部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

聞いてないんですけどーー!?



今回は織田視点です。








桜と喧嘩して数日……

「さて、どうするか……」
俺は学食でスマホを持ち、悩んでいた。
桜と喧嘩して以降、連絡を取っていない。
こういう場合は俺が謝るのが1番なのだが
どんな風に謝ればいいか分からないまま
時間だけが過ぎていった。
「あの事を言う訳にはいかないしな……」
俺があの時、スマホを見ていた理由を言う訳には
いかず、どんな風に説明すればいいのか?
……うん、全く分からん。
「というか桜、絶対怒っているよな……」
彼女は毎日必ずと言ってもいいぐらい連絡を
してくるのだが、この数日一切無い。
これは桜と付き合い始めてから初めての事だ。
「はぁ……なにもかもやる気が起きない」
勉強や部活にも妙に集中出来ない。
今日は帰ろうかと思っていたところ……
「ーーよっ、織田」
「ん?あぁ、お前か」
そこには俺と同じ学部である友達がいた。
「どうした暗い顔してよ〜なんか悪い事
あったか?」
「いや、別に」
彼女と喧嘩しているとは言えず、はぐらかした。
「ところで織田、今日の夜暇か?」
「まぁ暇かと言えば暇なんだが……」
「実はさ、今日合コンがあるんだけどさ……
頭数合わせで来てくれないか? 頼む!!」
「い、いや、俺彼女いるし」
というか彼女と喧嘩中に合コンに行ったなんて
知られたら桜に二度と口をきいてもらえない
可能性がある。
……そんな事されたら確実に俺は泣く。
というか引きこもる。
「そこをなんとか頼む〜!!
いるだけでいいから!! 金は俺が出すから!!」
「いかねぇって……」
「あれ?前回の彼女へのプレゼントの助言
したの誰だっけ? 確か彼女さんに大好評だったよね」
「うぐっ……」
痛いところ突いてきたな。
「悩みを聞いた分の恩はあるよな?
あれ〜織田はしないのか〜?」
「……はぁ、分かった。行けばいいんだろ
ただし金は一切払わないからな!!」
「おっ、助かる〜!! 感謝するぜ!!」
結局俺は友人が開催する合コンに参加する事に
なるのであった。






ーー待て

ーーどうしてこうなった?

ーーというか聞いてないんだが

「どうしたのかな織田吉晴君?」
(桜がいるとか聞いてないんですけどーー!?)
そう、何故か目の前には俺の彼女である与謝野桜が
ニコニコ笑顔でいた。
……桜の笑顔でこの瞬間以上に恐怖を感じた日は無い。
いや、本来は無くていいはずだ。そうだ、そのはず。
「あっ、いや、その、何でも無いな……」
「あれ2人って知り合いなのか〜?」
と友人がやや空気読まない発言をしてきた。
「うん、そうだよ〜同じ部活の同期なんだ〜
ーーそうだよね織田君?」
ニコッ
(怖い!! 怖い!! 怖い!! その笑顔が
ものすごく怖いんですけど!?)
「へぇ〜そうだったのか〜そりゃ知り合いだよな?」
「あはは……」
(知り合いじゃねぇよ!! 彼女だ!!
……適当に体調不良って言って帰ろう)
と席を立とうとした瞬間に誰かに袖を掴まれた。
「嫌だな〜織田君、私もう少し君と
話したいんだけどな〜」
桜だった。
「おっ、与謝野ちゃん、攻めるね〜!!」
(おい、お前俺の彼女にちゃんつけるな!!
というか桜が怖い!!)
だって顔は笑顔ですよ、はい。
でも袖を握っている力はかなり強めだし
何よりも目が笑っていない。

この後の合コンは俺にとっての針のムシロだった。









さてどうなる織田?

コメント

  • 黒流星

    頑張れ、織田

    1
  • ペンギン

    ドンマイです、織田さん...

    3
  • ミラル ムカデ

    ファイト織田!

    3
  • ノベルバユーザー81968

    こんな彼女ほすぃ

    3
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