創造主は暇だったので冒険者になった。

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11.

俺とルナは冒険者ギルドに来ている。俺の初仕事用のクエストを探しているのだ。
「これなんかどうです?クルの実採取。難易度一で、クルの実五つにつき一ウルト。」
「正直何でもいいんだ。行こう。」
例の板(エクシスリーダー)に紙ごと手を置いて、クルの実がある東の森に出掛けた。

東の森の木々は、鬱蒼としている訳でもなく、ただ陽の光が充分すぎて、腰から下がこれでもかと生い茂っている。まさに通った跡が道になっていく感じだ。

クルの実は直径五センチ程の丸い木の実で、殻が硬いため、専用の道具まである。中身を煎ると香ばしい味で、酒場では定番メニューだとか。安価な割に需要が高いので、ギルドへの依頼もしょっちゅうだと言う。

しばらく草をかき分け進んで行くと、周りより一際背の高い木を見つけた。枝の先には、黄緑色の実が付いている。
「おー。ありましたね、クルの木。」
「あれどうやって採るんだ?」
「妖精に頼みましょう。召喚するんで頼む必要はありませんが。」
「また倒れても担ぎたくないぞ。」
「良いですよーだ。三体召喚!妖精フェアリー!」
出てきた妖精達は、黄緑、赤、水色。背中に蝶の羽みたいなものが付いている。
「さあさあ、クルの実収穫祭です。じゃんじゃん採って来てください。」
ルナが言うと、妖精達はそれぞれ別の木に飛んで行き、一分ほどで、両手にクルの実を山にして帰ってきた。
「採ってきたクルの実はここに入れてください。」
すると、空中に魔法陣が現れる。妖精達がクルの実をそれに向かって投げると、クルの実は魔法陣に吸い込まれていった。手ぶらになった妖精は、また木に飛んで行く。
「なあ、その魔法陣は何だ?」
「これは空間魔法、亜空間サブスペースです。この中に入れたものは、体積、質量が零になって、そのものの時間も止まるんです。」
話しているうちに二回目がきた。それから三時間程で、六本の木が枝と葉だけになった。
「そろそろ帰りましょうか。あんまり採ると乱獲の注意を食らう羽目になりますからね。」
「りょーかい。」

こうして俺の初仕事は無事に終了した。

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