華のJK1なんだが受験に失敗したので高校に行くのが極めて憂鬱である

霧雨 蘭

毎日

おはようございます。

全員で声を揃えて挨拶。生まれて七年目から今日までの学校で繰り返されてきたこの行為は何も変わらない日々の学校生活とその始まりを象徴しているようで気が滅入る。

徒然なるなんて言うが、もっとも何も変わらないのは己の及び腰な生活のせいだ。やるべきことなどというものは自ら掴むものだ。周りの環境だって勝手に変わったり変わっていなかったりするようであって、実際は自分が新しい環境に向かって動くか動かないかということでしかない。

そういうことにもう私は気付いてげんなりとしているのかはたまた気づかずにあーだこーだと文句をたれているのかはわからない。

だが少なくとも私は新しい環境を求めて動こうともがいていた。毎日同じ道を通って同じ建物で国数英理社。こんな監獄の中ような、徒然な生活をまた3年間続けるという恐怖に怯えて自ら勉强に明け暮れた。が、結果は出なかった。結局みんなと足並み揃えて”朝のあいさつ”をこなすのだ。 

義務教育で続けてきた似たり寄ったりな勉强から決別するために死に物狂いで勉强をしたのであってその勉强を好きでやったんじゃない。だから私はこの高校に行くのが極めて憂鬱だ。

小松「昨日の帰りに言ったとおり今日は実力テストだ。いろいろな事情で、早いが明日には返却する。まぁ頑張ってくれ。」


聞いていない。なんだそら。

喜雨「ご、ごめんね。伝え忘れちゃった。」

喜雨さんが振り向いて小声でそう言った。

聞いていないのは私のせいであってテストのことを知っていたからどうこう、つまりは対策をしたかとかというとそうでもないので喜雨さんを恨む道理などない。悪いのは私だという意を込めて顔の前でぶんぶんと手を振る。

小松「なるべく早く終わらせてもらって採点をしたいので早速だがテストを配る。三教科全て配るぞ。開始から3時間以内で時間配分は各自自由だから注意してくれ。終わった者から私に提出して静かに帰るように。いうまでもないが不正行為はしないように。」

はぁ、なんとも特殊な形式だ。早く終われば早く帰れる、ということか。なるほど、それなら頑張らないこともない。時は金なりとすれば現金なやつだ私は。

はじめの合図でまずは、、、数学の問題用紙でも開いてみる。

なんだ、中学の範囲か。そう身構える必要もなかったようだ。

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