部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

変態は君だろうな!?







行くまでに一悶着?あった俺らは電車とバスを乗り継いで
目的地の金閣寺に到着した。
入り口で参拝料を払い、中に入った。
「おぉーー!! すげぇーー!! 金色だ!!」
「結城先輩、声が大きいですって」
「おっととそれはすまん」
「ちなみに結城先輩は金閣寺見たこと
無いんですか? 何か反応を見ているとそんな気が……」
「あぁ無いぞ。修学旅行の時も金閣寺寄れなかった」
今でも忘れない。
修学旅行の工程決めの際に俺は金閣寺を希望した。
しかし班員が"金閣寺行ったことある"というメンバーが
大半だったため却下された。
なので今日が初金閣寺なのだ。
資料集では何度も見てきたが
いざ本物を見るととても綺麗だ。
「すげぇ本当に金色だ!! しかも池に映っているだと!?
ほぉーー!!」
と俺は初の金閣寺に興奮していた。
「子供ですか……」
凛子にやや呆れられているが俺は構わなかった。
「よし凛子!! もう少し近くで見ようぜ!!」
俺は勢いにまかせて、凛子の手を掴んで駆け出した。
「ち、ちょっと結城先輩!? は、走らないで〜!!」
「行くぜ〜!!」
「ち、ちょっと!? ま、待ってくださ〜い!?
うわぁ〜〜!!」
後ろの方で凛子の悲鳴が聞こえたが気のせいだろう。




「ゆ、結城先輩は私を殺す気ですか!!」
余程、さっきの手を掴んで走ったのが怖かったらしい
凛子から俺は説教を受けていた。
……若干涙目になっているのも可愛いって思うのは
ダメなんだろうか?
「……調子乗りました」
とりあえず俺は謝っていた。
「なんなんですか!? 初めての金閣寺に興奮するのは
分かりますが」
「あっ、分かるんだ」
「それは初めてって誰だって興奮しますよ。
私も結城先輩に初めてをあげる妄想をして……
ーーって何を言わせるんですか!?」
「今の完全に自爆だよな!?」
「う、うるさいです!! 結城先輩のくせに生意気!!」
「えぇ!? まさか俺年下にナメられている!?」
わりかしショックだ。
「舐める……それは結城先輩に私の色んなところ
なめずりまわす様に見てもらっても構わないというか
そう見てもらった方が興奮するからやってほしい……
ーーって私は何を言っているんだ!? うわぁ〜!!」
「ち、ちょっと凛子!? 落ち着いてって
そしてそっちの"舐める"じゃないからな!!」
というかなめずりまわす様に見るって俺は変態か!!
もしかして凛子の中での俺ってそんなイメージ!?
「ゆ、結城先輩の言いなりになって
あんな事やこんな事を命令されて……
やがて言えない様な恥ずかしい事も命令されて
私はそれが次第に快感になって……
ーーせ、先輩の変態!!」
顔が真っ赤になった凛子に何故か怒られた。
「変態は君だろうな!?」
最近凛子って意外とムッツリなのではと思うようになった。
よくこんな妄想を膨らませて1人で暴走して
何故か最後には俺にその跳ね返りが来る。
(まぁ確かに凛子は可愛いし……胸大きいし……
いつかはそんな事をしてはみたいが……)
凛子は与謝野や平塚に比べて身長が低い割には
胸が平塚達よりも大きい。
たまに暴走して俺に寄っ掛かって来るときには
その大きい膨らみが当たる。
(うん、あの兵器はヤバイ。だって一瞬で俺の理性を
吹き飛ばしかけるのだからな!!)
しかも凛子は胸だけじゃなくて身体全体が柔らかい。
触るとフニフニという感触で気持ちいい。
(ってこんな事考えている時点で俺も変態か……)
俺もあまり凛子の事言えないなと思い凛子を見てみると
「いつかは先輩とあんな事やこんな事を……
あっ、でもご、強引な先輩もいい……
えへ、えへへ……」
「……」
俺は国木田先輩より変態だろうけど
目の前の彼女ほど変態では無いと思う。
なんて改めて実感した今日この頃であった。

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