創造主は暇だったので冒険者になった。

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7.

ルナの尋問により、次の事が分かった。ルナは冒険者で、五人のパーティーに所属していたらしい。だが昨日そのパーティーを追い出され、宿に困っていたのだという。そこで無人だったこの部屋に侵入して、ベッドに潜り込んでいた、という事だった。そこで俺は、冒険者になる手引きとその後の世話をしてくれるのであれば、主人には言いつけないという提案をし、ルナはそれを呑んだ。

かくして、俺たちは冒険者ギルドの前に立っている。
「さあ、中に入りましょう。」
「おう。」
ギルドを入ってすぐ右に、受付カウンターがあった。
「すいません、冒険者になりたいんですけど。」
「あら、こんにちは。新規登録ですか、ちょっと待ってて下さいね。」
そう言って奥に消えた受付嬢は、板みたいなものを持って出てきた。
「お待たせしました。まず、登録手数料に一〇ウルト必要なので、頂けますか?」
「はい、一〇ウルト。」
「ありがとうございます。次に職種ですね。メジャーなのは軽剣士ナイトですけど、他にも…」
「じゃあ、その軽剣士で。」
「え?あ…はい、分かりました…。じゃあ最後にギルドに登録します。これに掌を乗せてください。」
受付嬢が、さっき持って来た板を前に出す。俺は言われた通りに手を置いた。すると、板から白い光が出てきた…と思ったらすぐに消えた。
「これでよしっと。はい、今から貴方は冒険者です。おめでとうございます。」
「案外すんなり終わるもんだな。」
「他の方は職種選びでだいぶ悩まれるんですけどね…。」

その後、受付嬢から仕事の説明を受けた。

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