部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

夏だ、水着だ

「あれ、森先輩は?」
「あれを見な」
と森と織田が競争している方を指差した。
・・・あいつらまだやってるのか。
「あれは何をしてらっしゃるんですか?」
「かき氷をかけた男の戦いだよ」
「はぁ・・・
とりあえず私たちもいきますか?」
「いや、僕はパラソルの下にいるよ」
「え〜いきましょうよ〜せっかく海に来たんですよ〜」
と言いながら僕の背中に抱きついてくる七海。
水着のためか、いつもよりも背中にダイレクトに
伝わってくる七海の体温や体の柔らかさに僕は
やや困惑してる。
特に胸が背中で形を変えながら当ててくるので
本当に困る。
「・・・七海、当たっている」
「あれ〜何が当たっているんですか〜?」
ニヤニヤしながら聞いてくる七海。
「わざとか・・・」
「あれあれ〜何がですか〜?」
確信犯だな、これ。
「わかった、海辺に行こうか」
と背中に抱きついている七海をおんぶする形で
立ち上がった。
「わぁっ⁉︎ち、ちょっとセンパイ⁉︎」
七海は軽いので、こういうことがしやすい。
「じゃあ行こうか‼︎」
と七海をおんぶしたまま走る僕。
「ち、ちょっとセンパイ⁉︎危ないって‼︎」
「ゴー‼︎」
「うわ〜‼︎」

海辺にて
「ごめんって七海」
「センパイなんてしらない」
とそっぽを向いて拗ねている七海。
「第1、危ないとは思わなかったんですか?」
「い〜や七海って軽いから大丈夫かな〜と」
「私はヒヤヒヤしたんですよ⁉︎」
「それは悪かったって」
「あれ、先輩。また平塚を怒らせたんですか?」
「また痴話喧嘩っすか大先輩〜?」
と海から上がってきた森と織田が来た。
「痴話喧嘩ではないし。
というかそんなに痴話喧嘩してな・・・」
「「「それは嘘です」」」
「酷くないか?」
森と織田、与謝野さんからツッコミを食らう僕。
というか与謝野さんも気がついたらいた。
与謝野さんの水着は水色のブラに、腰には同じ色の
パレオを巻いていた。 
もともと彼女は長身というのもあり、とても綺麗に
見えた。
七海が可愛いなら、与謝野さんは綺麗だろう。
「・・・センパイ、与謝野先輩の水着見すぎです」
「いやいやそんなに見てないからね⁉︎」
・・・そんなには、うん、見てないよ?
「いや〜国木田先輩、もっと見てもらっても構わないん
ですよ〜ほらほら〜」
と見せつける様にポーズをとる。
「君、隣に彼氏いるよね⁉︎
・・・七海⁉︎待て、これは僕のせいかい⁉︎
その手にある棒を捨てて‼︎」
多分スイカ割り用の棒だろう。七海はその棒を持って
構えそうだった。
「桜、それぐらいにしておきな?
平塚が嫉妬で国木田先輩を殺す前に」
「は〜い。
で、吉晴。私の水着どう〜?」
と与謝野さんは織田の前でモデルの様なポーズを
とった。
「さぁ吉晴〜褒めてくれていいよ〜」
「ああ似合ってるよ」
「え?」
と珍しく与謝野さんがポカンとした顔をした。
「だから似合ってるって。桜のスタイルと水着が
めっちゃぴったりしていて、綺麗だ」
「あ、あれ、吉晴?と、どうしたの?」
「桜が褒めてって言ってきたんだろ・・・
言われて焦ってどうする?」
「あ、い、いや〜まさか本当に褒めてくれるなんて
思わなくてね・・・
吉晴、ありがとう・・・」
与謝野さんは若干顔を赤らめながら言った。
「お、おう・・・」
と言った本人も照れてなのだろうか、顔が赤かった。
「織田も言うんだな」
僕が言うと
「奇遇ですね、私も同じ事思いました・・・」
どうやら七海も同じ事を思っていたらしい。
「くっそーリア充かよ〜〜‼︎」
森は走っていた。

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