「ふぅ~…。続きは休憩の後ね、休憩が終わったら続きを話して、怪物の弱点対処法その他を話すわ。さっさと休んでらっしゃい。」

シズキがそう言うとブリーフィングルーム全体の空気が軽くなり、伸びをしたり外の空気を吸いに出たり、皆思い思いに体と心を休めた。



学校の授業合間の休み時間って何してますか?
僕は小学生の頃は消しゴムバトル。
中学生の頃は寝てたり絵を描いたり走り回ったり色々。
高校の頃は駄弁るか早弁かPSPでしたね。

碌でもねぇ生徒だな。

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