部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

理不尽ここに極まれり?

大学で後期の授業が始まって数日・・・
夏休みボケがそろそろ覚めてくる頃
僕はいつも通り晩御飯の準備をしていた。
勿論、七海の分もだ。
その七海は今は僕のベッドの上でゴロゴロしていた。
・・・本音を言うと僕のベッドの上でゴロゴロされると
ベッドに七海の匂いがついて夜中々寝れないから
少しは自重して欲しいと思っているのだが・・・
「わぁ〜センパイの匂いがする〜えへへ〜」
僕の想いなど知らずか、七海は相変わらず
ベッドでゴロゴロしている。
・・・いや、まぁ直接は言ってないんだけどね?
ただ、ほらさ、察して欲しくない?
僕も健全な男だよ?
「センパイ〜ご飯まだ〜?」
「おっとと、もう少しで出来るから待ってて〜」
とりあえず目の前の料理に集中しますか。





「いただきます」
「いただきま〜す‼︎」
といつものように2人で食べる晩御飯。
ちなみに今日のメニューは少し時間があったので
手間がかかる豚の角煮にした。
肉をトロトロにしたかったので4時間ぐらい煮込んだ。
正直言って手間をかけ過ぎたと思っている。
まぁでも・・・
「センパイ‼︎この角煮美味しいです‼︎
肉がトロトロしているところが特に‼︎」
「そうか、良かった。流石4時間
煮込んだ甲斐があったよ」
「本当ですか⁉︎それは美味しい訳ですね‼︎
う〜ん美味しい〜‼︎」
この彼女の幸せそうな笑顔を見れるのなら
いくら手間をかけても構わないと思ってしまう。
やっぱり料理は誰かの為にって考えて作ると
楽しくなるし、美味しくなるのだろう。
と思っていると七海は急に箸を止めた。
「七海?どうしたの?」
僕は疑問に思い聞いてみた。
「センパイ、私は今ある事を思い出しました・・・」
やや深刻そうな顔をした。
「ん?何を思い出したんだい?」
と僕が聞き返すと、七海は自分の箸で角煮を少し切り
そして僕の前に持ってきた。
「センパイ、ほらあ〜ん」
「・・・」
この子は何をしているんだ?
「ちょっとセンパイ〜無反応はやめてくださいよ〜
ほら、彼女があ〜んしているんですから」
「?あ、ああそういう事ね・・・
ごめんごめん気づかなかったよ」
「全くセンパイは鈍感なんだから〜
・・・まぁそういうところも好きなんですけどね‼︎
って何を言わせるんですか⁉︎」
「今絶対自爆だよね⁉︎僕のせいじゃないよね⁉︎」
理不尽ここに極まれりだ。
「いいんです〜センパイならせいに出来ますからね〜」
「おいおい・・・まぁでもいいか」
と彼女にこんな事を言われても許してしまうのは
惚れてしまった弱みだろう。
「ねぇ七海」
「何ですかセンパイ?」
「好きだよ」
「〜〜〜ッ⁉︎い、いきなり何を言うんですか‼︎
そ、そんな事で私がよ、喜ぶとでも・・・」
「素直じゃない七海も可愛いよ」
「も、もう‼︎センパイのバカ〜‼︎」

やっぱり僕の彼女は可愛い
改めて思った。

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