奴隷商人

ミロ

優雅な日常

さて、最近は物騒な世の中だ。
殺しに盗み、人攫いに戦争。
全く恐ろし!僕のような無力な善人が生きていくにはあまりにも厳しい!主よ 、どうが憐れな子羊をお護り下さい。私の敵に災いあれ!アーメン


さて、暇つぶしに料理でもするか。
この鳥の肉に黒胡椒を振って、じっくり炭火で焼こう。
それから、使用人達に作らせておいた酒の出来を聞くとするかな。

使用人
失礼します。麦から作った酒が出来ました。


ほう!持ってこい。
ゴクゴク!
ん!!ホホーー!!!!
よくやった作った奴を連れてこい。

使用人
はっ!

酒職人
お呼びですか?


今回の働き見事であった。褒美に金貨1000枚をとらす。
今後の働きに期待する。
また、臨時に全使用人に金貨5枚を出すこととする。
早速、各地の貴族のこれを届けよ。
冷やして飲むように伝えるんだぞ!

使用人
はっ!

そして、麦酒は大いに売れた。1瓶あたり金貨1枚で売った。馬鹿みたいに売れた。


おい、うちで飼ってる家畜の内臓を洗ったものと、ひき肉と香辛料を持ってこい。

使用人
?はい。

僕はひき肉に味をつけて家畜の腸に詰め込んで焼いて食べてみた。


ふむ、才能のある味だな。
基礎は作ったので、あとは改良させよう。


おい、新鮮な魚を持ってこい。
そして、死んでも良い奴をこの金で買ってこい。

使用人達
分かりました。


ふんふんふん♪

僕は魚を生のまま切り身にして、奴隷に食わせた。

奴隷
うえっ!


味をつけてみよう。
この臭み取りと、このタレをつけてみるか。
お前食ってみろ。

奴隷
ブルブル!!!
パクっ・・・バクバクバク!


あとはお前達、改良しておけ。

こうして、多くのメニューを開発して自分の領地で売った。働いて税金を取られるのはゴメンなので、他所では売らない。国には多くの税金を納めているので、それだけの発言権と権力がある。いわば必要経費だ。


さて、たまにはくつろぐかな。

僕は数人のメイドを連れて風呂にきた。
全身を洗ってもらい、マッサージをしてもらった。
美味い飯を食って、ゴロゴロした。
その後、ミケに乗って隣の国までいき、奴隷ショッピングをして帰ってきた。


ふー!食った食った、遊んだ遊んだ!
さて、酒を持ってきてくれ。
ついでにツマミも!

使用人
はい。


おっ!この家畜の乳を固めて作ったものは美味いな。
おい、これを研究するよう伝えておけ。

使用人
はっ!

そして、僕は寝た。

・・・次の日


ふぁあぁ!
よく寝た。
さて、飯でも食うか。


おい、飯!

メイド
かしこまりました。


バクバクバク!おかわり!

メイド
ただいまお持ちします。


ゴクゴク!ガツガウガツ!
バリバリムシャムシャ!


プハー!食った食った!
小麦を練って焼いて、家畜の乳の油分で焼いて蜜をかけたものは美味いなー。

アリス
でしたら、そうした店でも出されたらどうです?


ん?申してみよ。

アリス
飲み物と、甘いものを出す休憩所のような店などどうでしょうか?


ふむ、語らいの場としても使えそうだな。
面白い、金貨1万枚渡すのでやってみるがよい。

アリス
はーい。

それは後に大繁盛することとなった。
その功績を持って、アリスは僕の秘書となった。


何か面白いことないかなー。
そうだ!悪者退治をやろう!
おい!

アリス
お呼びでしょうか?


戦える者を集めて来てくれ。

アリス
はい。

しばらくして自慢のビジネスマン達が集まった。


諸君!僕は退屈している。
そこでだ!狩をしたいと思う。

戦士&殺し屋達
一体今度は何をするおつもりだろうか?

戦士A
殺しかもしれん。

戦士B
いや、案外人攫いかも・・・

殺し屋
主よ、王を殺しますか?


落ち着け、とりあえず悪人を殺そうと思う。

戦士達
なんと!気は確かですか!

殺し屋
母ちゃん!オラ死にたくねぇ!

使用人達
ヒィーーー殺されるー!


何を怯える?殺すのは町の外の野蛮人達だ。
連中を殺しても非難どころか賞賛されるだけだしな!
わーはっはっはっ!
・・・よし、悪人をしらみつぶしに探せ!
金と女を奪って拷問して処刑するぞ!

暗殺者
イヒヒーーー!

戦士達
ゲヘヘヘ!楽しくなって来たぜ!


アリス、酒と食い物を馬車に積んでおいてくれ。
それから包丁と鎖も頼む。

アリス
あら、料理でもされるのですか?


そうだ。

そして、僕たちは町の外に出た。
暫く進んでいると、怪しい集団に出くわした。
なんとも目つきの悪い連中だ。


なんだあの連中は!無礼な態度だ!
お前達、連中を囲め。

戦士達
はっ!

暗殺者
ヒーッヒッヒッヒッ!俺たちからは逃げらんねぇぞ!
犯して肉を食ってやる!


やれ!

オオオーー!

目つきの悪い連中
なんだ!何が起こった!
あいつらは何者だ!


とにかく逃げようよ!


止まれぇ!死にたくなければ止まるんだ!

連中は逃げ続けている。


おい、足に矢を放て。

戦士達
はっ!

連中は動けなくなり、馬車を引いていた馬は死んだ。


お前達知ってるか?馬の肉は生で食うと美味いんだぞ?

暗殺者
本当ですか?

戦士
ご主人は食い物に詳しいからか本当なんだろうぜ!
解体しといて後で食おう!


馬は手足を切り落として半殺しにしておけ、街に帰ってから酒を飲みながら、みんなで食うぞ!


さて、お前達、先ほどはなんの真似だ?
ん?

連中
ブルブル!この人殺し!


キャーーー!


連中の荷を調べろ!

暗殺者
ご主人様、馬車からエルフが出て来ました。


なんだそれは金になるものか?

暗殺者
こちらです。かなりの金になります。


んー?ほう!希少な種族なのか?

暗殺者
はい。滅多に人の前に姿を現しません。


よし、こいつは僕の秘書にしよう。
金持ち達に見せびらかすとしよう。


さて、お前達こればどういうことだ!

連中
俺たちはこいつを保護したんだ!


そうかそうか!
そいつはご苦労。
おい、拷問官を呼んでこい。

戦士
はっ!

拷問官
お呼びでしょうか?


連中の口を割らせろ。
チャンスは一度だけで、ダメなら目と玉を潰せ。

拷問官
かしこまりました。

それから連中はすぐに口を割った。
なんでも弱ったエルフを偶然見つけて捕まえたらしい。


なんという大罪だ!
諸君、これをどう思う?

暗殺者
拷問して死刑でしょうな。

戦士
犯して殺す!

拷問官
少しずつ肉を切りましょう。

連中
助けてクレェー!お願いダァ!


ダメだ!
死ねぇ!
女はお前達にくれてやる。
好きにしろ。

そして、僕たちの暇つぶしは続いた。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品