部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

その罪を抱いて後悔してな



今回は前回と打って変わって
重たい話です。








森と凛子さんが付き合い始めた次の日。
俺は昼頃呼び出された。
その相手というのが
「おっ織田来たか〜」
「国木田先輩、どうかされましたか?」
同じ部活の先輩である国木田先輩だった
「ところで何故俺は呼ばれたんですか?」
「そうだね、本題に入ろうか」
「本題とは?」
「決まっているじゃないか
ーー最後の後片付けだよ」


とりあえず俺は先輩に付いて行く事にした。
(てか俺、よく考えてみればこの人が本気でキレた
ところ見た事無いよな・・・)
「先輩、ちなみに何故今回は俺なんですか?」
「あぁ、それね。だって今回の後始末って凛子さんを
あんな目に合わした連中にだよ?
そこに森連れて行ったらどうなるか予想つくだろ?」
「言われてみれば確かに・・・」
あいつなら女性であろうとも確実に殴るだろう。
・・・何せアパートのドアを蹴りで壊す奴だ。
人間相手にしたら確実に大怪我コースだろうな。
「おっ、いたいた」
気がついたら校内でもあまり人が来ない場所に来ていた。
そして遠くの方に数人の女子達がいた。
何かを話しているようだった
「ちょっとどうするの ︎
今回の件で余計に怒らせたじゃないの ︎」
「だってあんなにあの彼氏が早く気づくなんて
思わなかったのよ ︎」
「そ、それよりも私達は自分達の安全を・・・」
「やぁどうだい、今の気持ちは?」
「「・・・ッ ︎」」
取り巻き達は先輩の声が聞こえた瞬間
一気に顔が引きつった。
「いやいや随分やってくれたじゃないか?
ーー何してんだ、テメェら」
(怖ッ ︎)
俺は思わず怯えてしまった。
「わ、私達が何をしたって言うのよ ︎」
「そ、そうよ ︎」
「じゃあ何でこんな人が来ない場所にいるんだ?
ーーあっ、そうか。君ら学食とか行けないもんね」
「貴方のせいよ ︎貴方があんな事するから ︎」
「自分達が何もしてないと?
全くバカはどこまでいっても変わらないのかな?」
「何ですって?」
「どうせ、今回の事件も七海に仕返しをしたいけど
僕が怖いから、七海の親友に痛い目にあってもらう
っていうシナリオだろ?」
「・・・」
どうやら図星のようだ。
「テメェらの作戦は半分成功、半分失敗かな。
だって七海が泣いてたらしいね。確かに七海には
効果あったかもね。でもね・・・」
というと先輩は声のトーンを下げてきて
「ーー僕を本気で怒らせたんだ。
その罪、しっかり身をもって味合わせてやるよ」
「うるさい ︎元はといえばあの女が悪いのよ ︎
何もしてないのに男にモテて ︎」
「七海が何も努力してないと?
・・・いい加減にしてもらえる?」
というと先輩は取り巻き達を睨んだ。
「ヒィ・・・」
取り巻き達は完全に怯えているのが分かる。
(本当に国木田先輩か・・・?)
いつもと違いがありすぎる先輩を見ていて
不意にそう思った。
「テメェらはあのクズに振り向いてもらえない事を
棚に上げて八つ当たりをしているだけだ
ーーいや、八つ当たりじゃないな、それ以下かな」
「うるさい ︎あの平塚もムカつくし、あいつと一緒に
いる女もムカつくのよ ︎」
取り巻き達の内の1人がいきなり叫んだ。
「凛子さんのことか?」
「少し可愛いからって澄ました顔してさ
だから今回少し痛い目にあってもらったのよ ︎」
「あの野郎は君とどういう繋がりだい?」
「あぁ、あいつ?いつもあの女をストーカーしていた奴
で少し話したらすぐに協力してくれたわ。
いや〜良かったわ ︎あの澄ました顔が泣いた瞬間は
スッキリしたわ」
俺はそれを聞いた瞬間身体が勝手に動いた。
「お前ら・・・ ︎あの時どれだけ森が ︎」
「ーー織田落ち着いて。
どうせバカに何言っても変わんないから」
と俺は先輩に止められた。
「ですが先輩、こんな奴許せますか ︎
俺は許せないです ︎」
「無論、俺も許さないよ?
凛子さんが泣いた以上に泣いてもらうよ」
「はっ、やってみなさいよ ︎
やれるならね ︎なんなら殴れば?
殴ったら私達はあんたを訴えるわ
まぁあんたらにで」
「ーー今君らの家、知り合い、大学に例の秘密送った」
「はっ?」
「だから例の秘密だよ。
今まで君らがしてきたイジメ・カツアゲ・他人を蹴落とす
為にしてきた全てを僕はバラまいた。
あと今回のあの野郎との会話付きで
ーーなんなら今ここで大音量で流すか?」
先輩がそう言うと取り巻き達は顔が一気に青ざめた。
「嘘・・・だってそんな証拠あるはずが」
「そうよ ︎そうよ ︎ハッタリもいい加減にしなさいよ ︎」
「僕の知り合いにこういうのに異常に詳しい奴がいてさ
頼んだら全部探してくれたよ。
なんならテメェら自分のスマホでも見たら?
ーーすげぇ数のメッセージ来ているだろうけどな ︎」
と彼女らは自分達のスマホをこぞって見始めた。
そして見た瞬間、全員が驚いた顔をしていた。
「嘘よ ︎嘘 ︎嘘 ︎こんなはずじゃない私の人生は ︎」
「あんたのせいよ ︎あんたがしっかりと考えて
いれば・・・」
「貴方のせいでしょ ︎私は悪くない ︎」
(こいつら見苦しい・・・やっていて恥ずかしく
ないのか?)
「まぁ別に認めなくても構わないよ。
ただ・・・」
先輩は一呼吸おき
「ーー僕はテメェらを許さない。
僕の彼女を泣かした。
僕の後輩を辛い目に合わした。
ーーテメェらは一生その罪を抱いて後悔してな。
まぁ君らにはこれから沢山時間が出来そうだし?」
それを聞いた瞬間取り巻き達は完全に壊れた。
「うわぁぁぁ〜 ︎」
泣き出す者
「ハハッ・・・ハハ ︎ハハハハー ︎」
笑う者
「・・・・」
表情が無くなった者
(これ完全に心壊れたよな・・・)
彼女らにとって余程ショックだったのだろう。
だが同情する気にはなれなかった。
「織田、帰ろうか」
「そうですね」
俺らはその場を後にした。








次回は明るい話にしようと思います。


「部活の後輩と付き合ってみた」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

  • ノベルバユーザー239382

    国木田先輩スイッチ入るとヤバイよな(´^ω^`)ワロチ

    2
  • あいす/Aisu

    うん、情報を探す方も凄いし国木田先輩も凄い‼︎
    国木田先輩の敵には絶対なりたくないですw

    3
  • ペンギン

    国木田先輩こういう時は怖いですね...
    絶対に敵にはしたくないですね...
    頭がいいのかな?やり方が、すごいです!w

    3
  • ミラル ムカデ

    国木田パイセン!ギャップがヤバい!

    3
  • Flugel

    国木田さんマジカッケェェェェ
    いつも楽しませてもらってます。本当に見れば見るほど惹き込まれて見てて飽きないです。これからも応援してますんでお願いします!

    4
コメントを書く