部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

廊下にて

僕と樋口さんは宿の人との交渉を
終えて宿の廊下を歩いていた。
「ねぇ国木田」
「なんだい?」
「平塚とどこまでいったの〜?」
「ブッ⁉︎」
・・・この人はいきなり何を言い出すの⁉︎
思わずむせたわ。
「キス済ませた?それともそれ以上
進んじゃった?」
「話す訳あるか⁉︎
なんで七海との進行状況を
話さなきゃいけないんだよ‼︎」
「え〜せっかくの私の楽しみを取るの?
国木田さん、薄情だわ〜」
「別の楽しみ探せよ〜〜⁉︎
他あるだろう⁉︎」
「だって1番からかい甲斐があるんだもん」
「理由クズいな⁉︎何があっても
教えないからな?」
「ケチケチ。いいじゃん〜教えたって
何も減らないでしょ?」
「七海からの信頼が減るわ‼︎」
「おぉ〜上手い事言うじゃん〜
で、どこまでいったの?」
「しつこいな⁉︎」
樋口さんは僕が普通に話せる
数少ない女子である。
なので日々の生活でとても世話になっている。
そうだが、そうなのだが・・・
「さぁ早く吐いて楽になれよ〜なれよ〜」
絡み方が凄〜〜〜〜〜く面倒‼︎
日々世話になっている分を引いても
面倒だと思ってしまう。
・・・前に僕以外にもやったらって
聞いたらさ
"国木田が1番反応がいい"
って言われたよ。
・・・なんだろ女子から言われた言葉で
トップ5に入るぐらい嬉しくなかったよ。
「とりあえず僕は話さないからね?」
「チッ・・・」
「女子が舌打ちしないの・・・」
そういえばよく七海にも言っているな、これ。
「国木田が口を割らないなら・・・
最終手段を使うしかないか」
「最終兵器使うの早いな〜」
だってまだ始まって5分も経ってないぜ?
「最終兵器とは、ズバリ・・・」
「ズバリ?」
「平塚に聞く〜‼︎」
「確かに最終兵器だな⁉︎」
七海って意外と煽られると
ついポロっと喋っちゃうからね・・・
とりあえずは樋口さんを七海の元に
行かせてはいけない‼︎
・・・どうしてもここは死守しないと
僕がめちゃくちゃ恥ずかしい‼︎
「さぁ国木田、そこをどくんだ〜」
「目的が分かっている奴を行かせる
と思っているのかい?」
「くっ、何故バレている?」
と驚いたポーズをする樋口さん。
「さっき自分で言っていたよね⁉︎」
「そこをどいてくれ‼︎
私は会いたい人がいるんだ‼︎」
とアニメの主人公みたいなセリフを
主人公のノリで言ってきた。
「尚更通す訳ないだろ⁉︎」
そんなんで通すバカがどこにいるんだい?
「なんか主人公みたいなセリフを言えば
通してくれるかな〜と思ったんだけど〜
国木田のケチ」
「会いたい理由がクズ過ぎて
尚更通すわけにはいかんだろ・・・」
「じゃあ強行突破しよう‼︎」
とこちら側に向かってきた。
「させるかよ‼︎」
と僕も樋口さんの進路を塞ぐため
立ちふさがった。
「この〜‼︎」
「まだまだ‼︎」
と気がついたら取っ組み合いになっていた。
・・・無論、僕は手を出していない。
樋口さんの伸ばす手を払っただけだ。
「ふにゃ〜‼︎」
「なんだよその声・・・
あれ?」
と僕が樋口さんの手を勢いよく払ったため
樋口さんがバランスを崩し
後ろに倒れそうになったので
「樋口さん‼︎」
と咄嗟に手を掴んで防ごうとするが・・・
バタン‼︎
「「あっ・・・」」
と2人とも倒れたのだが
問題は僕が樋口さんの上に
覆いかぶさっている状態だ。
「あらま〜国木田が
私を押し倒すなんてね〜」
とニヤニヤしながら僕を見る樋口さん。
「誤解だよね⁉︎
変な冤罪つくらない‼︎」
確かに状況的にそうだけども‼︎
僕は押し倒してない‼︎
と何故かそんな時に限って
「センパイ~かま・・・・えっ?」
七海が同期の女子と一緒に来た。
「「あっ・・・・」」
固まる僕と樋口さん。
・・・ひょっとして今はとてもまずい状況なのでは?
場面的に見たら僕が同期の女子を押し倒している様に
見える。それを見る彼女と彼女の同期・・・。
「うわぁぁぁぁぁぁぁん!
センパイが浮気している~!」
「「違うよ!?」
と同時に否定する僕と樋口さん。
「ち、ちょっと聞いて平塚?
これはたまたま国木田で遊んでいたら
こうなっちゃたの!
ねぇ国木田!」
「そ、そうだよ七海。
遊んでいたらこうなったの」」
「遊んで・・・?
いかがわしい遊びなんだ~!」
「「違うよ!?」」
「センパイのバカ~!」

「部活の後輩と付き合ってみた」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く