超絶美少女の彼氏(凡人)は尽くされているが気苦労が絶えない

卿猫

夏休みのプール

 時刻は12時半、待ち合わせの1時までまだ30分もある。
 俺は付き合い始めたカップル定番の「ごめん、待った?」「いや、待ってないさ(キメ顔)」をやりたくて結構早く家を出た。
 だが…

「ごめん、白雪さん、待った?」

「いえいえ、私が早く来てただけなので…」

 と、こんな感じに白雪さんが既に待ち合わせ場所にいたのだ。
 なかなかに悔しい。

「じゃ、行こっか」

「はい!」

 そうしてお互いに手を引きながらプールへと向かった。

 ♢

「お待たせしました!」

 そう言って更衣室から出てくる白雪さんはこの前買った水着を着ている。
 やっぱりあの時の俺を褒めてあげたい。

「似合ってるよ」

 「えへへ…」

 照れる白雪さんもかわいいなぁ。
 格好が格好なだけあってなかなかにそそるものもある。

「まずどこのプールから行く?」

「私、流れるプールがいいです!」

 流れるプールか…
 あそこは1番人気で人が多いがまあ、白雪さんが行きたいならそこに行くしかないんだけどね!

「よっしゃ行くぞー!」

 そう言ってプールに飛び込もうとするが監視員の目と人がたくさんいたのでおとなしくゆっくりと入る。

「やっぱり、りゅーたくんは面白いね」

 ばっちし白雪さんに見られていたらしい。
 はっずかしっ。

「おーい、りゅうた………グフゥ」
「おいどうした、ってあれは………グフゥ」
「白雪さんと隆太だと………グフゥ」

 どうやら近くで血反吐を吐いている男たちがいる。
 ん?あれは確かクラスメイトの男子だったはず…
 ま、いっか。

 ♢

「今日は誘ってくれてありがとうございます!」

「俺も白雪さんと遊べて楽しかったよ」

 時刻はもう夕暮れ、俺たちはもうプールの帰り道の分かれ道まで来てしまっていた。
 本当に今日は最高だった。
 まあ、血反吐を吐いていたクラスメイトは謎だったが…

「また、誘ってくれますか?」

 やっぱり上目遣いな質問もかわいい。

「もちろん!」

 嬉しい質問に少し食い気味に答えてしまった。まあ、引かれてなさそうなので良かったが…

「ありがとう!やっぱり大好きです、りゅーたくん!」

  グフゥ………

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コメント

  • 榎倖生

    女神だ......

    1
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