部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

慣れている

途中樋口さんのふざけやそれがきっかけに凛子さんが暴走したりと止まる事はあったけどなんとか夕方までには荷解きは無事に終わった。
……で、そんな僕らは何をしているのかというと

「「乾杯〜!!」」

僕らはそれぞれグラスを持って乾杯をして、僕らの引越しの打ち上げをしていた。
未成年の凛子さんの事も考えて中身は全てソフトドリンクにしてある。
……まぁ酔っ払うと面倒な七海なんかがいるから僕個人とてもとても助かる。

「いや〜終わりましたね〜私のおかげですね!!」

「私達が頑張ったおかげで先輩は平塚とイチャイチャできるんですよよ〜感謝してくださいね〜」

と七海と与謝野さんが言ってきた。

「……というか君ら2人とも殆ど何もしてないよね?」

正確には僕が何もさせなかったに近いが。

「「……ぎくっ」」

「まぁ君らの差し入れは助かったね。
ーー差し入れだけは」

「「差し入れ強調しないでくださいよ!?」」

まぁなんせ1人でいても賑やかな彼女らが2人いるのだから騒がしくならないはずがない。

「でもな桜……差し入れが来る度に問題を起こすのはどうかと俺は思うけどな?」

与謝野さんが何かをする度に織田が止めていた。
ーー途中から力づくだった。

「だ、だって吉晴、騒がないと私のキャラ無くなるよ!?
誰が静かな私を見たいのさ!!」

「俺が見たい」

さりげなく織田の惚気が入った。

「……あぅ」

唐突な彼氏の惚気に顔を赤くする与謝野さん。
……やっぱりいつも惚気を言わない織田なんかが言うとギャップ萌えみたいなものが発生するのであろう。

「お〜与謝野が照れている〜珍しい」

「ち、ちょっと樋口先輩からかわないでくださいって」

与謝野さんは見た目が結構お嬢様の雰囲気を醸し出しているので黙っていれば普通に美人なのである。
……まぁ彼女の場合、性格と行動で全て無にしている。

「あらあら〜こっちは甘々ですね〜ちなみに静かな私をセンパイは見たいですか?」

多分七海は僕が織田の様な発言を言うことを期待しているのだろうけど七海を見て僕が思ったのは織田とは全く逆の感情であった。

「七海が静か?
ーー病気でしょ? 病院行こうか」

「この差は何ですかーー!?」

七海が叫んでいた。

「いやね……君が静かな時って体調しかないからさ」

「何ですか!? 私だって静かな時ぐらいありますよ!!」

「寝ている時か」

「違ーーう!! 」

「ご飯没収された時?」

「ふしゃぁーー!!」

「あっ、七海が猫になった」

「ふしゃ、ふしゃ、ふしゃーー!!」

たまに七海の機嫌が悪くなると彼女は猫化する。
こういう時の対処法としては……

「七海」

①まず呼ぶ

「……ふん」

まぁ大体機嫌が悪いので無視をする。
そこで次の行動に移る。

「あっ、ここにシュークリームが」

②好物(特に甘いもの)を出す。

「にゃぁ〜〜!!」

「おっとと……」

③七海猫が飛びついてくるので全力で構える。
この際の最重要ポイントはしっかりと腰に力を入れて構えておかないと七海の突進によってこっちまで転んでしまう。

「やった〜シュークリームだぁ〜!!」

「はいはい良い子〜」

④突進してきた七海の頭を撫でれば終わり。
これで大体機嫌が治る。

「もぐもぐもぐもぐ……」

「……国木田先輩、これらの一連の流れ慣れてますね」

「えぇ……なんかまるで七海が毎日しているのかと様に
慣れた手つきで……」

「まぁ日頃こんな感じだからね」

「「日頃なんですか……」」

後輩達、一同驚愕した表情で七海を見る。

「えへへ〜センパイ〜」

そんな自分が見られているなんて全く気にせずシュークリームを僕の隣で食べる七海。

「まぁ慣れたから」

そしてそんな七海を見て、つられて笑顔になる僕。

「「……先輩が平塚にだだ甘なのでは?」」

「僕はこれでも厳しいつもりだよ?」

「「いやいや充分甘いって先輩」」

「おかしいな……」

「はっはっはっ!! 全く私の同期は本当に面白いな〜!!
本当見てて飽きないね!!」

樋口さんは余程僕らの行動がツボにはまったのか彼女にしては珍しく大笑いしている。

「にしても先輩、いつそんなシュークリーム買ったんですか? 俺らさっきまで一緒に作業してましたよね?」

「ちなみにあのシュークリームは僕の手作りね。
ーー市販のじゃ七海釣れないから」

「「本当にこの先輩半端ないって!!」」

コメント

  • しおまねき。

    The☆ラブコメって感じで面白かったですd(˙꒳​˙* )

    5
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