部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

ウチのが一番



学園祭2日目
昼過ぎになり中央の広場では大学のミスコンをしていた。
「僕らの大学のミスコンって人気高いらしいよ?」
僕は机に突っ伏したまま、そう言った。
「そうみたいですね。確かに出場している人達
レベル高いですもんね」
「他大学からも見に来る人も多いですしね」
僕、織田、森は部活のブースからその様子を見ていた。
丁度僕ら3人は材料の買い出しが帰って来るまでの
留守番を任されていた。
なお七海、与謝野さん、凛子さんは女性3人でどこかに
遊びに行っているみたいだ。
そういう訳で僕ら彼氏3人組は留守番である。
「暇だな……」
「ですね」
「同意するっす」
何しろやる事が無い。
火をつけるには火元責任者がいないとダメだし
つけたとしても揚げる材料が無い。
「国木田先輩、ミスコン優勝候補が出てきましたよ」
「ん? どれどれ……」
織田に言われて改めて広場を見てみると、そこには
とても綺麗な女性がいた。
「確かにありゃ優勝候補って言われても過言じゃ無いね
顔もスタイルもいいしね」
「ですよね……」
森は気怠げに答えていた。
しかしこの後の森の発言が物議を醸すのだった。
「まぁ凛子には敵わないと思いますが」
「「おい、今何て言った?」」
僕と織田の発言がハモった。
「だからいくら可愛くても凛子には敵わないと
言いましたが……?それが何か?」
「「七海(桜)の方が可愛いだろ!!」」
「……」
「……」
「……」
僕ら3人は先程までの呑気な雰囲気が一転し
一気に張り詰めた雰囲気に変わった。
「おいおい後輩……言うようになったじゃないか。
だがな七海が一番可愛いんだよ。
お前ら後輩だろ? 大人しく譲りなさい」
「いえいえ先輩、桜ですよ一番は
……森は同期だろ? 譲れ」
「流石に国木田先輩と言えどもここは譲れません。
一番は凛子ですよ〜
……絶対譲らねぇよ、織田」
「やんのか後輩共?」
「先輩だからとは言え、譲りませんからね?
特に森には絶対」
「いや〜調子に乗んなよ織田?
そして先輩も何言っているんですか?」
「「勝負だ(です)!!」」
僕らの心の中でゴングが鳴った。


「七海が一番可愛いんだよ。あの無邪気な笑顔
甘えてくる時の甘え方。可愛いは正義だ」
「ハハッ、何言っているんですか? 
桜はおばけ屋敷で怖くて必死にしがみついて
泣きそうだったんですよ?あの顔はヤバイですよ」
「いやいや凛子のたまに起きる暴走はめちゃくちゃ
可愛いんですよ。あの自爆している姿が!!」
「ハハッ、七海だってよく自爆するし〜
後で顔を真っ赤にしていじけている姿は保護欲を
掻き立てられるんだよ。今すぐ襲いたいぐらいに」
「いやいや桜の自爆が一番ですよ。
あいつ自爆する前には思っ切り威張るのに
自爆した瞬間に一気に甘えてくるんですよ?
ギャップ萌え最高です」
僕らは自分の彼女の良いところを言い合っていた。
織田とは夏に同じことをしたが、今回は森にも彼女が
いるため三つ巴の戦いになっている。
「凛子は料理出来ますよ? しかも美味い」
「料理なら桜だって出来るわ!! 美味いしな!!」
「七海は料理はできないが、僕が料理をする際の
モチベーションを上げる事が出来る!!」
……うん、七海って料理は出来ない。
だから僕が作っている。
「俺は凛子の事なら一日中話せるな!!」
「いやいや僕も七海について最低2日話せるし〜」
「桜の事なら最低3日は潰せるな」
とお互いに全く譲る気が無い。
「七海が!!」
「桜が!!」
「凛子が!!」
「「一番かわ」」
バシンッ!!
僕ら3人は後ろから同時に叩かれた。
「何しているんですかセンパイ!?」
「吉晴……後で話そうか?」
「結城先輩は何をされているんですか!?
私に言いたい事があれば言ってください!!」
と僕らが後ろを向くと、そこには自分達の彼女が
揃いに揃っていた。
「な、七海?」
「桜!? こ、これには深い理由があってだな……」
「あ、これ暴走するやつだ……」
と僕らは三者三様の返事だった。
「センパイ!!」
「吉晴!!」
「結城先輩!!」
「「本当にすみませんでしたーー!!」」
僕らは彼女達にただただ平謝りするのであった。


国木田&七海
「全くセンパイは何しているんですか!?
バカなんですか!? アホなんですか!?」
「はい……返す言葉もございません……」
「言うなら私に!! 直接!! 言ってください!!」
「それはそれでどうなんだろうか……?」


織田&与謝野
「吉晴〜貴方は一体何をしているのかな?」
「いやあれは桜の為を思ってだな……」
「言い訳は聞きたくない」
「せめて言い訳は言わせてくれ……」


森&江國
「結城先輩!! 私に対する不満やのろけがありましたら
すぐに言ってくださいよ!?」
「よし、凛子、まず落ち着け」
「そりゃ普通彼女の良いところがあったら
のろけますよね!? そうですよね!?
そうだと言わないと私泣きます!!」
「泣くのはマジ勘弁!!」

「ふぅ〜今日も部活は平和だね〜
もぐもぐ〜あっ、サーターアンダギー美味しい
国木田〜おかわりちょうだい」
相変わらずのマイペース樋口さんであった。








あと数話で学園祭編はおしまいです。

コメント

  • ペンギン

    もっと、いいねを押したいです!w

    3
  • Qual

    もう、ホント、お前ら最高(笑)

    4
  • ミラル ムカデ

    あといいねボタンを10回ほど押していいですか
    書籍化しそうですね

    5
  • A・L・I・C・E

    クソッ!なんでいいねを一回しか押せないんだ!

    7
  • ノベルバユーザー81968

    クッソ羨まし

    5
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