創造主は暇だったので冒険者になった。

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13.

黄緑と赤のスライムは色が違うだけだったが、青いスライムは色んな面で特徴的だ。黄緑と赤の体表には張りがあって、そこらじゅうペタンペタンいわせながら跳ね回っていたが、青いスライムの体表はベッチャリと溶けたようで、地面をズリズリ這っている。試しに何回か切ってみたが、水を切りつけてるみたいでダメージは通らない。たまたま持っていたマッチで火を付けると、すんなり燃えてしまった。
「あぁ、燃やしちゃいましたか。こればっかりは言っておいた方が良かったですね。青いスライムの体組織は可燃性で、明かりや燃料によく使われるんです。殺してしまうよりも瓶に採って売った方が報酬は良いんですよ。」
はい、と言って瓶を渡される。
「スライムの体の中にガラス玉みたいなものがあるでしょう。それ以外を瓶に詰めるんです。」
「へぇ。後で良いな。」
手合わせしていないのは残り一種、黄色いヤツだ。遠目に見ても周りよりサイズがデカい。移動は遅く、青みたいに物理が通らないということは無さそうだ。ある程度距離を詰めると、今までのスライムと同じ刺突をしてくる。それをかわして、同じように切りつけようとした。しかし…
「うわっ!」
その行動は、黄スライムの二撃、三撃に阻まれた。体の大きな分、一度に出せる棘も多いのだろう。四撃は無かったから、一度で三本と見て良さそうだ。手数が多くても、それは直線的な刺突ばかり。三発避けて、すかさず切る。さすがに一撃では倒れないから、これを二度三度と繰り返す。黄スライムは、四回目で倒れた。
「なかなか手強いやつもいるもんだな。」
「スライムとひと口に言っても、その種類は膨大ですからね。」 

それから先は、避けて切って瓶に詰めてを繰り返して、とりあえず商路周辺は片付いた。依頼を達成した俺達は、ギルドに戻った。

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