つまりは、壊れかけた僕の思うこと

ただのねこ

p1

飛ぼうと思った。
覚悟は出来ていた。
友達に残す手紙だって書いた。
なのに。
なんでか。
なかなか、飛べなかった。
高かったから、怖かったのかもしれない。
恐らくは、そんな気がする。
それでも。
自分が嘘つきで、最低なやつだって。
そんなやつ、いらないって。
そう思うと、楽だった。
うずくまっていた、体を起こして。
立ち上がる。
飛ぶ方向は向かないで。
飛ぶ方に対して、横向きに立つ。
目を閉じる。

静かだ。
なんの音もしない。
体を横にかたむけて。
そのまま倒れて。
落ちた。
浮遊感。
何も感じない。
何も見えない。
聞こえない。
心地よかった。
けど、それはすぐに終わった。
体に何かが触れる。
目を開けた。
地面。
その上に足を投げ出し、座ってる。
生きてる。
がっかりしたような。
ほっとしたような。
けど、そのすぐあとだった。
背中に激痛が、走った。
恐らくは折れたんだろう。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
こんなのいやだ。
早く死なせてくれ。
その一心で、死にたいと、連呼する。
始めて口に出した。
僕の願い。
でもどこかで、生きたいと思っていた。

救命救急が来て、僕は運ばれた。
ああ。
何をしているんだろう。
死のうとしたのに、こうして生きながらえている。
世界は僕を、殺してはくれなかった。
唯一の、願いを聞きいれてはくれなかった。


死に損ないが。

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