奴隷商人

ミロ

金の使い道


諸君!近頃物騒だと思わないかね?
先日も中央都市ミュゼルで賭場荒らしがあったそうだ!

私兵達
・・・ザワザワ。
誰の仕業だろうか?


こんな物騒な世の中であるからにして、どこかから湧いて出てきたこの金貨130万枚を使って防衛力を強化したいと思う。

キール
おぉ!こえぇ!

私兵
キール様、まさか・・・

キール
あぁ、先日ちょっとした散歩に行ってきた。

私兵達
ザワザワ!


狼狽えるな!お前達には僕と金が付いている!
まず重要な点は、レベルという概念だ。
こいつが実に厄介で問題を複雑にしている。
単純にレベルの高い奴が一人いれば、それだけで脅威になるからな。しかも、経験値がないとレベルは上がらないと来ている。魔物を殺すとレベルが上がる。
あるいは装備によって強くなる。

私兵達
たしかに。

全ての人間のレベルを上げるのは、魔物の数から言って無理があるからな。

とすると、高い武器でも買うのか?


いや、武器の元となる金属を買い占める。

私兵達
!!!!


では、早速やろう。

それから、あらかじめ定めた10日間で複数の場所で高価な金属と魔石を買い占めていった。


いやー!いい買い物をしたなぁ!

私兵
今回の買占めの影響で市場は混乱し、高価な金属や魔石の価値が暴騰しております。


だろうな。こうなれば修理も難しいだろう。
武器は我が領地で管理することにしよう。
敵となりうる奴には武器は売らない。
買占めたものは、地下に保管しておけ。
当分の間眠らせておくとしよう。


最終的には、食糧生産に力を入れよう。
安価で高品質な食品を輸出して、他の国の農民を根絶やしにしてやる。連中の胃袋を掴んで命乞いさせてやる。
そのうちパン一切れを銀貨一枚で売りつけてやる。

キール
これが本当の戦いか。


さて、西の野蛮人の国に戦争でも吹っかけてやるか。

私兵達
えっ?

戦いたくなかったのでは?


需要と供給のバランスをさらに崩してやるんだ。
金属がないのに、それが必要な状況が起きたとしたら?
そうだよな?金と土地が手に入って、胃袋を握る一歩となるだろう。

それから僕たちは戦争の準備を進めていった。


キール後から僕の部屋に来い。

キール


その後僕たちは2人で話をした。

キール
で、なんだい?


実際に戦争はしない。噂が広がれば、馬鹿どもが勝手に価値を高めてくれるだろう。真実の価値からかけ離れた価値がこの金属について、値段が釣り上がれば釣り上がるほど、ますます人々は狂気に染められていく。
噂が広まった頃合いで、一気に売るぞ。
これから上がるだろうと予測されるポイントで売るんだ。

キール
なるほど。敵を騙すにはまず味方からってか?


そうだ15万の領民達があちこちでおしゃべりしてくれるだろうよ。そうすれば、金属の値段は勝手に上がる。

それから1週間が過ぎた頃、大規模な戦争が起こる噂はあちこちで耳にするようになった。


くそっ!金属や魔石がない!

僕はわざとらしく商会でそう愚痴をこぼし、破格の値段で大量の魔石と金属の受注を出した。
もちろん、誰も持ってこれなかった。僕が持ってるので当たり前だ。そうすることで、噂はやがて真実として語られるようになり、領地に目敏い商人や情報屋が集まってきた。

・・・ホー!ホー!

買占めから1月後の夜


いよいよ明日の朝、計画実行の日だな。予定どうり複数の場所で同時に売りさばいて来い。
金さえ手に入ればこちらのものだ。

それから、私兵1000人を動員して、事前にあらゆる地域に潜伏させておいて一気に売り抜けさせることにしたのだった。

・・・チュンチュン!


・・・ふガァァ!いよいよだな。

コンコン!


入れ。

執事
失礼します。
私兵達が戻ってきているようです。


そうか。すぐにいく。

昼頃まで、私兵達がまばらに屋敷に戻ってきた。
ここまでは計画通りだ。


・・・さて、諸君!
金属と魔石は売れたか?

私兵達
スゲェ売れたよ!

こんなに高くなるとは・・・

ガヤガヤ!!!


それは何よりだ!
では、金貨を数えてこの樽に入れて行ってくれ。

金貨の総数は、400万枚に達していた。
実に買値の3倍近くだ。


よかったよかった!

私兵達
おおーーー!!!


お前たち何を喜んでいる?

私兵達
???


では聞くが、この差額の約270万枚の金貨は誰が負担したんだ?つまり、この金を使って生活が苦しい連中に甘く囁き金を貸そう。はい、奴隷の出来上がり!

私兵達
!!!!!!!

それから、生活に困窮する人々に金を貸し出すという名目で、各地に支店を出して金を貸し付けて行った。
もちろん、保有資産を計算してそいつが破産しても取り立てが可能な奴にだけ金を貸して行った。


金のなる木いっちょ上がり!

キール
あんたは恐ろしいわ。怯えたかと思うと、相手が怯えることになっていたとは。


何を言っている?連中の恐怖は始まったばかりだぞ?
これで急場をしのいだ連中は金を借りることに対して、甘い認識を抱くだろう。そして、ますます金を借りるようになる。借金の便利さを知った奴は、そこから抜け出せなくなる。そして、借りた金で家を買い、物を買い、いつしか金を返すためだけに働くようになる。つまり銀行の持ち主である僕の為に。

ちなみに利息は月に2%を取っている。
年間24%のぼったくり価格だが、分割して一回あたりの支払いが少なく、連中は総支払額で考えない為効率的に搾り取ることができるシステムだ。

キール
国に金を貸したらどうなる?


そりゃーそこの国は僕のもんだよ。
あとは返せなくなったところを取り上げるだけだ。

それから、ぼちぼち返済できなくなる連中が現れ始めた。あらかじめ、3割ほど安く見積もっておいた資産を取り上げ、通常価格で売却することを繰り返して行った。

なお、銀行の収益は毎月金貨20万枚分の利息と金貨1万枚程度の抵当を手に入れて行った。


現在のステータス

名前 ミロ
年齢  14歳
性別 男
種族 人間
レベル59
HP 1950
MP 1430
体力 1530
知力460
精神力460
回復魔法 ヒール中 アンチカーズ中 増幅 中
空間魔法 収納 中
キュエルの祝福 中

装備品 殺戮の剣、破滅の盾、自殺の鎧、黒の秘宝、死の兜、反逆の靴
所持金 金貨536万枚
負債    金貨0万枚

資産 賃貸住宅 250人収容 1棟
        賃貸6件
        ロール地方   収益金貨41万枚/月 住人156000人
        私兵 1500人
        大規模農地 
        魔物牧場
        貸店舗50件
       公衆浴場20件
       ロール学園 1校
       ロール銀行
       カジノ
       クジ
       治療所
       風俗
       銀行
       大規模収容施設
       大規模集合住宅地
       
        奴隷  約200人

ペット ダークドラゴンのミケ

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