部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

まぁいつも通りにやるだけさ

今回も七海視点です





「おはよう〜凛子〜」
と私は授業の教室に入ると真っ先に
親友の元に行った。
「おはよう七海。
・・・貴方、無理してない?」
凛子は私を見るなり、昨日の事を
思い出したのだろう心配してくれた。
「ううん、全然大丈夫だよ〜 ︎
心配してくれてありがとうね」
「いや、大丈夫ならいいけど・・・」
「そして凛子」
「ん?何かしら?」
「いきなりだけど昨日のノート見せて ︎」
「貴方ね・・・まぁ悪くもいつも通りよね」
と凛子はいつもの様に文句を言いながらも
昨日の範囲のノートを見せてくれる。
「凛子ありがとう〜 ︎」
「ところで国木田先輩の様子はどうだった?」
何故かいきなりセンパイの話を振られた。
「センパイの様子・・・?何で?
ーーはっ、まさか凛子、センパイの事が ︎」
「違うわよ ︎どっかの何とか村みたいな事は
しないわよ ︎」
・・・凛子さん、それ殆ど個人名言ってますよ?
個人名を隠すあたりは本当に嫌いなんだろう。
彼に若干なんだけど同情した。
と私達がいつもの様に雑談をしていると
「ーーちょっと七海」
「ん?げっ・・・」
声をかけられた方を向くと
常村君の取り巻きの子達がいた。
私がどうしようかと迷っていると凛子が
「貴方達、七海に何の用?
また昨日みたいな事をしに
来たんじゃないでしょうね」
私と彼女達の間に立ってくれた。
「私達は七海に用があるのよ。
ねぇ昨日貴方の彼氏に会って来たのよ」
えっ、センパイに会った・・・?
だって今までセンパイから聞いてない。
「それでそれがどうしたの・・・?」
「何よ、あの男調子に乗っちゃって・・・
あの男が私達に何て言ったか知ってる?」
・・・まずセンパイが会った事を今さっき
知ったので会話の内容なんて知るはずもない。
私は何も言っていないのだけど
彼女達は準備をし始めた。
「じゃあ聞かせてあげるよ」
と取り巻きの子の1人がスマホを取り出して
スピーカーの音量を上げた。

"君達、うるさいんだけど?"

"だからさっきからうるせぇって言ってんだよ"

''はぁ・・・呆れて何にも言えない"

その声はまさにセンパイの声そのものだった。
「どう思う、私達が少し話しかけただけで
こんなに怒るんだよ?酷くない?」
「そうよ、そうよ。こんな乱暴な男早く別れなよ。
もし言い出しにくいなら私達も援護するからさ」
「こんな男よりも絶対常村君の方が良いって」
彼女達は口々に言う。
「貴方達がどうせ何かしたんでしょう ︎」
と凛子は既に怒っている。
・・・凛子って意外と怒りっぽいんだよね。
「ーーどうした、みんな」
「常村君 ︎」
取り巻きの子の1人がそう言った。
「ちょっと常村君、聞いてよ ︎」
「何か問題でも起きたか?」
「七海が可愛そうなんだよ。
今付き合っている彼氏が酷い奴で」
「センパイは酷くないよ ︎」
流石に自分の彼氏が酷く言われるのは我慢出来ずに
彼女達に文句を言う。
だけど・・・
「七海は騙されているだけよ。
常村君はどう思う?」
「あ〜ああいつか〜
俺も会った事あるけど感じ悪りぃよな〜」
貴方には言われたくない ︎
私から見ればセンパイの方がカッコいいよ ︎
「なぁ、七海」
「何かな常村君・・・?」
「あんな感じ悪い男捨ててさ
俺と付き合おうぜ」
「常村 ︎あんーー」
凛子が何かを言いかけていたが
私の耳には入ってこなかった。
何故なら・・・
パチンッ ︎
「はっ?」
「えっ」
「七海・・・?」
私の右手が常村君の頬を引っ叩いていたからだ。
「これ以上、私のセンパイを馬鹿にしないで ︎」
あそこまで馬鹿にされて
黙っている私じゃない。
昨日は泣いちゃったけど
何故か今日は泣かなかった。
それ以上に自分でも知らない内に
怒りがあったのだろう。
叩かれた常村君は一瞬ポカンとしていたが
すぐに顔に怒りが出てきて
「お前・・・ちょっと顔がいいからって調子に
乗りやがって ︎」
私の腕を掴んで、引っ張ってきた。
「離して ︎」
「お前は少し痛い目にあってもらわーー」
とその時だった。
「ーーお前さ、僕の彼女に何してるんだ?」
誰かが私の腕から常村君の手を引き離した。
「誰だお前 ︎」
と常村君が声を上げた。
「僕ですよ、僕」
「センパイ ︎ 」
そこには私の彼氏である、国木田拓海がいた。
「彼氏気取ってんじゃねぞ・・・ ︎」
と常村君はもう片方の腕をセンパイに
向けて振りかぶった。
「すまん森、頼めるかい?」
「分かりました ︎」
センパイに振りかぶってきた腕を
森先輩が抑えた。
・・・というか森先輩も一緒にいたんだ。
「さて、どうやって締めますか先輩?」
森先輩が手をコキコキ鳴らしながら尋ねた。
「・・・物理は最終手段だからね?
まぁいつも通りにやるだけさ」
とセンパイはいつもの調子で答えた。
・・・この時のセンパイは一生忘れないだろう。
それぐらいカッコよく見えた。
(センパイカッコいい〜 ︎)
「さて、やるか」
「分かりました ︎」



これからは国木田と森のターン笑

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