部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

いつもの私とは違いますぞ!!

約2週間ぶりの更新となります!!
お待たせしてしまい申し訳ありません!!




1月3日は僕と七海、僕の両親で福袋を買いに行き美味しい
食事を食べて過ごした。
なお、この間の両親はホテルに泊まっているという事らしい。
そして1月4日この日は森達と一緒に初詣に行く予定だった。
親父からは
「ほれ、先輩なんだからお金は大目に持っていけ」
と言われてある程度の軍資金をもらい七海と一緒に家を出た。

「寒い……」
と寒そうに身体をぶるっと震わせそう言う七海。
「そうだね中々寒いね……」
と言う僕もそれなりに寒いのだが、なんか彼女がいる前では
カッコつけたいという願望があり、若干我慢していた。
流石1月といった寒さであり、若干森達と初詣の約束を
した事を後悔していた。
「ところでセンパイ〜?」
隣にいる七海がそう言いながら僕の方を向いた。
「ん? 何かな?」
「今の私を見て、何か言う事ありませんか?」
「今の七海を見て?」
「うんうん、今の私を見て何か言う事ありませんかね〜?」
「あっ」
「おっ、分かりましたね〜まったくセンパーー」
「ーーなんか暖かい食べ物食べたいの?
ほら、そこにコンビニあるし」
さっきから寒そうにしているから七海は暖かい食べ物を僕に
所望しているのだろう。
「そうそう、あのコンビニの肉まん食べたいな〜〜
ーーって違うよ!!」
何故かキレられた。
「七海にしては珍しいノリツッコミだね。
……うん、あれ? 違うの?」
ちょっと反応に遅れたがどうやら七海が求めていた反応とは
違ったみたいだ。
「違いますよ!! いつもそうかもしれませんけど!!」
「うん、いつもそうだね」
僕らは大体一緒に帰る度に帰り道のコンビニで肉まんを買い
食べながら帰っている。
「……返す言葉が無いです。
で、ですが今日の私は違いますぞ!!
さぁ気づきたまえセンパイ」
といつもの胸を張って何かに気づいて欲しいアピールをする
我が彼女。
「う〜んなんだろう……?」
七海に言われてもいつもと同じ感じがするんだけど……
「あっ、もしかしてふとーー」
「その話はNGーー!!」
「ってことは太ったんだ」
「言わないでよ〜〜!? 今折角私が血と汗を流して
話を変えようとしたのに何で言っちゃうの!?」
「だって七海って自分に都合の悪い話が来る度に同じ様な
反応を示すからさ」
「お〜流石私のセンパイ。私の事を良く分かっている……
ーーってそこじゃない〜!! 気づけって!!
気づいてくださいお願いしますから!!」
「そこまで必死になるかな……」
「……私はそれ以上にセンパイが鈍感過ぎて泣きそうです。
では大ヒントです!! 私が今着ているのは!!」
「着ている……?」
と言われて七海の服を見てみると……
「あっ、そう言えばいつもとコート違うね」
そうだ。
今七海は白いロングコートを着ていた。
このコートは昨日、僕の母親と一緒に買っていた。
要するに
“新しいコートを着ているんだよ?
何か言う事ありませんか”
というよくアニメとかである定番な事だろう。
「今更気づきますか!?」
「ごめん、なんかついね」
「そんなに鈍感だと女性にモテませんよ〜
まぁでも〜? センパイには私がいますし〜?
他の女性なんて必要ないって言うか〜?」
「僕には七海に好かれたらそれでいい」
と僕が言うと七海は一瞬きょとんとした表情を浮かべたが
一気に顔が赤くなり
「な、なんでそう言うのをはっきり言うかなセンパイは!?
恥ずかしくなるじゃないですか!!」
「だって事実だし」
「だ、だから何で言っちゃうかな!!
新年から私をキュン死させるつもりですか!?
あっでも、センパイの腕の中で死ねるなら本望……」
「いやいや死なないでよ……」
「好きな人の腕の中で死ねる……
あぁなんてロマンチック……一度はやってみたい……」
「僕は七海に死なれたら悲しいな」
「き、今日のセンパイは無意識で私を殺しにきてますか!?
無意識怖いよ!!」
「僕は普通のつもりなんだけどね」
「うわぁ……本当に無意識だ、この人」



と僕らがしばらく歩いていると……
「で、どうですか?」
「どうですかって?」
「この新しいコートを見ての感想は」
「あぁ〜言うのすっかり忘れていたよ」
「さぁこんな可愛い彼女に何も言わないなんてセンパイも
随分罪な男ですね〜さぁさぁ言ってください〜」
「可愛くないかな……」
「えっ……そ、そんな……」
と七海が一気に悲しそうな顔をしたのを見て自分の言葉が
足りなかった事に気づいた。
「あっ、いや可愛くないってそう言う意味じゃなくてね」
「……じゃあなんですか?」
若干泣きそうな七海。
「今の七海は可愛いじゃなくて……」
「痩せろですか? 家事を覚えろですか? 束縛するのを
やめろですか? 泣きますよ? 大声で泣きますよ?」
「……なんか随分いつも僕が言いそうな文句だね。
ううん、どれも違うよ」
「じゃあなんですか?」
「ーー綺麗かな」
「えっ……」
「なんかいつもの七海は元気で可愛いなんだけどさ、
今の七海はその白いコートが七海を大人っぽく見せてさ
とても綺麗かな」
七海はいつもは動きやすい服装をしているが、今日の七海は
白いロングコートを着ているためかいつもより大人びて
元々美人であるのも相まって綺麗に見えた。
「……」
「って感じでさ、今日の七海は可愛いよりも綺麗ーー
ーーって七海?」
とふと隣にいるはずの七海を見るとそこにはいないで
彼女は走って前にいた。
「な、七海!? ちょっとどこにいくのさ!?」
「来ないでください〜〜!!」
「えっ!?」
「今恥ずかしくて死にそうですから!!」
「いやいや待ってって!!」
と言いながらも追いかけないとらちがあかないので僕も
走り始めた。
「今日のセンパイはなんなんですか!?
本当に私を殺しにかかっていますよね〜〜!?」
「僕は通常のつもりなんだけどなぁ……」
「この天然ジゴロお人好し〜〜!!」

と僕らの追いかけっこは僕らが最寄りの駅に着くまで
続くのであった。
まぁ駅に着く頃には2人とも身体があったまって寒いどころか
暑かったのだが。






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