部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

膝枕〜〜七海side

「センパイ〜〜あの・・・」
と優しめに揺すってみるものも反応はない。
「すぅ・・・」
どうやら私の彼氏は寝たようだ。
・・・最近色々な事があって疲れているんだろう。
今日も夏目先輩と喧嘩をしかけたらしいと
与謝野先輩から聞いた。
センパイが部活をとても大事にしているのは
側から見れば分かる。
そのため自身を犠牲にしがちであった。
センパイ自身は
「部活が守れるなら構わない」
とでも言いそうな気がするが、森先輩や織田先輩を
始めとするセンパイと仲がいい方達は
かなり心配している。
「私も心配ですよ・・・」
今日だって帰ってきた時、顔があからさまに疲れて
いた。それが何日も続けばいつ倒れるか心配に
なるのは当たり前だ。しかも彼氏なら尚更だ。
・・・私にもっと頼って欲しい。だって彼女だから。
だがあのセンパイは絶対首を縦に振らない。
あの人はそういう人だ。
なら今の私に出来るのはセンパイが部屋ぐらいは
ゆっくりと休めるようにする事ぐらいだ。
「なのでセンパイ、ゆっくりと休んでくださいね」
とセンパイの頭を撫でながら思った。

「そういえばセンパイの寝顔は初めて見るかな」
大体は私が先に寝てしまうのでセンパイの寝顔は
みたことがない。
「あれ、センパイの意外と寝顔可愛い〜〜」
多分センパイが聞いたら
「意外は余計だ」
と返してきそうだ。
いつも平常時はキリッとしていて、会計の仕事を
している時は真面目な表情をしているので、なおさら
今の無防備な顔が対称的になる。
年相応の顔で私の膝枕で寝ている。
「この表情は珍しいよね。なら写真撮っておこ」
と私は近くにあった自分のスマホを取り、センパイの
貴重な寝顔を写真を撮った。
「待ち受けにしちゃお〜〜‼︎」
と私はセンパイの寝顔をスマホの待ち受けに設定した。
「この待ち受けをみたらセンパイはどんなリアクション
を取るかな〜〜」
驚く?恥ずかしがる?多少怒る?
・・・多分恥ずかしがりそうだな。
「ん・・・」
とセンパイが寝言を言った。
「森・・集合時間に間に合えよ・・・」
多分夢で森先輩と待ち合わせをしているのだろう。
・・・というか夢でも遅刻する森先輩って。
センパイはいつも何の夢を見ているのだろう?
「私出てくるかなぁ〜〜」
・・・だって愛しの彼女だよ?出てくるよね?
もし出なかったらセンパイにやつあたりをしよう。
それぐらいは許されるよね?
ワクワクしながらセンパイの寝言を聞いていた。

結局その後、私の名前は呼ばれる事は無く
穏やかな寝息を立てて寝ていた。
起きた後、センパイを蹴った。
「ど、どうした七海さん?」
「センパイのせいです」
「はい?」
「センパイが悪いんです‼︎」
「はぁ・・?」
とセンパイは私の思いを知るはずが無く、ポカンと
した表情をしていた。

「部活の後輩と付き合ってみた」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く