創造主は暇だったので冒険者になった。

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15.

『イースター』ができてから、一週間が経った。一つ分かったことは、このパーティーはだいぶ強いということだ。実際、クレアはパーティーに入る前から他の冒険者に一目置かれていたし、ルナも性格に難があるにしても、腕は立つ。俺もルナに「どこか軍の出ですか?」と聞かれた程だ。最も、俺のは真似事だが。そして昨夜、低難易度は物足りないという結論が出たので、今は中位の依頼を探しているところだ。
「なんか良いのあったか?」
「いえ、中位から上は遠征系が多くて…。」
「この際遠征でも良いから、報酬の良い奴探してくれ。」
「……これはどうだ。」
クレアが一枚依頼を見つけたようだ。それは随分古い依頼書で、冒険者から敬遠されていたのが分かる。
「えーと…レッドシャイア城の探索、報酬三〇〇ウルト。」
「だいぶ良い報酬ですね。行きますか、レッドシャイア城。」

ということで来ましたレッドシャイア城。レッドシャイア城、通称ヴァンパイア城は、シラクゼシアから三時間ほど歩いた所にある『血の森ブラッドフォレスト』と呼ばれる森の中にある。この森には吸血鬼ヴァンパイアこそいなくなったが、そこそこ強いモンスターが徘徊しており、なかなか人が近づく場所では無い。城の周りには、ゴブリンとの戦争によって無人となった城下町跡がある。俺達は、そこの大通りを城目指して歩いている。
「ゴブリンも侮れませんね。最強の種族と言われたヴァンパイア族を滅ぼすなんて。」
「三〇年前のゴブリン王は頭が良かったんじゃないか?」
そんな他愛の無い会話を(俺とルナだけ)しながら歩いていると、いつの間にか目の前にレッドシャイア城の巨大な玄関があった。
「開けるぞ。」
「どんとこいです。」
「承知。」
俺は扉に手を当て、力を込めた。

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