部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

酷いな!?

今回は七海視点です


「平塚はバカなの ︎」
開口一口目がそれであった。
「すみません・・・」
私は今自室で正座で座って
同期の説教を受けている。
「あれ程気をつけないと
言ったのに・・・まさか聞いてすぐに
先輩を怒らすって平塚はバカなの ︎」
「返す言葉がございません・・・」
平謝りを繰り返し私。
遡る事10分前
私はセンパイと喧嘩をして怒らせた。
喧嘩をしたといっても私が言いたい放題
言ったらセンパイが怒った。
「しかも喧嘩の原因が樋口先輩への
嫉妬ねぇ・・・」
と呆れた目で見てくる同期。
「あ、あれはセンパイが悪いの ︎」
「一応理由聞こうか?」
「だって私の前でセンパイが樋口先輩を
押し倒していたんだよ ︎酷いでしょ?」
「ああ確かに酷いな」
「でしょでしょ ︎」
わかってくれる同期がい・・・
「平塚が」
「ですよねー」
うん、わかっていたよ?
目の前にいる同期は絶対私の味方は
しないって事ぐらい。
「救いようの無い嫉妬だし。
平塚、かなり重たい女子だよ?」
「えっ?私貴方よりは体重
軽いはずだよ?」
「そっちの重たいじゃ無いよ ︎
確かに私は平塚より重たいですよ ︎
・・・じゃなくて面倒って意味」
「め、面倒?」
「うん、面倒。だって同期の女子と
アクシデントであっても嫉妬されて」
「うぐっ」
「しかも10分以上説教でしょ」
「うぐっ」
「私ならすぐ別れるよ?」
「がーん ︎」
わ、別れる?
センパイが私と?
・・・・
・・・・おワタ。
ヒラツカはたおれた。
「お〜い平塚?
そんな世界が終わったみたいな顔をしないの」
「はっ ︎」
つい頭の中で世界を終わらせてしまった。
私にとってセンパイと別れる
=この世の終わりなのである。
「全く・・・
そんな顔するなら喧嘩
しなければよかったのに・・・」
呆れた様な顔で私をみる同期。
「だって・・・
嫌なんだもん」
・・・センパイの隣が私以外の人がいる。
センパイが他の人の隣で笑っている。
そのことが堪らなく私の胸を締め付ける。
しかも私が知っている相手なら尚更だ。
「まぁ分からなくも無いけどね。
何事も限度があるからさ。
・・・平塚は限度超えたからね」
「やっぱり?」
「そりゃ正座で10分以上説教
自分の言い分は全て無視だからね」
「・・・」
「おーい平塚〜?」
「私ってクズじゃん ︎」
「今更なんだけど・・・
まぁ気づけただけマシじゃない?」
「センパイ絶対怒っているよ〜」
「国木田先輩を怒らすなんて
夏目先輩以外いないんじゃないの?」
「確かに・・・」
私もセンパイと出会ってから
怒った顔なんて数えるぐらいしか
見たことがない。
大体は私や部員のワガママを
嫌な顔をしながらも引き受けてくれる。
そんなセンパイを怒らせてしまった・・・
「どうしよう〜 ︎」
と私はいつものノリで同期に抱きついた。
すると
「よしよし」
と同期の方から抱きしめてくれた。
「えっ?」
いつもと違う対応だったため私が驚いた。
「平塚が先輩の事を大好きなのは
分かっているから、さ。
とりあえず仲直りする方法考えよう?」
「うん・・・」
「私はさっきから色々言っているけど
平塚のカップルは応援してるよ?」
「うん・・・」
「ほら泣かないの」
「う、うるさい。
これ目から汗だし ︎泣いてないし ︎」
「はいはい、そうしますよ」
と同期はあきれながらも笑って
言ってくれた。
今すぐにでもセンパイに謝りに行こう。
それが私に出来る最善の行動だろう。

ただ私たちはそう簡単に事が進むはずがなく
またまた問題が起きるのだが
この時の私は知る余地もなかった。

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