部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

あぁ、それ?

今回で常村は退場です


そして国木田視点です。




「さてさてどうしてくれようかなぁ〜常村」
僕は常村の方を向いて言った。
案の定、七海を始めとする3人は
とても驚いていた。
「ところで森、しっかり撮れたかい?」
「はい ︎それはもう ︎
しっかり撮れましたよ〜 ︎」
森は自慢げに言っていた。
僕が刺された時に
森が全然驚いていなかったのは
事前に打ち合わせをしていたからだ。
「お、お前 ︎
何でそんなにピンピンしている ︎」
常村に指摘され
そういえば刺された事を思い出す。
「あぁ、それ?すっかり忘れていたよ。
ならしっかりナイフを見たまえ」
僕は常村が持っているナイフを指差した。
「あれ、血が付いてない・・・?」
七海が不思議そうにつぶやく。
まぁ刺したナイフに
血が全く付いてないというのは
不思議だろう。
「お前はあの時確かに
感触があったはず・・・ ︎
なのにどうしてだ ︎」
「そんなの簡単さ、コレだよコレ」
と僕は手品のトリックを明かすように
服の中からとあるモノを取り出した。
「週刊誌ですか・・・?」
「そうそう、やっぱりナイフから
身を守る物って
こういうのって決まってるからね」
取り出した雑誌を見てみると
ナイフがかなり深くまで
達していることがわかった。
・・・うん、次は雑誌を使うのはやめとこう。
我ながら賭けに出たものだと思った。
「センパイって常村がナイフを
持っていた事を知っていたんですか?」
「いや、勘だよ?」
「じゃあ何でこんな準備を・・・?」
「こいつって前にもナイフで
問題起こしているから
もしかしたら毎日持ち歩いているのかなって
予想したんだ。そしたらビンゴだよ」
「お、俺の考えがバレていたのか?」
また慌て始める常村。
その様子を見て僕は笑いが止まらなかった。
「ハッハハハ〜 ︎バレてるかって?
ーーそんなの当たり前じゃないか?
だってそうじゃなきゃカメラで
撮影なんかしないさ」
「さ、撮影 ︎はっ、お前 ︎」
とやっと自分が撮影されている事に
気付いた常村。
「気づくの遅すぎだろ・・・
森 ︎バッテリーとメモリ残量大丈夫か?」
「こっちは大丈夫っす ︎
さあさあ大先輩の勇姿を
バッチリ収めますんでどうぞどうぞ ︎」
「・・・ハァ〜全く
お前という奴は・・・
後で説教な」
「いやいやおかしくないっすか ︎」
「なら調子に乗らない ︎」
だがその代わり
不思議と気分がリラックス出来た。
どうやら知らず知らずの内に
緊張していたみたいだ。
そろそろ悪党には退場願おうかな?
「さて常村、最後にお前をどうするか」
僕は一歩一歩常村に近づいていった。
「や、やめろ ︎来んな ︎」
彼はナイフを振り回して牽制してくる。
だが闇雲に振るっているだけなので
当たりそうもない。
「1番僕が言いたいのはさ
ーー分かるだろ」
「な、何だよ ︎俺が何をしたんだよ ︎」
僕は彼の腕を掴み
そしてナイフを弾き飛ばした。
「お前の欲の為に僕の・・・」
僕は右手に力を入れた。
「あ、謝るからさ
ゆ、ゆ、許して・・・ ︎」
「大好きな人を泣かした事だ ︎
それだけは誰であろうとも許さない ︎」
「ヒィ・・・ ︎」
とそんな情けない声を出して
彼は倒れてしまった。
しばらくしても起き上がらない。
「あ、あれ?まさか気を失った?」
森が常村の体を叩いてみるが反応は無い。
「多分、そんな感じですね・・・」
僕と森は顔を見合わせた。
「どうする?」
「どうしましょうか?」



次回でこの章は終わりで
その次からは国木田、七海視点
それぞれで後日談を書いていきます。

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