部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

3人の顔合わせ

食事が進む中で森も平塚さんに馴れてきたらためか
普通に話せるようになった。
「平塚さんって愛知のどこ出身?」
「私は名古屋ですね。先輩は静岡のどこですか?」
「俺は浜松だな。餃子で有名な」
「いいなぁ君らは地方トーク出来て。僕なんて
ずっと横浜だから、何もないや」
「先輩横浜いいじゃないですか‼︎憧れです!」
「そうっすよ、俺の地元なんて餃子しかないです」
「あるだけいいじゃないか」
「そして先輩は大先輩じゃないですか」
「それ今関係あるか?」
「関係大アリですよ‼︎俺らの大先輩ですよ‼︎」
「・・あの〜さっきから何回か上がっている
大先輩ってなんですか?」
と平塚さんが不思議そうに聞いてきた。
「ああそれか、それは」
「それ俺が説明します‼︎」
と僕の話を遮って森が割り込んできた。
「国木田先輩が大先輩になる理由はこの部活に
入れば分かる‼︎って事で体験入部どう?」
「結局宣伝かい‼︎」
・・・若干だが期待した僕が馬鹿だったよ。
「だって主将が1人連れてこいってノルマを
課してきたんですよ〜
俺ただですら人見知りなんですよ」
「あいつ・・・また無茶を。
そのノルマに関しては僕が話をつけておくよ。
ただし、森も日頃の生活態度を改めるように」
「すみません、お願いするっす」
と森にしてはマジトーンでの謝罪がきた。
「主将って先輩の同期ですか?」
「そうだよ。あのバカは次から次へと
頭の痛い問題持ってきやがって
少しは考えろよ・・・
・・・あ、平塚さんごめんね。
おい森、この話はまた今度にでも2人の時に話そう」
「先輩、せっかくの楽しい食事を
申し訳ないです。今度何かお詫びをします」
「あっ、じゃあ私体験入部します‼︎」
と唐突に平塚さんが言い出した。
「「はぁっ⁉︎」」
と僕ら男子勢、ポカンとする。
「だって私が体験入部すれば、
森先輩のノルマも達成しますし
国木田先輩も余計な対立も防げます」
「いやいや今の話を聞いて普通行く気になるか?
どう思う森?」
「俺は絶対行かないですね。
・・・平塚さん、別に無理は
しなくていいんだよ?
俺のノルマなんて気にしなくていいしね。
そうですよね、国木田先輩?」
「そうだよ。ノルマなら最悪僕ら2人で探すよ」
「だって国木田先輩、言ったじゃないですか。
看病する代わりに体験入部きてって」
「あ、そう言えば・・・」
・・看病する際に無理やり理由を作った事が
あったな・・
すっかり忘れていたけどね‼︎
「あの時の事なら、別に忘れてて良かったのに」
「流石に看病のお礼をしないと
私の気が治らないのでいいじゃないですか〜」
「君がいいなら構わないが・・」
「じゃあ平塚さん、いつ来る?
一応明日から練習があるから可能だけど・・」
「じゃあ明日お願いしてもよろしいでしょうか?」
「わかった。じゃあ森、着替えの為に女子部員
明日呼んでくれないか?」
「分かりました。大先輩のご命令とあれば‼︎」
「僕はいつになったら大が外れるんだい?」
「一生取れないと思いますが?」
「やっぱりかい・・」

結局この後、日付が変わる頃に平塚さんは
自室に帰り僕らは深夜まで2人で
宴会をしていたのだった。

尚この後、1週間に一度、3人が僕の部屋に集まり
宴会をするようになるのはしばらく先のこと。

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