部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

デートをしましょう‼︎

「ねぇセンパイ、センパイ‼︎」
「どうしたの?」
「デートしましょう‼︎」
「そうだね、行こうか」
「あれ、断らない?」
「・・・僕が断ると思って
誘ったのかい?」
それならかなりの心外だ‼︎
僕だって彼女とのデートぐらいは
断らないさ‼︎
「だって前の海の時
大反対してたので」
「うぐっ・・・」
・・・痛いところを突かれたな。
「まぁとりあえずデートに
行きましょうよ〜‼︎」
「そうだね。どこに行く?
今の時間なら基本的にどこでも
行けるね」
「ショッピングモール行きませんか?
あそこぶらぶらするだけでも
楽しいですよ」
「ショッピングモールか・・・」
僕らが住んでいる場所から電車で
30分くらいの場所にあり、
沢山の店や、映画館、フードコート等があり
1日居ても飽きない場所だ。
そもそも僕は人混みが苦手だ。
しかも夏休みとなればめちゃくちゃ人がいる。
本来なら断るが・・・
「センパイは嫌ですか?」
愛しの彼女にお願いをされたら
断れないだろう。
「ううん、行こうか」
「やった〜‼︎絶対ですよ‼︎絶対‼︎」
「大丈夫だよ。行くからさ」
まぁ人混みは嫌だが
彼女の笑顔が報酬なら
お釣りが来るだろう。
と僕らはデートに
ショッピングモールに
行く事にした。

僕らは身支度を整えて、電車に乗り
目的地のショッピングモールに向かった。
「人多いな・・・」
「ですね〜」
と平日だが夏休みという事もあってか
学生や家族連れやカップルが多かった。
「ねぇねぇセンパイ」
と七海が僕のシャツの裾を引いてきた。
「何かな?」
「こんなに人が多いとはぐれませんか〜?」
と何かを期待しているような声だった。
この状況では、多分あれだろう・・・
「・・・手を繋ごうか?」
と右手を出した。
「わ〜い‼︎やった〜‼︎」
と僕の手を掴み、嬉しそうな七海。
・・・本音を言うと七海が迷子に
なりそうだったのが少しあった。
・・・この子って方向音痴だからな。
「どうしましたかセンパイ?」
「いや、なんでも無いよ。
さっ、まずはどこから
行きますかね」
「実は秋物の服が気になっていて
そこのお店行きましょう‼︎」
と走り出す七海。
「ちょ、ちょっと‼︎走ると
転ぶし、迷子になるよ⁉︎」
人が思った先から
ドキドキさせられるよ・・・
と走るのを止めて、こちらを向き
「大丈夫です‼︎だってセンパイが
手を繋いでくれてますからね‼︎」
と笑いながら言った。
「・・・」
「あ、あれセンパイ・・・?」
・・・本当、この子には
ドキドキさせられぱっなしだよ。
そしてその笑顔は反則だ・・・
「いや、その笑顔はヤバイ・・・」
「あ、あれそんなに私の笑顔
駄目でしたか?」
と一気に悲しそうな顔になる七海。
「い、いやそういうわけじゃ無いんだ。
・・・可愛いすぎてヤバイんだ」
と我ながら言っていて
恥ずかしいセリフだと思う。
それを聞いた七海も・・・
「あ、あっそうですか・・・」
と耳まで真っ赤になり
そして向こう側を向くと
「・・・ありがとうございます」
と僕がギリギリ聞こえる様な声で言ってきた。
「・・・どうもいたしまして」
僕も七海がギリギリ聞こえる様な声で
そのように言った。
「そ、そろそろ行きましょうか⁉︎」
「う、うん‼︎そうだね‼︎
出発〜‼︎」
「お〜・・・」
と2人とも恥ずかしかったのか
お互い変な受け答えをしながら
様々なお店を回った。

「うへ・・・張り切りすぎた」
「・・・センパイ、大丈夫ですか?」
と僕らはショッピングモール内の
ベンチで休んでいた。
「まさかセンパイが人混みがここまで
苦手だとは・・・」
「すまぬ・・・」
そうなのである。
あの後、張り切って様々なお店を巡ったのだが
沢山の人混みに巻き込まれてしまい
僕が人酔いになってしまったのである。
そしてベンチにて七海の膝枕で休ませて
もらっている。
「かっこ悪いところ見せて、ゴメンね」
「いやいやセンパイのせいでじゃ無いですよ。
私は少し役得ですけどね・・・」
「役得?どこに役得なんだい?」
この状況のどこに役得の要素があるのか
聞いてみたいよ、七海さん。
「それは・・・
センパイの新たな一面を知れましたからね」
「・・・こんな人混みが苦手な面をかい?」
「それでもですよ。私はまだセンパイの
知らないところ沢山ありますから・・・」
それもそうか・・・
僕らは付き合っているとはいえ、
出会ってまだ数ヶ月しか経ってない。
僕もまだ七海の知らないところが
沢山ある。
「・・・なら、これからゆっくり
知っていけばいいよ」
「そうですね。
・・・まだ、この状況続きそうですしね」
「本当に申し訳ない」
・・・それに関しては何も言えないです。

とこの後、復活した僕は夕方まで七海と
デートを楽しんだ。

だが僕らは知らなかった。
この後、僕らに降りかかる
ピンチが間近に迫っていたことに・・・

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