部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

例え全部が正解でなくても

次の日
「センパイ〜〜‼︎」
と今日も元気に僕の家に来る愉快な彼女平塚さん。
「うん、おはよう。朝ごはん出来てるよ」
「わ〜い‼︎・・・あれ、センパイ。変わりましたか?」
「僕何か変わったかい?」
・・・全く自覚がないのだが
「なんか顔が随分スッキリとしている気がします」
「そう?」
「何でしょう・・・表情が晴れやかです」
「あぁそういうことね。平塚さんのおかげだよ」
「私ですか?」
「そう。僕はまだ克服してなかった事を君は
手助けをしてくれたんだ。だから君のおかげ。
ありがとうね」
と平塚さんは顔を赤らめ
「い、いえ私は何もしてないですよ〜‼︎」
手を目の前でブンブンと振った。
「いやいや君のおかげで、また部活で頑張ろうと
思ったんだがら平塚様様だよ」
「も、もう‼︎早く食べましょう‼︎
ほら、ご飯が冷めますよ‼︎」
「なるほど君は褒められると照れる、と」
「そんな事、分析しなくていいんですよ‼︎ほら早く」
「はいはい、照れ屋なんだから」
「あぁ〜〜‼︎もう〜〜‼︎」
でもね平塚さん。僕は本当に感謝しているんだよ。
柳田先輩から言われた事を信念に頑張ってきたけど
何度も心が折れそうになった。その度に気合いを入れて
やってきた。だから君のひと言はとても嬉しかった。
ーーセンパイがいたから、後輩が生き生きと部活を
できるんですよ?ーー
・・・そのひと言で色々あったし、間違いもあったけど
全部が間違っていたわけではなかったんだと
救われた気がした。僕1人が正しいと思っていても
周りの同期や後輩がどう思っているかは分からない。
ただ少しは僕の行動も意味があったんだろうと思った。
・・・だから
「センパイ?どうかされましたか?」
もう一度ありがとうと言おうと思ったが
「愛しの彼女の顔を見ていたんだ」
「センパイは朝から何を言っているんですか⁉︎」
・・妙に照れくさくなって言えなかった。
でも本当にありがとうね平塚さん。
「いや〜〜平塚さん可愛いわ」
「表情が晴れやかになったのは嬉しいです。
・・・ですが可愛いを連発はダメです‼︎私の心臓が
持ちません‼︎」
「はいはい、そのリアクションも可愛いよ」
「人が言っている側から・・‼︎もう〜〜‼︎」

・・なお彼女からはこの後、朝食中ずっとジト目
だったが、それも可愛いと思ってしまった。

どうやら僕も色々末期みたいだ。

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