部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

デートスポットに行こう

僕らは浅草から浅草線からゆりかもめに乗り本日
最後の目的地であるお台場に向かった。
「先輩、不思議ですよね」
「何が?」
「昔はここに大砲があって、ある意味基地だったのが
今じゃデートスポットですよ?」
「まぁ昔の人達は今こうなるとは想像してない
だろうね。でも彼らが頑張った先にある現在だから
これもいいんじゃないのかな?」
「そのおかげで先輩とデートできますしね‼︎」
「そうだね。ちなみにどこに行くつもり?」
「それはやっぱりヴィーナスフォートですね‼︎
お台場に来たんですから行かないわけには
いきません」
「おっ、デートの定番スポットだね」
「デ、デート・・・もう」
といきなり平塚さんが照れ始めた。
「あれ?」
おっかしいな・・・さっきまで平塚さんもデートって
普通に言ってたんだけど・・・
「ほら、先輩行きますよ」
スタスタと先に歩いてしまう愉快な隣人平塚さん。
「あ、ああ」
多少謎に思いながら、ついていった。

ーーヴィーナスフォート
お台場にある一大デートスポット。様々な店が
あり、一日中いても飽きない程である。
「これがヴィーナスフォートですか・・・まさに
都内って感じですね‼︎」
「久しぶりに来たな〜」
「ちなみに先輩は前に誰といらっしゃったのですか?
まさか女性とですか⁉︎」
「同期」
「・・・へぇ〜流石、部内での精神的支柱である
国木田大先輩らしいですね」
とジト目で見られた。
「た、ただの同期だよ?」
「いぇ、大先輩って素晴らしいですわ〜〜
凄いですわ〜〜。あのアイス欲しいな〜〜」
「はいはい、分かりましたよ。買います買います」
僕は目の前のアイス屋に行き、僕と平塚さんの分の
アイスを購入した。
「はい、どうぞ」
「わ〜い‼︎」
と無邪気に食べる平塚さん。
それを見た僕は不意に笑った。
「ふっ」
「・・・何ですか先輩?若干ひきましたよ」
「すまんすまん。何な平塚さんが無邪気にアイスを
食べているのを見てて、面白くて」
「・・・私が幼いとでも言いたいのですか?」
「いやいや、普通に可愛いよ。いつも朝、家にくる時の
笑顔も可愛いし、僕が何かした時のジト目も可愛い。
だけど今の年相応の笑顔が1番いいかな」
「・・・」
「ん?お〜い平塚さん?」
「もう何なんですか先輩は⁉︎いきなり可愛い、可愛い
って言い出して恥ずかしくないんですか⁉︎私は
恥ずかしいですよ‼︎」
「僕はあまり?」
「天然ですか〜〜⁉︎」
「平塚さん、ここ周りに人いるよ?」
と平塚さんはハッとしたように周りを見ると、通行人
の大多数が平塚さんを見ていた。
「・・・ッ⁉︎もう先輩のせいです‼︎」
「はいはい。次行くよ」
と顔が真っ赤になった平塚さんを押しながらその場を
後にした。

「さてそろそろ時間だし、次が最後かな」
「じゃあ先輩、私が行きたい場所があるので最後に
どうですか?」
「オッケー。じゃあそこ行こうか」
と僕は平塚さんにつられてその場所に向かった。















その頃の2年生3人
「う、うわ・・あの先輩、言うな・・」
「国木田先輩って天然が入っているから、あんな事
無意識に言えるんじゃないのかな?」
「・・・なんだ、先輩。気づかないだけじゃないですか」
「どうした森?」
「いや、あの先輩もやっとスタートラインに立った
んだな〜と思って」
「まぁ森ってなんだかんだ国木田先輩の事、好き
だもんね」
「あの人には入部当時から世話になったから
幸せになって欲しいんだよ」
「そりゃあの人に世話になった後輩はみんなそう
思っているさ」
「そうだよね。じゃあ2人とも最後の目的地に
先回りしとこうよ」
「だな」
「おう」


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