部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

ショートストーリー集


今回は人気投票の5位から2位までの
キャラのショートストーリー集です。







ショートストーリー
〜買い物の国木田〜

「さて今日の晩御飯は……」
僕は今日の晩御飯の買い物に来ていた。
七海は料理を殆ど出来ないため
僕が日々の献立を考えている。
「今日は……肉が安いようだね。
2人で焼肉にでもしようかな」
今日のメニューは焼肉になった。
……もっぱら焼くのは僕だ。
「タレはある。ご飯は炊けばある。
肉と野菜は大量に買い込んで……
というか七海に野菜食べさせないと……」
七海は野菜が嫌いという訳ではないが
目の前に肉があると真っ先に肉に向かう。
彼女の食生活を担っている身としては
彼女に不健康な
食事をして欲しくない。
「はぁ、僕は七海の保護者か……」
あながち間違ってない気がする。
朝起こすのから寝るまで
七海の面倒を見ている。
「まっ、嫌じゃないんだけどね」
あの美味しそうに笑顔で食べる姿は
見ていて気分がいい。
七海の笑顔を見るために毎日料理を
作っているようなものだ。
「さて!! さっさと材料を
買って仕込みを始めるか」
僕は愛しの彼女の笑顔を浮かべながら
材料をカゴに入れていくのだった。

「わ〜い、焼肉だ〜!!」
「さりげなく野菜を避けたりしないの七海」
「チッ、バレたか……」
「罰で、肉没収」
「そんなーー!!」





ショートストーリー
〜樋口、目覚めの抹茶ラテ〜

「ふぁ……」
私はいつもの時間に起きた。
そして寝起きに抹茶ラテを飲む。
飲むはずだったのだが……
「な、無いだと……」
いつもの様にマグカップを取り出し
粉を入れようとしたところ
・・・粉が切れていた。
「そういえば、昨日無くなったから帰りに
買おうとしていたんだ……
忘れてた〜!!」
私は朝からピンチに陥った。
何故なら目覚めの抹茶ラテが
飲めないからだ。
「仕方ない……
今日の朝はコンビニの抹茶ラテで
誤魔化しか無いよね……」
私はそう決めると大学に
行く準備をするのであった。
そしてスマホの待ち受けに
"帰り、抹茶ラテ"
と書いておくのであった。

そして帰り道
「抹茶〜抹茶〜抹茶ラテ〜」
私は自作の変な歌を歌いながら帰り道を帰っていた。
「にしても夏目め……厄介事ばっかり持ってきて……
私の生命線が無くなったらどうするつもり〜!!」
夏目に帰り際に色々と面倒事を依頼されたが
抹茶ラテを飲みたい、ただそれだけを楽しみに
仕事を終わらせてきた。
「とりあえず今日の分で2週間はもつかな〜」
手元には沢山の抹茶ラテの粉の袋がある。
これで私の生命線がしばらく確保された。
「さて〜次は誰をからかって遊ぼうかな〜」
私は次にからかう相手を誰にするかを考えながら
家まで帰るのであった。





ショートストーリー 
〜森の言い訳〜

「やっとレポート終わったーー!!」
俺は解放感からつい叫んだ。
長時間にわたって俺を苦しめていたレポートが
ついに!! この瞬間!! 終わったのだ!!
……まぁ今まで、やらなかった自分が悪いのだが。
「徹夜でやりきった……あっ、忘れない内に
レポート送っておこう」
と俺は大学のサイト経由で担当の教員にレポートを
送信した。
「この後は国木田先輩との呑みだ!!」
前からこの日に飲むという事を約束していた。
だからさっきまで死に物狂いでレポートを書いていた。
時間を見るとまだ待ち合わせには時間がある。
「少し昼寝してから行くか……」
俺は少しの時間、昼寝をするために意識を手放した。


プルル〜
「ん……」
俺はスマホの着信音で目が覚めた。
そしてそのまま電話を取った。
「はい……?」
「いや〜、随分なご身分だな森結城君」
「あ、あれ?国木田先輩?」
俺は何かとても嫌な予感がしたため
時計を見た。
……丁度待ち合わせの時間だった。
「ヤベッ!?」
「森、お前少し時間あるから
昼寝してようと思って
そのまま寝坊してただろ?」
ワォ流石、国木田先輩
俺のこと分かっている〜。
「ハハハ〜そんな訳無いじゃ無いですか〜」
「いや森、電話からお前の家
近くの電車の音
聞こえているぞ?」
すげぇ、俺の事丸分かりだ〜。
というかこの先輩すごくね?
「……先輩は1つだけ間違っています」
「試しに聞いてやろう」
「俺は"少し時間がある"では無く
"まだ時間がある"から昼寝をしていたんです」
俺は電話ごしで威張るポーズを取った。
「3分で仕度して、さっさと来いや!!」
「すいませんでしたー!!」
俺は急いで準備を済まして
先輩との待ち合わせ場所に向かった。
……結局遅れて、めちゃくちゃ怒られた。



ショートストーリー 
〜凛子、秘密の時間〜

「よし……とりあえず今日の分の授業ノートは
まとめたわ……」
私は椅子に座りながら身体を伸ばした。
今日やった授業はその日のうちにまとめておく。
これが私の信念だった。
「今日も見ようかな……」
私は机の引き出しの一番下の奥にあるファイルを出した。
最近の日々の心の癒しになっている日課だ。
そしてそのファイルを開いた
「や、やっぱり結城先輩……カッコいい
ふぁ〜癒される……」
そこにあったの私の彼氏である
結城先輩の写真だった。
というかこのファイルは
結城先輩の写真を写真屋で
綺麗に印刷した物を丁寧に入れたものだ。
七海や与謝野先輩、樋口先輩から
極秘に取引して手に入れた。
……なお本人から許可はもらっていない。
(ゆ、結城先輩に
ち、直接なんて言えるはずが無い!!
は、恥ずかしくて死んでしまう!!)
パラパラとページをめくる。
「真剣に練習している姿もカッコいい……」
そこには部活の練習に真剣な表情で取り組んでいる
結城先輩がいた。
特にこの写真はお気に入りで
引き伸ばした写真を
額縁に入れて保存している。
……なお家族にバレたら死にたくなるので
クローゼットにいつもしまっている。
「ふわ……笑顔の先輩、寝ている先輩……
どれもカッコいい……」
私は結城先輩の様々な写真を見て、ニヤニヤしていた。
多分、今の私の顔は大学での私を知っている人が見たら
引くぐらいニヤついているだろう。
「えへ、えへへ……」
とそんなところへ
「凛子〜晩御飯出来たわよ〜」
母が私を呼んでいた。
「は、はい!! 今行く!!」
そして私はリビングに向かった。
そこにはニヤニヤと私を見る母がいた。
「……何?」
「また彼氏の写真見て、ニヤニヤしているの〜?」
「ち、ちょっとお母さん!? 何で知ってるの?」
「前に掃除した時に見つけたからね
ファイルとか額縁とか」
「嫌ーーーー!!」
私はそのまま勢いで部屋に閉じこもった。
……結局その日は晩御飯を食べてない。






なお七海の話は少々お待ちください。

コメント

  • 葉鴉

    毎回更新がたのしみすぎるwww

    5
  • A・L・I・C・E

    なんだこの生き物は!
    凛子さん可愛すぎやろ

    3
  • Flugel

    かわえ

    3
  • ミラル ムカデ

    今回も安定の面白さでしたね!
    それぞれのプライベートも最高です!
    七海編楽しみにしています

    3
  • Yori

    ショートストーリーお疲れ様です!
    やはりそれぞれの日常会もいいですね
    七海sideも楽しみにしてます!

    4
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