奴隷商人

ミロ

価値ある借金

先日の借入金貨150万に対する利息は年6%である。
報告によると、一月あたりの収益が、領民一人当たり金貨2枚を領地で使い、純利益は金貨1.3枚だそうだ。
したがって、一月あたりの収益は金貨13万枚だ。
今回初めての返済を銀行に持っていくことにした。


この間の借入を返済しにきました。

受付
少々お待ちください。

奥や周囲から、今度は何をしたんだ?いや、殺しに決まってるといった声が聞こえてきた。
まったく、なんて言いがかりだ!
近頃は世間様の目を気にして、悪人を捕まえても殺すことだけはしていないのに。

受付
たしかに、お受け取りいたしました。


ありがとうございました。

今回は、10万枚の金貨を返済して、3万枚の収益を手にした。金を生んでくれる素晴らしい借金だ。
ちなみに利息は金貨150万枚に対して6%かかり、その12分の1を支払った。利息だけで金貨7500枚である。

残りの負債は金貨142万5000枚である。

こうして僕は自分のお金を使わずに、人の労力と金を使って毎月金貨3万枚の収益を得たのだ。返済終了後には受け取る金額はさらに増えるだろう。
借金は必ずしも悪いものではない。お金を生んでくれる借金であれば、それはむしろ資産的意味合いを持つが、欲しいものを買ってお金を生まないのなら、それはただの負債である。しかしながら、銀行は金は貸すが、儲かるかどうかに責任は持たないし、アドバイスもしない。なんなら住宅を安く評価して差し押さえることさえして来る。銀行とは上手に付き合うことが大事だ。
そのためには何より、お金の教育が大きな意味を持って来る。

僕は、一旦領地に戻ることにした。

領民たち
・・・・ボソボソ、ヒソヒソ

なんて連中だろう!恩知らずにもほどがある。
まったく、嘆かわしい。

しかし、その数日後別の領地で残虐な事件が多発した事により、領民達は守られていることを自覚し始めたようだ。もし、以前と変わらぬ治安維持であれば、襲われていたのは自分達の領地かもしれないからだ。

今のところ、僕の領地は意外と安全だと思われているようだ。魔物牧場も上手くいっているし、その他の収益物件も好調だ。別の領地から視察に来る連中がいるが、運が良かっただけ、そんなリスクは犯せないなどの戯言、寝言を吐いていき、結局連中はないも変わらなかった。
借金をしたり、事業を興したりするとき何が大事なのか?それは、計画である。計画やビジネスモデルそのものがマズければ、どんな天才が運営しても利益を出すのは難しい。まるで悪質なレシピを元に悪あがきをするようなものだ。勝負は始める前に決まっていると言えるだろう。

僕は領民達や観光客の安心、安全のために衛兵達をマナー教室に参加させ、空いた時間に領民の仕事を手伝わせた。その甲斐あって、少しずつ領民の意識は変化しつつある。

事件が起きたのは、そんな矢先だった。

衛兵
大変です!山賊が領民を人質に取りました!


そいつは本当に山賊か?

衛兵



どう考えてもおかしいだろう。
なぜ、わざわざうちの領地を襲う?

衛兵
金を要求しています。


お前なら、そんな確率の低い賭けをするか?
おそらく、僕の成功を僻むよその領地の嫌がらせだよ。
それよりも、そいつだけに集中するな。
敵の目的は、他にあるかもしれん。
領地全体を見回れ。

衛兵
はっ!


さて、様子を見に行くとするか。

あたりは相当騒がしいものとなっていた。
あちこちで火災が起き、悲鳴や叫び声が聞こえていた。
その後、騒ぎは鎮圧され、犯人達は捕まり1箇所に集められた。


自殺しないように見張ってろ。
秘書を呼んで来る。

ソニア
お呼びですか?


闇魔法で口を割らせろ。
数人殺しても構わん。

ソニア
はぁ。


やるんだ。
でないと、またこいつらが来るぞ!

ソニア
わかりましたよ!

それから恐ろしい幻覚を見せられたり、精神を破壊して情報を聞き出したが、何も分からなかった。


つまり、相手は使い捨て覚悟でゴミを送り込んできてるわけだ。
領民達を1箇所に集めろ。

私兵
はっ!


お前は、大量の紙と筆を持ってきてくれるか?

ソニア
何をするのですか?


全ての住民の身分証明書を作成する。
従業員総出で、住んでる場所と名前、年齢、職業などを確認し、記録する。後日それを元に証明書を作成する。

身分証明書がないものは買い物も移動もできないようにした。観光客などは関所で荷物検査を実施し、通すこととした。物騒な世の中になったもんだ。

こうした問題が出た以上、新たな人材が必要になる。
それこそ悪人を見抜く奴や便利な道具を見つけて来る奴。規模が大きくなるごとに僅かな影響でも損失が大きくなる為、早期発見と確実かつ迅速な対処が必要となってくる。


そういえば、こないだ来た商人が新しい人材が入ったと言ってたな?

ソニア
あの怪しい男は誰ですか?


奴隷商人だよ。

ソニア
!!!!


大事なのはその後どうするかだ。
もっとも、僕以外に買われた奴がどうなるかは分かるな?少なくとも、ここでは飯が食えて、病気になれば治してもらえ、清潔な場所で眠り、僅かながら金も貰える。

ソニア
そうですけど・・・


じゃあ、お前なら放っておくのか?

ソニア
うーーーん


結果が全てだ。人材を探して来る。

そして、僕はミケに乗って南の地方に旅立ったのだ。


現在のステータス

名前 ミロ
年齢  13歳
性別 男
種族 人間
レベル58
HP 1900
MP 1400.
体力 1500
知力450
精神力450
回復魔法 ヒール中 アンチカーズ中 増幅 中
空間魔法 収納 中
キュエルの祝福 中

装備品 殺戮の剣、破滅の盾、自殺の鎧、黒の秘宝、死の兜、反逆の靴
所持金 金貨9万2000枚
負債    金貨142万5000枚

資産 賃貸住宅 250人収容 1棟
        賃貸6件件
        ロール地方 

        大規模農地 
        魔物牧場
        貸店舗50件
       公衆浴場20件
       ロール学園 1校
       
        奴隷  50人

ペット ダークドラゴンのミケ

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