部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

張り合うなよ・・・











それはとある日……
僕と七海がデートをしている日。
今日のデートの場所はショッピングモールだ。
流石に休日という事もあり、人が多い。
「七海、はぐれないでね?」
「大丈夫ですよ〜私はもう子供じゃないんですから〜」
「……前、はぐれて僕が必死に探したのは
誰だっけな〜七海?」
前に七海とデートした時に七海が気がついたら
はぐれていて探すのに一苦労だった。
「がおがお」
「誤魔化すな!!」
「じゃあ、はい」
と言うと七海は手を出してきた。
「はいはい、分かりました」
僕はその手を握った。
「これならはぐれないでしょ?」
ドヤ顔を決めてくる七海。
「……心配だ」
「ちょっとセンパイ!? それどういう意味ですか!?」
そんな感じでしばらく僕らが歩いていると……
「うぇぇ〜ん」
「「ん?」」
僕らがその声がした方を見るとそこには大体年長ぐらい
だろうか、それぐらいの年頃の女の子がいた。
「迷子ですかね?」
「多分、そうだろうね」
近くを見ても、女の子の親御さんらしき人はいない。
うん、この子迷子だ。
家族と一緒に来て、はぐれてしまったのだろう。
「ねぇねぇ、パパやママはどこにいるのかな〜?」
七海はその女の子に声をかけた。
「うぇぇ〜ん!!」
余計に泣き始める女の子。
「う〜ん、どうしましょうか?」
「そうだな……」
試しに僕も女の子に話しかけてみた。
膝をつき、女の子の目線に合わしてみてから
話しかける事にした。
「僕、国木田って言うんだ。君の名前教えて
貰えると、お兄さん嬉しいな」
と会話を振ってみた。
「おにいさん、く、くにきだ?」
「うん、僕は国木田だよ」
「み、みき」
「みきちゃん、でいいのかな?」
「(コクンコクン)」
「みきちゃんは誰と来たのかな?」
「ぱ、パパとママ……」
「センパイすごい、会話出来てる……
一体何者……私の彼氏」
「七海は少しうるさいから黙ってて
パパとママと来たんだ〜、ちなみにパパとママは
どこにいるのかな?」
「わからない……」
「そうなんだ、とりあえずパパとママが来るまで
お兄さん達と一緒にいるかい?」
この時、このように声をかけたのは女の子が寂しそう
だったのと、これ以上1人で歩かせると危険だと
思ったからだ。
「う、うん……」
目の前の女の子ーーみきちゃんは頷いた。


それから僕と七海、みきちゃんの3人で話す事にした。
しばらくするとみきちゃんも打ち解けてきたのだろうか
笑顔を見せる様になった。
「おにいさんたちすごいねー!!」
「そうかな?」
「だって私の彼氏だからね!!」
……七海よ、なぜ今それを言う必要がある?
「おにいさんとおねぇさんってふうふ〜?」
「なっ!?」
この子はいきなり何を言いだすんだ!?
「えへへ〜そう見える〜?」
顔を緩める七海。
「僕と七海は違うよ?」
「じゃあわたしとけっこんしよ?」
「ち、ちょっとみきちゃん〜?あなたは何を
言いだすのかな〜?」
顔は笑顔なのだが、かなりの作り笑顔な七海。
「七海……幼稚園生に本気で張り合わない。
そろそろ、みきちゃんのパパとママを探そうか?」
出ないと2人が喧嘩しかねないしね?

僕らはみきちゃんのパパとママを探すため歩き始めた。
のだが……
「……みきちゃん〜センパイにくっつき過ぎ
じゃないのかな〜?」
「しらない〜」
みきちゃんは僕の腕にしっかりと抱きついている。
そして反対側の七海がややキレている。
「頼むから僕を挟んで喧嘩しないで……」
「みきちゃん〜お姉さんの方に来ない〜?」
「いや」
「即答!?
……ぐぬぬ、私のベストポジションを取るなんて」
「おにいさんのほうがいい!!」
「センパイが取られた〜!!」
両隣が騒がしくなってきた。
「……あぁ面倒になってきた」
「おにいさん!!あっちいこっ!!」
と僕の腕を引っ張るみきちゃん。
「わかったよ」
「……センパイハワタシノモノ
ウワキハユルサナイ」
七海はやや闇堕ちしていた。
「あっ!!みき!!」
「ママーー!!」
と走ってお母さんの元に向かうみきちゃん。
どうやら歩いている内に偶然出会えたみたいだ。
「じゃあねーーおにいさんたちーー!!」
と僕らに元気よく手を振りながら去っていくみきちゃん。
ともあれこれで迷子の問題が解決した。
「よかった……」
「よかったですね……では」
というと七海は僕の腕に抱きついてきた。
「……今度は君かい」
「センパイの腕は私専用ですからね!!
みきちゃんが抱きついた以上に抱きつきますからね!!」
「幼稚園生と張り合うなよ……」
「むぅ〜センパイは私の彼氏なの〜!!
わ、私以外抱きつくの禁止!!」
言いながら更に強く抱きついてくる七海。
……なんか腕にやや大きな2つのふくらみの感触が
伝わってくるのは気のせいでは無いだろう。
「わかった、わかった。好きなだけ抱きついて
もらって構わないよ……」
「わ〜い!! 流石私のセンパイ〜!!」

結局この後家に帰るまで七海は僕の腕から
離れなかった。

そして寝るときも……
「えへへ〜」
幸せそうな寝顔を浮かべなら寝ている七海。
……しっかり僕の腕を掴んだまま。
「クソッ……寝れない……!!
頑張れ僕の理性!! やれば出来る子!!」
僕は結局一睡も出来なかった。

コメント

  • ペンギン

    七海は張り合いそうですねぇーw

    2
  • A・L・I・C・E

    がおがおされたい……おっと国木田先輩が来たようだ、それでは失礼。

    3
  • ミラル ムカデ

    みきちゃんもかわいいけど幼稚園児と張り合う七海もかわいい!

    3
  • ノベルバユーザー81968

    みきちゃんは俺が貰う!

    3
  • Yori

    「がおがお」は強い…

    10
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